味気ない真理
なにかが欠落している言葉
対極で明滅する
金色の光
皮膚の外側に広がる
森羅万象
アルカロイドの力を
借りながら
つながる感覚
....
るる は ねじ式
ぎこぎこ
いぜんは そうじゃなかった
いくない魔法使いめ
しどいめに あわせるじゃあにゃいか
ぎこんぎこん
鼻をかじったぐらいでなんだい
あたちはあ ....
そろそろ
さああああああーーーっと
夜風が枝枝を撫でたなら
月の呼吸がしみわたる
独り言をいってご覧よ
それはすうーーーっと
夜の空気になじんで消えて行く
....
月夜
枯れ枝が影を伸ばして扉を開けた
幼子のたどたどしい歌声が
夜気に流れた
眠ったまま儚くなった子どもが
死んだことも知らず歌っている
灰のように静まり返った家内で
若い母親はテーブル ....
何回挫折したかな
人生なんて何が起こるか分からない
病気になった時は本当に晴天の霹靂だった
そんなことあるものかと思っていたから
仕事も辞めて
自分で生きてゆけなくなって
前後不覚になるま ....
ふたりは出会う
雛連れの野鴨憩う山郷の水面は茜に染まり
ほら手をつなご
これから暫くふたりして
同じ水脈を流れ行くのだから
ふたりのささ舟は
透き通る冬の気象 ....
丼
扉を開けば波打つ涙晴海の穴ぎょろりと不動明王の瞳がな、
扉を開けば波打つ涙晴海の穴ぎょろりと不動明王の瞳がな、
扉を開けば波打つ涙晴海の穴ぎょろりと不動明王の瞳が ....
散りゆく影を追い
夢は螺旋を描く
振り向かれることも
交錯することもなかった
微笑みが蘇る
たゆたう まなざし
銀は舞い散るのに
光りは指から
こぼれる
触れられず ....
洗脳されました
日に日に
それは目でもわかるほど
見事に実に艶やかに
洗脳されています
そんな脳を元に戻そうと言う人がいますか?
洗脳を洗い流す者がいますか?
いや、いないで ....
三千年の時を経た公孫樹の雄木が
銀の葉を降らせる
銀の葉を降らせる
銀の葉は薄く鋭く尖り
銀の葉は優雅に旋回しながら
荒涼の野に振る
三千年の時を経た公孫樹の雌木が
金の実を落とす
....
私は海になる
ただひとり あなたのために私は
自分を分解して個体の部分をすべてぬき取り
液体だけで構成された海になる
父になることしか出来ない性の宿命
それでもかまわず
私は母のような海に ....
切なさは夜になればなるほどに膨らんでゆく風船みたいに
あなたの笑顔は最強です
みんなをつい笑顔にしてしまいます
いつも大きな声を出すくせに小さな声に怖がるけど
ふるえる足をつぱって一生懸命手伝ってくる
あなたの笑顔は最強です
私は汚いオ ....
瞼(まぶた)を閉じ
安らぎに抱かれ
ゆっくりと
ゆっくりと
呼吸する
やわらかく息を吐き
おだやかに息を吸う
くりかえし
くりかえし
やわらかく
おだやかに
息を吐き
....
手で、ずれた眼鏡をあげる、八月の、水をふくむ、曇り空。閉鎖された父の勤務先、N社の自動車工場の脇を通り、母の自動車で、霊園に向かう。いままで納めることのできなかった、父の灰が、眠っている。わたしは、新 ....
夜がやって来た
挨拶がわりに
手元にあったまたたびをさしだすと
なんと 長い舌を出して べろっとなめ取った
裏返しになってよだれを流し
でろでろになったところを見ると
どうや ....
屋根を たたく
窓を たたく
そして
あたしを たたく
雨の音・・・
夜のとばりの中で
雨は 降りつづけ
あたしは
土に 染み込んでいく
もう
朝が ....
よこねっていいな
よこよこよこね
よこよこね
うつぶせよりいーな
あおむけよりいーな
よこねをすると
あたまんなかまーしろ
おくちをあけよう
おおきくあけよう
....
森の奥で一輪の花と出会う
落ち葉道に紛れ
ひっそり咲いている
慎ましく透明な花に
この感動を伝えたくて
スコップで根を掘り起こし
花瓶に生けて持ち帰る
机の上に置いて眺めた
不 ....
七月の雨、
アルバイトの休日、
自らの髪をかきあげる。
爪から指の間に、流れる。
部屋には、青い光の点滅がある。
わずかに開けた窓からは、水の音がする。
身体を曲げて、寝返りをうつ。
手 ....
膝をたたみ 目を伏せて
思い出すのは
折りたたまれた空に見つけた夏のかけら
黒髪が 風を誘った雨上がり
わたし ここで猫が飼いたいの
....
空からまっすぐ垂れた
雨の糸
大地に織られ
数多の模様を描きます
木
縒り合わさって森となり
川
縒り合わさって海となり
人
縒り合わさって国となり
土に染み渡るまで
浮 ....
白鳥考
むかし、むかし、花束を手に鼻水垂らしてやみくもに団地をつ
っ走る緑のテイーシャツ青年がいました。赤炎筆尾殺樫手架毛呂
けちゃっぷ命之四朗という名前でした ....
こんとらすと
ぼくは地中海へカチカチと音を立ててオナニーをすると
たんぽぽの白い種がの群青の奥深くきもちよく吸われていく
よ
どこまでも透明な青磁 ....
草原
おちるおちるる る る る る 青い水
ちいさな ちいさな ちいさな ピンク の ?
....
ちりん、ちりりん
らん、らららん
まつりの夜をゆくひとは
みなしあわせの匂いがする
たとえばあの日
道のむこうにみた彼のせなか
風鈴の音に溶けゆくように
ふわり消えてしまった
....
一番星は僕の身体に纏う光
牽牛を出し抜いて会いに行くよ
一途で可憐な織女さんに
無理だよもう追いつけないよ
七夕の今日だけ愛してますなんて
都合のいい遊び人だってこと
ちゃんと分かって ....
しろとくろ
きみが名づけたイタミはそれだ
不安になったらこれを読めばいい
痛くなくなるおまじない
しあわせにしたい、なんてごうまんだ
人は他人がおもうより
ずっとつよいいきものだ
そ ....
雨に濡れるのを忘れた人が、信号の前で返り血を浴びている。どんよりと、ただどんよりと生きていけ。おまえの夜の病はいまだ進行中だ。魚群探知機に映る影の人びと。探そうとしてもけっして探し当てられない影の呼吸 ....
雨に隠れてキスをしよう
皆知らん振りして去ってくさ
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