人を
喰いモノに、しています


喰らってしまえば
最後は皿まで
自分の指まで
泣きながら

喰らい続けるしかありません

引きちぎって
噛んで
噛み締めて

噛みちぎっ ....
これだけなだらかな
流線型の谷を下るあいだに
私はすっかりと忘れてしまっていたのだ
これが谷であるということを
私は視覚的な美しさを楽しみ
そこにはすべてがこめられていると思い込んでいた
 ....
海で、逢いましょう

オカリナ石を
見つけましょう

もう冬の、
灰色の海では
ないでしょう

子供は海へと
駆けて行くのでしょうか

猫は波に
怯えるのでしょうか

海 ....
悲しみを食べきれなくて

お腹いっぱいで

ほら、涙がひとすじ
うそつきなこどもだった




帰り道


鍵っ子だったわたしは
ひとりっきりの家に帰るのが
さみしくて、さみしくて


帰ろうとするMをひきとめようと
こう言ったのだった ....
時計の円周を2秒で6度分進むかのような時間の流れの中で
水平線が白輝しているね
だとか
 
海水は同じように岸へと波を打っているのではなくて
 ....
かえる 跳ぶ 柳の下
かえる 届く 柳の枝
かえる 折った 柳の枝

おとな かえる どなる
こども かえる どつく
かえる とんだだけなのに

かえる なく
かえる あるく
かえ ....
大きく
泳げ
こいのぼり

今日は
端午の節句
子供たちは
大喜び

お菓子が
たくさん
よかったね

今日は
こいのぼり
ぱくぱく金魚は
今日もぱくぱく

限りある水の中で生きるの

水中から見た歪んだ姿
名前は知らない 君は誰?

沈んだ餌はやがてふやける
ゴミになって藻が生えて
僕の生活スペー ....
言葉はわかり合う為の      
道標ではないかと        
思うのです           

ドアをあける前の足音で     
ただいまの一言で    
きょうの元気がわかるのは ....
息が白くなったら

アンタの湯たんぽになったげる

なんて、ないしょ、ないしょ、
むかしは色恋沙汰をかきしるした歌や文学が嫌いだった
万葉の昔からバブル崩壊後の現代まで
なぜ世界は色恋沙汰で溢れているのだろうと思った
もっとすばらしいことが世界には存在するのだと信じた

 ....
   言葉を、さがすのです 

   くろうしながら
 伝えるのは
  もどかしい けれど

本当に言いたいことは 
行の間や【。】のなか
星の間のくらやみや
言葉のすき間にかく ....
鳥の飛ぶ
銀のピアスをもらったよ


こいつったら ときどき
姿をかえるから
翼を広げてとびまわる


だから、耳をひっぱったりして、
やんちゃな赤ちゃんみたい 
でも、ありがと ....
お前は強いなと言われても
あなたは弱いですねと言うしかなくて
言ったからといって私の気持ちが
どうにかなるものではありません


お前は大丈夫と言われても
保障もない断言だけで
生き ....
切り落とされた枝が芽吹いて
いびつに折れた朝の出来事
春まだ浅い日の寝ぼけまなこは
過ぎたことを知らずにいる

幸せな枝に降る雨は優しい
見知った顔をした人達のように
安らぎで包む穏やか ....
三階階段の縁から身を乗り出して
手を振るのは逆光の天窓を遮る影なのです

その振り子運動の往復に眼球が催眠される瞬間
私は階段の縁に手も掛けず三階下を覗き込み
爪先も触れぬ一個の天秤の両端で ....
たとえばみせるために
死の予告をしたり
とめてほしいがための
自虐行為を
無くしてしまえと魔法を使ったら
世界は平和になるでしょうか
違法という名でとりしまって
すべてを削除していったら ....
  夜、汽笛の音が
  遠くから伸びてきて
  それが合図だった



  (ぼう ぼう
  (ぼう ぼう……



  鳴り終えた音楽の残滓が
  静止した街に滴る
  も ....
あなたの遠ざかるうしろ姿

を見つめたまま立ちつくす僕

が遠ざかる曇り空の下

の駅前が遠ざかる


あなたの遠ざかるうしろ姿

を見つめたまま

立ちつくす僕

をう ....
あおとあかと たまにきいろと
あとはいらない
たいくつと思ったことはない
ただ
まいにち日が暮れかかって
あかりがぽつぽつともる
これはうつくしい

じっとまえ見て 風に吹かれて
雨 ....
一篇





                                 どこに 
                                 詩 は
          ....
今日もいつもと変わらぬ夕暮れ
通り過ぎた黒色のワゴン
運転席からタバコの空箱が、道路の真ん中に転がりました
タバコの空箱は、次の車が踏みました
あの車も、家へ帰るのでしょう
あなたはそれを見 ....
寝間着からもれてくる水のにおいが
夜をかけてゆく
つるつると甘皮をはぐ物音も
虫がしんと鳴くともう閉じてしまって
ぼくは波紋に収束する
ことばの様だ
電気じかけなのに
くらやみが本の ....
はじめはみんな ちいさくて

とてもかるい

うまれたばかりのとき

目をつぶって あけたら

きえているんじゃないかと

きっとそれくらい


十年、二十年と生きるうちに
 ....
泳ぎだす
 香にオーブンから ときはなたれ
      あたたかな うれしさに
  まるで熱のある魚のように、
いいえ ちがう ちがう、
   喜び
    だからこそ
 うかれ キ ....
ひとつの窓が眠りについた。窓のなかで
演じられた芝居はおわった
観客たちは涙をぬぐい、夜をみつめる
なぎさの波のように
いくども繰りかえされた生と死
観客であると同時に
みずからの生と死を ....
わたしにはとうてい知りえなかったことがある
そのやわらかな皮膚やしろいにのうで、滾る血潮
あたたかな胃液にゆれるわたしの唾液
そのすべての美しいこと

エンドロールを延々とながめているようだ ....
後ろ向きに歩く、白い砂丘にて。
続く足跡見ながら、背中の先にあるはずの泉の白昼夢を見る。
また、旅の算段をしてる、白い砂丘にて。

1,2,3,4,5,
1,2,3,4,5,
正しい。
 ....
きっと
体の中の 心の臓と 言われる場所には
純白の 純白の 繭があって

そして
繭の中には 子供の時の私がいて
膝をかかえて  かたかた 震えているんだ

いまも
膝をかかえて  ....
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タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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_一_篇- るか自由詩509-9-29
タバコの空箱- 森未自由詩4*09-9-28
秘密- 梶谷あや ...自由詩1109-9-24
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Baked_Fish- 月乃助自由詩5*09-9-1
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