Ⅰ.


夢はすべからくすべすべとしたまるい顔
ひとよんでのっぺらぼうという名の妖怪
さそわれて、肩たたかれて、ふりむけば
人まちがいだろうけれど「なんかようかい」

夜空は月の目玉を ....
雪の三千メートル稜線を
登って降りてまた登り
やっと槍の穂先
ピークに至り
青息吐息、霞む視界
ふっと明け拡がり
地に着く宙空に鮮やかに

青い青いテントの現れた
板張り浮き出た掘っ ....
毎夏見る帰省のニュース
しっかりと時間を費やす 家族たち
それを眺めることが毎年の行事

思い出すのは病室の洗面台や
トラバーチン模様の天井
となりの家から夕ご飯の匂い
てん ....
いやに初歩的なことから始めて恐縮だが
原稿がなければデータは組めない、right?

二か月まるっとは制作期間ですらない
原稿が、ないのだ

彼は何を焦っているの?
ぶっ飛ばしてもいいで ....
一瞬にして 、
光の回廊の現れ出て
頭くらくら意識の鮮やか
飛び散る血飛沫に染め抜かれ
自らの終わり観える瞬き、
警告のベルの鳴り渡り
光景の涯てなど掻き消し潰され

美しき夜明けも深 ....
公園通りを抜けたところで
突然、大粒の雨が落ちてきて
石畳を駆けぬけ
アーケードに避難した

濡れた前髪から
昨晩のヘアトリートメントのにおいが
密かにたちのぼる
フローラルウッディの ....
盆前の最終勤務日の今朝、ぎっくり腰になった。
時折、酷い腰痛に悩まされるが、ここまで酷く、まともに起き上がれないのは久しぶり。結局、仕事は休ませてもらった。

腰がここまで悪くなったのは、あの仕 ....
記憶の中に家があって
記憶の中に家族が居た
毎朝同じ時刻に
家族のような人たちの出て行く玄関は
毎朝違う場所にあった
ある日
家族のような人たちは
夏を連れてきた夕刻に
消えてしまった ....
風を誘い夜を酔わせて
瞬く余韻に溶けるもの
溶けて蕩けて目醒めては

熱気の空から降り頻る
雨 、

むっと時を淀ませ刻み込み
あの御巣鷹の空からすら
ひとひと哀しみ只々麻痺させ
 ....
月が光ったり包むように照らす記憶のない、まだはじまったばかりの夜だった。
顔の何処かで泣かないように空に瞳を任せていた。どこを見上げてみても
わたしが知らないだけで、星はやさしく奏でていたんだった ....
小さな町の女の子は
空を見たことがない
小さな町の住人に
割り当てられた空が足りない
朝陽が昇ると溶けてしまう
うす紫のバスに乗って
小さな町の女の子は
茨の蔓を採りにゆく
野茨つるば ....
世界が動いている
私も動いている
くるくるぐるぐる
脳髄廻りを思考の蠢き
月明かりの
雲間からさっと射す、

肉身の苦痛 始まる最中
ベランダに出れば 、

私の中か世界の中か
 ....
空間に
手を差し出し
ゆっくりと
上下左右に探る
けれども
存在する
はずのグラスは
見つからずに
からのからっぽ
だったはずの
空間は
次第にそれ自体の
存在を漲らせ
だら ....
今宵
閃光にうばわれた
満月は雲
火は華と化し、
秒速の命を生きる
あまたな人を幸せにするため

匂いを放つ 月光のうすあかり 
遠く遥か隣り街に 山の端を染め
火の華を 見下ろ ....
 或る季節風の朝
 街中でコートをひるがえし行く
 女の紅よ

 結ばれないと解っていて
 湧き出る胸の音楽に
 自分をすら見失う時
 陽光に己が肌をさらすことも出来ず
 根なし草の様 ....
コンコン、と
ノックはするけど

返事もしないうちに
入ってくるママ

机の上に
紅茶とお菓子を置いて

口をあけて
パクパク、パクパク

何を言ってるのか ....
  {ルビ蟷螂=たうらう}よ その身に棲まふ禍(まが)つもの おまへの腹はおまへを喰らふ


 小学生のころに、道端とかで、カマキリの姿を見つけたりすると、ぼくは、よく踏みつけて、ぐちゃぐちゃ ....
ダイアモンドが石ころの様に落ちていたら
美しいと感じて拾い集めただろうか

僕が僕であると感じるは孤独の中だけなのか
君にあこがれる僕は僕のままでいられるのか

学者が残した幸福へ ....
光る眼の夢のような
道なりに太陽の傾く
夕べに尚も耀き続ける
朝陽の訳も云えずに

荒い粒子の踊り舞う最中 、

不協和音たる人の
協和音から遠く
不協和音の渦中に
投下された最強 ....
(遠雷まだかな
(どうして?
(だってうるさいんだもん!
ネリーさんは水でできてるみたいだね
(夏、だからね
ってほら
言ってるそばから排水口に吸い込まれちゃって
夏は濡れやすいから気を ....
渚に書いた君の名前は波にのまれ潮風とともに去っていった遠い夏の日

