阿佐ケ谷に引っ越したKに会いに行った
Kの働く作業所(主に知的障がい者の人たちなどが働く喫茶店)で
Iphoneのゲームの情報を交換などした
昨日ipadを買ったらしい
彼は高円寺の路上である ....
君に照らされたいと
咲いた花は
雨風さらされ
踏まれながらも
その目に留まれと
桃色の手をかかげる
鈴なりのコチョウラン
大輪のボタン
道端のケイトウも華と
とうの昔に知って ....
.
くにざかひ{ルビ嶮=さ}しき小径を伝ひ
{ルビ菩提樹=しなのき}の厚き葉叢の陰に
古びてあるか二もとの{ルビ碑=いしぶみ}
旅人は振り返り又振り返り歩き過ぎてむ
.
石のおもは ....
いつだって私には、なにもなかった
くだらない事ばかり言って
悪態ついて
早起きもできない
素直じゃない
怒りはいつも自分宛て
どうせみんな燃えちまうんだって
そんな事ばかり考えて ....
がたぴし翁が住んでいるという
ここまで来たのだから挨拶をしていこうと
靴を脱いで上がっていったら
ちゃんと列に並んでくれと怒られてしまい
肩の間でしゅんとしている
それで長いこと待って
き ....
青い本、カーテン、壁。
ゆで卵、液晶、ローラーコースター
交互にする指輪、遠い者同士の接吻
からだを折ると、すこし生きやすい。
思いだすのは、ちいさなこと
泣いたら泣いたぶんだけ体が ....
空耳
原型がわからない
こんな音
だらけ
ずっと
これからも
夜の悪戯
午前2時に抜け出して
星と一緒に空を駆けた
君と降り立った夜の水族館
クラゲの展示に食いついて
離れない横顔が好きだ
少し足元照らすライトが
緊張感を膨れさせる ....
風が風で
風のままに風で
風以外のものすべてを
風に透している
焦げた港
暮れの青と水
人音の無い径
海に満ちる耳
空が空を剥がしてゆく
銀の彫像 ....
縦の渦の目
夜の窓をすぎる
虫の声の羽
笑む火の口もと
縦の渦の目
縦の渦の目
双つの花の目
早朝を泳ぐ
未満と未明の
機械的なまばたき
双つの花の目
....
さえない日々の影にかたちがない
検診前なので、節制中
恋愛前なので、節制中
節制クラブ、部員募集中
指差した先に
反射せぬ面
存在せぬ泪
まどろみの中、ぽつりぽつりと存在する人が去った。
去った後にぽつりぽつりがまどろみの中。
ぽつり、
ぽつり、
存在するなんて難しい言葉。
言葉は難しい存在。
言葉は ....
思い出の一瞬と音楽は
空気ごと吸って吐くものだ
それらを肺のフィルターにかけるから
その摩擦で胸は詰まる
連動する 目蓋の裏の幻灯機
スクラップブックに貼られた
走馬灯のフィルムの一部 ....
想像の青い馬
高速道路を駆けていく
午前二時
夜の風に乗り
どこまでも行けそう
思春期の
次は氷河期
ほどけないのは
輪廻のリボン
だから待たねばならない
氷でできた
僕の駄 ....
誰かの右目が 痛むとき
私の左目が 赤くなる
誰かが右手を 怪我したら
私の左手を添えて
包帯を巻いてあげたい
あなたが背中を向けたなら
リュックの理由を
分かち合い
荷物を軽くし ....
けつまずいて転ぶ
ああいつもの夕暮れなのにね
見えないものに語る言葉
忘れてしまった暑い日です
行き着く先のわからない
遠泳に参加する僕は第三泳者です
通り雨地球をまわしてとお ....
きみとぬすんだごがつのかぜのゼリーをクマがぽろんとおってしまったスプーンのたまでやわらかくすくったらす(く)われてしまいました、夏。
パセリってなんであんなに残すひとが
多いんでっしゃろな
れっきとした野菜でっし栄養だって
野菜のなかでもトップクラスなんでっせ
嫌いでっか
飾りもんと勘違いしてはりまへんか
もしかして ....
葡萄色のゼリーのような海と空は
きっと絵のように美しい
いいえ きっと海の ほんとうは 絵なんかでは 表わせない
憶万の色と光と影を 海と空は もっているのだろうから
けれど わ ....
お風呂で、血にまみれた私を洗い流す。
ごみ袋には 死体
どこに 運ばれて行く
どこかに 運ばれて逝く
浴槽が、いった。
まだ、お前が、片付いていない。
出しっぱ ....
いずくんぞ お前の肝臓 いずくにか
見とれていた風の色が変わり
大きく揺れる大気
陰は葉の間をかすめて活きている
組まれた枝は立体を崩すなと囁き
丸めた幹のテレスコープ
尾根を鳥瞰したとき
落ちるような光
しかし天 ....
見上げたとき
それは
蒼く凍えていた
凍える空が
美しい
なんて
だれが言ったのだろう
私たちは
閉じ込められ
凍えていた
閉じ込められ
凍えつづける教室で
あ ....
遠く離れた
名も知らぬ君に対して
愛を感じるための
口実なんてない
人類みんな
兄弟、姉妹だから、なんて
そんな標語も、白々しいだけで
だって
兄弟げんかも度 ....
窓の外では雀たちが木々の間を飛び交う
テレビからは泣き叫ぶ人々の声が聞こえる
このところの私は6種類の薬を飲んでいる
雀たち
テレビに映っている戦争の渦中にいる人々
私
皆生きている
生 ....
真白がこぼれる
自然の白が
神聖とは清濁のあるなしではない
自然の白がこぼれれば
それがすべての神聖なのだ
まだつめたくないのに
まだあたたかいままなのに
....
夏
母が自分の年と変わらない少女の顔をし
祖母と写真を撮ってくれと言った
今も見直すその写真に二人の入れない絆や愛情
を見る
その何とも言えない暖かさが何だか悲しい
何だか苦しい寂 ....
どうして人は
高いところから落ちると死ぬって
分かるんでしょうか
どうして人は
死んだことが無いのに
死が悲しいって分かるんでしょうか
どうして人は
悲しいとか嬉しいで
涙 ....
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