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まっしろしろにあとをつけ
雪を汚して歩いてく
誰かが通るはずだった
まっさらさらのこの道を
僕はわざとに歩いてく
汚してしまおと歩いてく
昨日も今日もおんなじだ
十年たっても ....
暗雲の下で僕は震える
苦し紛れに
淋しいと呟いてみる
身体に蓄えていたぬくもりが
抜け出してゆく感覚を知っている
昨日咲き誇っていた桜は
今日にはだいぶ散ってしまったそうだ
春と ....
1.
かみさまは、どこですか。
2.
かみさまは、どこですか。
道すがらたずねると
あっち、と指をさした人がいたので
ひたすら あっち、に向かって歩いた
歩いて歩 ....
うたうたうあなたの口もとに
ほほつたう涙のあじは
悲しいだけではありませんでした
にぎりしめた砂の声を
聞いたことがあるだろうか
互いにこすれあいながら
小さくなってゆく声 ....
それは どこですか
滑り込むような夕凪ですか
平坦な気持ちを
乗り継ぐようにして目覚める朝には
透明なコーヒーの
一番底にある苦味を
噛み締めるようにして始まりになる
遠くない窓 ....
お子さまからお年寄りまでみんなに人気の定番メニュー、
コアセルベート・スープはいかがでしょうか。
まず恒星の素を用意します。恒星の素はガスまたは液状です。
缶やビンに入ったものがスーパーで売 ....
石鳴り渡る日々過ごす月下
意思成り噤む日々過ごす晩夏
無我より生まれた自我 人は衰えたか
煩悶を良しとせず あえて振舞う奔放は優か
苦悩の輪廻の中で 膨大な自我が無我になることは?
物言 ....
はじめに言葉ありきと
はじめに私ありきの間で
振り子の玉が行き来する
言葉があり 世界がある
(ひゅっ)
私がいて 仲間がいる
(ひゅっ)
木がたっている
(ひゅっ)
私泣い ....
車内はひんやり寒い
乗客はみな一様にうつむき
僕の呼吸だけがまた
不細工な格好で繰り返される
耳元で川が流れている
昔、綺麗な魚に見とれて
手袋の片方を落とした
それは確かにあっ ....
桜
錯乱
咲き乱れ
風に舞う舞う
花吹雪
狂おしく舞え
狂おしく散れ
桜
錯乱
咲き乱れ
闇まで染めよ
夜 ....
夏、わたしのさみしさへ
はぐれた雲がひとつその影をおとしてゆきました。
青い空はわたしのものではなく
雲はしずかにながれてゆきます。
そのあわいかげにいつか はなの
しろいひとひらがあらわれ ....
空がちりりん
春の鍵をもった太陽が
今日もあちこちの箱をあけにのぼりました
山の
土の
風の
屋根の
木の
公園の
ブランコの
女の子の
かちりかちりと
ちいさな鍵 ....
深い追憶のように
眠りがあなたの肩にやさしく降りてくる
わたしはちいさな歌をつくって
あなたのそばでうたいつづける
──約束だよ
かならずもどって来てね
(あの日 静かな ....
扉しかない部屋で
君は朝焼けを食べている
朝焼けを食べ終わっても
朝焼けはなくならない
俺が隣で朝焼けを描いているから
なくならない朝焼けを食べ続け
そして君はまた扉を排泄する ....
名もない川のほとりで僕らは何も知らずに生きている
いつかの雨で水かさの増えたその川の
どこかで誰かが流されたらしい
虫取り網を持った人たちが
すくって助けてあげるんだと
張り切った手 ....
女の日 檮瀬チカ
今日は雨
傘を左手に持ち
雨の中 神社の鳥居の前に独り立ち
今日は女の日で有ったことを思い出す
誰もいない境内の中 鳩たちがひさしに隠れて群れているのを聴く
....
それは彼が歌う 葉色の吐息
さびしく踊る よる色の翅
かえるの君をおいかけて
銀盤の上を ゆらゆらゆれる
視界の端の夕焼けのような
意識のはしの金の月のような
きらき ....
指でつなぎとめ
奥にひろがるはずの
水をかくした葦の
叢で
わらい戯れてひそみ
その口をふたぎあって
ちいさな音に身を寄せ
ぬくもる鳥となった
あたたかい日に歩こう
の約束は ....
言葉は凶器になった
胸を突き刺し、見えない血生臭さを感じる
漏れることの無い様に歯を食いしばって笑顔を見せる
少しでも弱音を逃がしたら崩れてしまう
頑張っていた
幸せを手に入れるため
幸せ ....
{引用=
?.
地球の脱落者たちは
異星人となり
飛行船の
順番を待つ
誇大妄想やら
、被害妄想やら
、が
今更
セピア色の空から
激しく降っている
....
幸福を抱きとめて静止するあなたは、蕾のすがた
胸に手をあててわずかにうつむくその、
長い祈りにも似た、沈黙
春を知る朝の、淡い喜び
風が冷たくても、
....
きらめく
というのは
煌く
と書くらしい
煌くといわれても
どうにも
煙い
くらいにしか見えないんです私には
あるいは
火皇く
どこかの
国の王様が
焚き火遊びの
退屈な ....
テーブルの上ではコンニャクが
ぷるんぷるんとダンスをしている
花束は戸籍を失効してしまった
僕のポケットには扉が無い
行きつけの店で転んだまま
起き上がれない児童相談員は綺麗な歯肉
....
眼、鼻、耳、口、毛穴
すべての穴に私たちは窓を取り付け続けた
窓に明りが灯ると私たちはそれを街と呼んだ
街が体中に繁茂していく傍ら
明りの消えていく窓がある
その浮力により
私たち ....
おはよう
で、今日も誰かが溶けていく
それでも、空を見上げることを止められなくて
いつの間にか、あちこち穴だらけになっている
使い古しの気持ちを手紙に残して
あなたもすっかりと溶けて ....
{引用=
ぼくの知らないうちに
机の上の
ぼくの憂鬱が
キレイに拭き取られている
そこには
ぼくの知らない
君の無感覚が飾られて在るだけ
だから、床の上に
心臓ジュースを ....
始まりの声に耳をすませば
それは静かでも力強いことに気づく
あなたは
不確かな未来を希望にからめて
堅く結んだ約束を口ずさむ
こぼれたいくつかは落下して砕け散っても
受け止めたいく ....
季節の名を呼ぶな。白紙のような、はじまりのような、実際にはでたらめの
地誌。そんな緯度にバビロンは無いぞ。想像上の怪物、あなた。私はすぐに忘
れてしまう、砂粒のようで、出かけようとしている、広が ....
汗を出したおかげか、
底辺だった体調がゆるゆると浮上してきたようです。
時計を見ると、今日がはじまったばかりです。
枕元のペットボトルに手を伸ばすと、小さな土鍋が、そばにことりと添えられていまし ....
よるねていると
心配になります
この世界の
どこかには
黒い塔があって
もう ぐらぐらと
激しくゆれながら
うおーうおー と
何かを警告しているような
気がして
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