生き物は真実のなかで生きていたのだけど、人だけがなぜだか知らないけど、言葉によって創造世界を作り上げ社会をつくり今や全地球をすっ ....
 薄緑の歩道橋の真ん中で
 さざめく街の空中で
 立ち停まっている女を見た

 遠目で黒い日傘の女をみつめていると
 眠くなり汗がじわっと体を包む
 街の建物の間を
 車が川のように流れ ....
午後になった
扇風機をとめて
水を届けに出かけた
ひび割れた路面と短い影
歩く時も俯く癖があった
草刈の辺りで風鈴売りとすれ違う
音、聞いたのだからお代を、と
干からびた掌を差し ....
叢雨を
なぎたおす
台風の来ない
窓へ

風が吹くとき

それでも
窓を叩く音が
隙間から染み込んで
砂が石になってゆく

秒針を
あわせようとする
ちくたくと
この指で ....
高きから低きへ
流れるように


憤りの前の

ため息


それほど


無知に対して

知っているふりを

振りかざせるなら


水はいらない

勝手に
親だから

 ....
郊外に
佇み居る
きりすとさん
白銀の輝き帯びる
出で立ちにて、

今宵を照らし出し
いよいよ真白く微笑む満月の
太陽に自らを委ね明け渡す折図り
夜明けの空海✠から地平に沈み
濃密 ....
夏休みがくる

あの子がいますように

いや、いませんように


毎年 祖父母の家で暮らす夏休み

解放される天国の季節

いつからか

夏休みに必ず出会う少年

透き通 ....
今この瞬間より
いつも今この瞬間から
己の抱え続ける因果の宿痾
自らの内なる畏怖すべき呪い
自ら闘い続けることを誓い
更に深く認め識らんと
此の世に己生かされ在る際に
再々度、対象化の俎 ....
現代詩フォーラムはポエマーの拠り所だ。
恋愛から憧れ
失恋から失礼から怒りから吐き捨て
肩肘張らないなんでもありで
自由です。それは
ポエム・ド・メリー夢みる詩
にも
して現代詩 ....
弱った蝉を林に連れ戻そうとして
手のひらの芯を掴まれる

指に鋭い痛み
しなうほどの力で
下唇をくい込ませてくる
またか、やはりかと思う

同じことが前にもあって
どちらとも、もう翅 ....
海さんのおすすめリスト(2780)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
月は夜を統べる、幻想の義眼を髑髏にはめて。- 菊西 夕 ...自由詩8*25-8-15
詩想、辿道にて(改訂)- ひだかた ...自由詩525-8-15
帰る場所- 唐草フウ自由詩12*25-8-14
トロイのはっぱ- りゅうさ ...自由詩3*25-8-13
虹色れいん(改訂)- ひだかた ...自由詩625-8-13
通り雨- そらの珊 ...自由詩14*25-8-13
布団の上で追想- 花野誉散文(批評 ...13*25-8-13
マヨイガ- ちぇりこ ...自由詩18*25-8-12
さがうしお- ひだかた ...自由詩725-8-12
遠くて近い(夏の夜に)- 唐草フウ自由詩16*25-8-12
small_town_girl- ちぇりこ ...自由詩14*25-8-11
詩想、とにもかくにも(改訂)- ひだかた ...自由詩825-8-11
わんすもあ、よひのくち- ひだかた ...自由詩925-8-11
_華火__- 月乃 猫自由詩14*25-8-11
花になりたい- リリー自由詩9*25-8-11
虫。- 田中宏輔自由詩12*25-8-11
蟷螂_。- 田中宏輔自由詩11*25-8-11
Theory(セオリー)- 自画自計自由詩425-8-11
たましいふれんず- ひだかた ...自由詩625-8-10
夏の終わりのネリーさん- ちぇりこ ...自由詩15*25-8-10
渚に書いた君の名前- 足立らど ...自由詩5*25-8-10
歩道橋- リリー自由詩17*25-8-10
八月九日- たもつ自由詩13*25-8-10
8月- wc自由詩10*25-8-10
- wc自由詩8*25-8-10
サンバースト- ひだかた ...自由詩725-8-9
あの子のいる夏- 花野誉自由詩15*25-8-9
〈根源悪〉の原体験/異邦の恐怖──生かされ在る際に- ひだかた ...自由詩8*25-8-9
カネと女に狂った爺が言うよ- 洗貝新自由詩6*25-8-9
- soft_machine自由詩11*25-8-8

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93