久しぶりの神戸
妹と二人で往く
生田神社は朝から多くの参拝者
ほっそり引き締まった狛犬を眺め
お詣りしてから坂を上る
異人館通りを右に曲がって
ハンター坂を横切り
賑わう北野 ....
人魚姫対岸を見て泣いている男女二つの影の七夕
地球では雨が降っても宙は 晴れ人魚の思いと裏腹に晴れ
織姫がもどる頃には泡となり人魚は永遠の1年の旅
自転車をこぎ忘れゆく日常の都会の暮 ....
上弦の月 、
膨らみ帯びつ
円周描く折まで
見えるもの観入り
住む庵の翳り始め
絶えず内に雨降り頻り
濡れそぼり崩れ続け
地に 砕かれる時
煌々と満月 、
陽の光受け取り
....
しろいノートに
さびしさを
書きつけてゆく
ちいさな
ほほ笑みの気配
忘れた喜びに
さようならと またねを
贈る
ささやかな
手のひらの温度
青空へ 千切れる
雲
風に ....
逝く春を巻き戻したし蕾まで
言葉など信じられない風景は嘘を吐けない例えば樹海
新しい友への便り携えてポストへ急ぐ心素足で
初夏の君の窓には今何が
原宿を歩く私を占うと『甘え足り ....
散開していく意識の束
思考も感情も意志も
ばらばらばららと
死の宴に焚べられ
さようならさよなら
嫌いも好きも私事執着
皆ぃんな何時か諦められる迄 、
雨の降り続く 容赦なく降り続く ....
万霊節の夜
名残りの夏の 季節の扉をしめる今宵
ここはいずこも
森の精霊の異形の獣たちに
あふれ
さまよう
Trick or treat
Trick or t ....
あめ色のクモの子、
尽きることがいちはやく約束された、
はかない太陽の子、
古い階段の手すりに金色の糸を垂らして、
もうほとんど冬にちかい、
まばゆい晩秋の陽に透けて、
とてもちいさくかが ....
青く発光する塊が、
美しい水で鎮められる
影のない真昼、
明るい夢の瓦礫から
神々の失敗のかけらを拾う
穢れた土を、
いくども水で洗い流す
その水がふたたび海へ還る
....
おはよう世界
おはよう世界
ってもう歌わない去年の一年草たち
今はどこに
私はそのどこかへ行きたい
キリン
あの日 子守唄を歌って暮れたのは大好きなキリンだった
....
今宵 上弦、白銀の半月
すぱっと夜空に切り取られ
何度も写し取られ来た
時の打刻、垂直に
イノチのチカラの
絶えること無く
宇宙エーテル透かし彫り
思考力動が私の脳髄踏み
....
だって
もう
そういう
時代じゃないの
昔の話じゃね
生意気ちん
生意気まん
僕らは
こーやって
楽しんでるだけさ
あーーー
まげまげまげー
ちかごろは ....
荒涼と大雪原
垂直に落ち来る盾、
何ものにも靡くことなく
打刻される時の 最早誰も居ず
私ひとりの魂 ひとつ、
思考流動の奥底から
白銀の光り輝き出る
上弦の夜 呼び込みつつ ....
娑婆をしゃば云う可愛さ
あーもーこんな感じー
でしかない でしかない
だってメイド喫茶だから
ご主人様
今日は2万円です
僕はね
大企業だから
2万円は2000円な ....
かぜのつよい日の、
晩秋の白い寒空のした、
剝き出しのコンクリートの壁に、
ただじっと、
垂直に命(いのち)している、
垂直に命(いのち)している、
冬、
という死の季節がきわめて近づい ....
ぽぉんぽぉんぽぉん
柏手三つ打ったなら
響き光り放ち映像となり
まぁるいまぁるぅい
円を描き返って来
肉のぶつかり戦う音
ぱんぱんぱん
掌魂の交わり喜ぶ音
ぽぉんぽぉおん
ぽゎぁ ....
それはぼくの口をついて出たけれど、そのたびにまぎれもない呪いとしてできるだけ離れたところへ遠ざけ、忘れようとした。もっとも不当な予感だったし、書きつけることによって、それが現実のものになるのを恐れた ....
1名様?
はい
ビールですねー
てんぷら
てんぷらと
てんぷら
と
てんぷらですねー
で
てんぷら
てんぷらと
てんぷらですねー
かしこまりましたー
....
生まれて初めて見た
こんなにも沢山のチマチョゴリ
京都で暮らしていた頃
頼まれ仕事で
結婚式場へお弁当を届けにゆく
式場は由緒ある場所
黄緑の木々が繁る、厳かな静けさの中
黒光り ....
新月の
夜陰天空
太りつふと
現れ上弦の
半月へ向かい
少しずつ形なし
よりふっくらと
夜月の充ちて
丸くまぁるく
円を描きて
白銀の輝き響き
放ち奏でる迄に
然るべき ....
私何も見えなく開くなればいいのに
聞こえなくなればいいのに
言えなくなればいいのに
感じなくなるのが一頭いい(例えば空腹)
そんなことばかり考えるカケスは
カケスの中でも異端 ....
新聞という情報ツールに
改めて、心底感心させられる
新聞配達をしていた十代の頃
それは重くて辛い紙束
それはただの新聞紙
日曜日の午後、夫の髪を染める
風呂場へ行く夫を見送り
足 ....
しっとりと濡れ開いて
桔梗の花の紫、いよいよ艶めき濃密に
しょぼんと萎び項垂れて
桔梗の花の蒼白、いよいよ掠れ薄れいき
秋、冬、春、夏、
秋、冬 そうして春へと
円環を閉じては ....
めいめい
そんなちんけな捉え方を
こぎつねな甘さでどうしろと
意味をもらったよ
走り疲れたあんた
まだわかりまへんの
不器用ですから
いや、不気味ですから
司法 ....
黒に青が混じって 紺
夜に空が混じって 海
髪と瞳が混じって 睫
うちの眠った 場所はどこ
約束のトンネルに咲く花の色
ちいさな嘘を薄めたら もっと哀しい
泣いた朝を薄めたら もっと止ま ....
朝、西の港にちかい道路で白いセンターラインから少しだけずれて、一羽のカモメがその羽を閉じながら蹲っている。前方に何台か続いている自動車がほんのすこしだけハンドルを切りながらそれを避けてゆく。寿命なのか ....
道を間違えて迷い込んだ学生街
近隣でもっともお安かったから入ったのだ
その店の名は「クマリマー」
大きな窓辺にガネーシャが並ぶ
とてもすいているカレー屋さんだ
最近の学生は裕福なのだろうか( ....
忘れられた
未来を
予感する
思い出の
果実は
見守っている
どの道終わる歩みを
一歩一歩
大丈夫だよと
終りまで 終りまで。ああ
人類は
何万年もの大昔から
争いをやめな ....
全ての果ての全ての果てを
物凄い速度で追い越し
光の街路を遡り
取り囲む風のチューニング
避けようもなく吸い込まれつつ
意識の奥の奥に自ら敢えて入り込む
★
いつしか此処 ....
自分の弱さを隠したくない夜がある
誰かのせいにして誰かを求めている
そうやって明日のパズルを組み立てながら
崩れそうな不安を積み上げている
ガードレール越しで携帯を覗く子
....
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