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風の始まりは
そんな熱の高まりからだと知っている

草笛を吹きながら
その始まりに立っている

(草原は静かに燃える)

気流に運ばれてゆく草の音は
枯れ色の野を赤く染めながら
や ....
澄ました水を眺めるくらいのここは小さな部屋です。
灰色の砂が時折、いたずらに跳ねる水で濃いグレイになったり・・薄いグレイになったりします。
太陽が出たりすることも月が沈んだりするこ ....
私はもう
とうに疲れてしまいました

できるなら
もう
笑うことも泣くことも
話すことも歩くことも
みんなみんな
やめてしまいたいのです

私はもう疲れてしまった

感情の動き ....
虚無をまとって闇を隠せば
それは限りなく深い透明のように見える

あなたは
自分を見せることなく
優しさを浮かべた瞳で見つめる

僕は
その優しさの結晶に自分を映す
一つの優しさ ....
石鹸 ストロー 含ませて 
        空  へ。

虹の円 数秒の悦楽 
風の強い 晴れた 薄青へ
     飛んで  行け。

儚い 宙と 思慕


「そのうち」


 ....
春のぬるい風をどうしても愛せない。
凍てついた枯れ枝の尖った輪郭を
冴えた静寂の中を立つ潔癖な冬木立を
ただ耐える以外には何もしないですむ季節を
ぼくは心底愛していたので
ふくらみはじめたつ ....
はずむように近づいてくる
あなたの息は白くない

コートは着てこなかったよ
と言って肩をすくめる姿は
想像よりも少し小さく見える

はじめましてとはじめましてがぶつかって
どういたしま ....
時計が
ストロボみたいな一瞬の瞬きで
一回転したりするものだから
慌てて飛び起きる
格好だけして
頭では遠くの花の群れるイメージを
深さで
あくびと一緒に出た言葉が
つららの丸さで凍り ....
突入へ 
その俊足を踏み込む
一歩という瞬刻に
黒靴で走る音の重さと
同じだけのナルシズムの
警笛が鳴る
敵 それは城としての呪縛として

血液の慟哭へ
つまり我の血脈へ
警笛は鳴 ....
散乱が止まらない新宿で
途切れない音量につぶった目の裏の
堆積を泳がせるかなしげな夜に
それは冷えきった街灯の指先だった
視覚のぽつりとした後
肌触りがしびれて遠くをめぐり
ぼくは静かで硬 ....
握っていた手のひらを開くと零れていくものがあったので
僕はどうやら何かを、どこかに忘れてしまっているらしい
記憶をひも状にして木の枝に引っ掛けて、登る
どうしてもたどり着けない


アゲハ ....
ああ、またここから、始まる

無意識にながれる所作に
ときどき
生まれる、感覚
蛇口をいきおいよくひねり
じょうろへと水を注ぐ
そんな、とき

朝が、
おとといよりも
昨日よりも ....
さきほどから
ちりん ちりんと
私の耳に響いていたものは──(どしゃどしゃと)
あれは空一面を覆った、暗く──(それはもう)
重く、どこまでも垂れ込める──(地面はぬかるみ)
 ──低い雲の ....
あたたかい あさ

濡れた地図の上に書き込んだ名前は
滲むように、消えた
始まれない私は
いまだにまるい船の上です


 警笛は
 遠い雲のこと
 進まずに消えるのは
 あの空へ ....
ともすれば不思議な
雨だったけど
顔には暖かい斜陽を感じる

季節はずれの
天気雨がうっとりとして
雨の原石は記憶の中で
わずかにしっとりとしている

吐息よりも小さな音をたてて筒抜 ....
   
狂うがままに放たれた色

花びらは
その身をくるむことなく背景を抱く
自ら屈してしまいそうな首をしならせて
けれど
滑らかな曲線はこちらに向かって投げ出され
それを支えようと身 ....
  手のひらの中に
  そっと星を隠していたら
  夜になって光りだし
  銀河系宇宙であることが
  ばれてしまった

  それは蝶のように
  よぞらをかざって ....
天動説の子どもが増えてるらしいのですが
それはまったく自然なことです

地球が回っているのだとしても朝が来るのは退屈なのですから
僕はお布団で魚になって
箱舟に乗ったかあさんとはなしをします ....
燃えるものがない
燃やすものがない

燃えようとする心だけが
かろうじて生き残ろうとするとき
ぼくの指先はペンを握りしめる
ああ白紙には危険な文字が溢れている
白紙を汚そうとするとき
 ....
パチ パチ (拍手の音)
パチ/ オキテヨ

新しい世界はいつだって、制服を着てやってくる
下ろしたての制服に袖を通し
黴の匂いを嗅いだ

ボタンの悲鳴
にゅ、ぷるん にゅ、ぷるん
 ....
静寂が満ちるのを待つ

あなたは
広げた想像の張力に身をゆだねて
空を映す水面に静かに浮いている

手のひらをつぼみにして
ゆっくりとふくらませるとき
わずかな空間の揺らぎが
水中を ....
張りつめた風の端
やわらかい記憶の糸をほどけば
泣いてしまうかもしれない
あなたは

ほころぶ桜の薄い花びら
その散り際の光景を思い浮かべるとき
過ぎた時を惜しむ眼差しで
未来を見つめ ....
  痛みを痛みとして見つめながら
  あなたは眼差しを地には与えず
  自分だけの痛みだと言って、
  誰かに分け与えることさえしなかった

  
  花びらは凛として
  項垂れること ....
てのひらに降らせたカラフルなキャンディの雨
気前よく景気よく弾けるクラッカーの紙テープ
そんなふうに

グリンピース
ぐらぐら沸き立つナベの中に
  グリンピース
放り込むのは何故この両 ....
ディアー マシュマロ

こんな寒い冬の日には君のこと思い出します
公園で初めて君に出会ったときのことを

その日空は曇っていて今にも雪が降りそうでした
僕はベンチの片隅に座って
買う気も ....
{引用=冬の終わり、
時雨模様
描かれるいくつもの輪のなかで
消えてゆくだけの悲しみがあり
雪にはなれず
かすかな温かさにふれたなら、
降りつもることすらできなくて}


  一瞬だ ....
濡れた紙が降ってくる
手で破いたように 
様々な容姿で舞い
白く空を遮る
ペタリと壁や信号機に張り付き
人々の頭は皆ライス大盛り
足早に歩く人の足には
待ってくださいとばかりに
大きな ....
その女の人は、ずいぶんと寡黙な人で
その寡黙さが
しきりに語りかけてくるのを
熱心に聞いていた

薄い手のひらでくるまれた
さらに繊細な指先は
紙袋のひもに引き伸ばされて
青く静止して ....
病院の長い待合い廊下に坐って
考えている
私の気はたしかなのかと
時々 呼び出しに応じて
いくつかの個室のどれかへと
人が 入ってゆく
そしてやがてまた出てくる
入ったまま
出てこない ....
埃を振り払う
ような、仕草で
無駄に積もった言葉を落とす
指先でそっと拭き取れるくらいの
そんなくらいでも、涙に変わってしまったりする

流星のようなさよならで
ほんの一瞬で暖かいくらい ....
岡部淳太郎さんの自由詩おすすめリスト(740)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
草笛を吹きながら- ベンジャ ...自由詩505-3-17
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時雨模様- 嘉野千尋自由詩5*05-3-6
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今日、電車の中で思いついた言い訳- ベンジャ ...自由詩9*05-3-5
外_来- 塔野夏子自由詩11*05-3-5
流星のようなさよならで- 霜天自由詩705-3-5

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