私の存在しない世界なんて
こたきひろし

自分の存在しない世界なんて何の意味も持たない
そう思えてしまうから人は誰でも死を怖がるんだろう

若かったあの頃のある時期
私は自分でも怖いくらい この世界が終わる事を怖れない自分を所有していた
それは何の事はない
私は生きる事に絶望していたのだ

絶望的な環境 境遇に縛れてしまうと
人はよほどの強靭な精神力に培われていない限り希望の二文字から見放されてしまうものだ
生きる希望をなくしてしまうものだ

しあわせとはそれぞれの人格に育てられた幸福感と呼ばれるあやふやな物差しから割り出されるものだ
反対に不幸とは明確な形を持って人を際限なく蝕むのである

その大半は外部から加えられる理不尽な暴力であったり
精神を迫害する圧力であったりもする

先天的な病気だったり後天的な病気だったり
事故であったり 事件に襲われたり 自然の天変地異に見舞われたりして
人は不幸に陥るのだ

不幸には死が大きなウエイトを占めるのは言うまでもない
不幸の根源には死が大きく関わってくるのだ

私は考える事が好きだった
考える必要もない事さえ真剣に考えてしまうから
私の頭の中は考え事で充満してしまう

私は私に対していつも疑問を投げかけている
正解は見つからないし 回答さえみうしなってしまう自分しか探し出せなくなるのた

もうやめるわ
疲れるだけだ

疲れるだけだ
生きてる事に疲れてしまうだけだからさ


自由詩 私の存在しない世界なんて Copyright こたきひろし 2021-02-13 23:05:51
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