私の前に一つの 箱
親にでていけ、と
言われた日
箱がすぐさま 現れた

それは家と 表書き
それは部屋と 内側に
書かれていたけど
消えていた

私の前に 箱一つ ....
雑草を抜いた植田のにごりかな 鰻のタレだけ笑顔 あめとうとう
硝子を濡らし
景色を隠し

ゆめうとうと
意識を揺らし
兆しを示す

ことばばかりがほとばしり
あぶらえのようにおぼれるみどり
ただあって 泣く まじりあって

 ....
この世界の何と寂しい事か
僕の安寧は
黒い棺の中にしかない
さぁ、剣を刺してみよ
棺の中の僕は
横たわる僕は
血は流しても
息絶える事は無い
なぜなら
死人が二度
死ぬ事など無 ....
青い海
青い空
白い砂浜

跳ねる波飛沫
顔から受ける馬鹿
赤い脳味噌が零れる

ヘラヘラ笑う餓鬼
囃し立てる女房
どぷり、
血だまり
滑って転ぶ犬
ケラケラ
ケラケラ
 ....
真夏のまんなか
乾いた道のさきに
誰かが描いた蜃気楼

午後9時の
Summer in the city
大気圏の対流に耳を澄ます

アウトをとれない甲子園
酸素が足りない金魚鉢
 ....
発泡スチロールに入った
テナガエビがひしめいて
二十匹の黒い塊の
半分は水槽に
大きいものは鉢に

フライパンに油をひき
強火
鉢から出して丁寧に洗った
エビを入れて蓋をすれば
し ....
手を引いて綺麗な花の咲く場所 河の向こうにあるのは
向こう岸です
至極当然だけど、事実です
あなたは今、どちらの岸辺で詩を書いていますか
向こうですか
こちらですか
それとも、どちらだかわからないですか
一生懸命に書 ....
私は社会の片隅で、とうの昔に
絶望しているはずなのだが
僅かにまだそこにいたいという
気持ちは残っているのであろう。
呼んでもないのに春は来て、
新芽は生まれる。
泣きはらした艶のない目も ....
例えば愛されることが
順番制だとしたら
わたしの番は
一億二七〇〇万番目
いつか必ず
いつか必ず
そう信じながら
年老いて
死んでゆくのでしょう
けれどもわたし
本当は
一番が好 ....
老眼の眼をほそめ、針に糸を通して、彼女が
器用な手つきで繕いものをしている。
ほつれた糸は無いもののように。
ただ、ひたすらに繕ってゆく。
それは家族や社会、そのいちぶとしての一本
の糸であ ....
ごはんの時間まで家出  
あなたが連れてきたのは、雨と汗のにおい

あなたはシャワーなんてあびたりしてさ

あたいは期待とソファーに包まれるのさ


 
 手を付けないでおこう
 自分という作品に

 決めつけないでおけば
 何にでもなれるだけの、柔らかさが
 人の内側には、まだ残っている

 手を付けないでおこう
 描きかけた自画像に ....
かつて恋した人に会える
年に一度の特別な日
もう二度と
ふれあうことはなくても
恋しい恋しい人

許されない恋だったから
別れはすぐに訪れた
終わらないままに
引き裂かれた恋だった
 ....
どうも先天性らしいのです
人の心に穴があるのは

入り口は巨大な洞穴のようであったり
縫い針がやっと通るほどのものであったり

 それぞれ異なる 奥深さ
 それゆえ根付く 闇のまた闇
 ....
砕かれたもの
    傷つけるもの

時代の浪間に
    弄ばれて

俄に湧き上る想い
    だが全ては白い泡のよう

摩耗して往く
    意思 手足

蒼淡く ひと欠片 ....
そよ風に負けている 眠れない夜の隙間にとけてゆく名前を呼んでカムパネルラ

エアコンと冷蔵庫の音が響きあうここが私の夜の帝国

土曜日の夜は長いと靴が鳴る行交う夜のラブソングたち

憧れた花の都の片隅で ....
抑えて抑えて
気持ちを抑えて

高ぶったって何も良いこと無いんだから
得るのは終わった後の空虚感

今目の前にいる人も
いつ私にナイフを突き刺すかな

所詮他人だもの
気持ちな ....
人間を膝付かせたり
畏まらせたり
萎縮させたり
威張らせたり

たった一枚の紙切れが
数万集まれば
威張りん棒の親が
優しくなったり
馬鹿にしてた友達から
敬語を ....
{引用=真っ暗い空に
月の船が
帆をかけて行くよ

  ひかりをあつめて
  なみだをわたるよ

月の船が
夜を越えるよ

  きどうのさきに
  きぼうをのせて

 帆を ....
真っ直ぐ見つめる瞳に映る
真っ直ぐな歩道を
はみ出さずに歩ける人が
この世にどれだけ居ただろう

けれど 道路の白線の中を
歩ける人が殆どで
多分 青信号で
渡ること ....
得点にならぬ演技や蛍烏賊 僕らは社会の文体を学んで成長してきた
はたまた親の文体に反撥しながらも生きるために
それを受け入れて

今度は自分自身のフォーマットに縛られながら
それとの葛藤にちょっと疲れているのかもしれ ....
帰りたくない林檎に砂糖ふっている おでこにおでこくっつけてジェリービーンズの雨降る 真昼の烈光は
漂白剤のように
景色も
僕の影も
脳も
真っ白にしていく

何もない


真昼なり
陽向さんのおすすめリスト(677)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
- 為平 澪自由詩214-8-7
雑草を抜いた植田のにごりかな- 北大路京 ...俳句114-8-7
鰻のタレだけ笑顔- 北大路京 ...自由詩514-8-7
おとあめ- ただのみ ...自由詩28*14-8-7
- 凍月自由詩2*14-8-7
跳躍する躍動- opus自由詩114-8-7
アウトをとれない夏- 梅昆布茶自由詩2114-8-7
命の色- 自由詩6*14-8-6
手を引いて綺麗な花の咲く場所- 北大路京 ...自由詩1+14-8-6
河を渉る- たま自由詩21*14-8-6
シロザの憂鬱- 川瀬杏香自由詩6*14-8-5
愛すべきひとへ- 川瀬杏香自由詩11*14-8-5
繕いもの- 川瀬杏香自由詩10*14-8-5
ごはんの時間まで家出- 北大路京 ...自由詩814-8-4
期待- 殿上 童自由詩21*14-8-3
風の彫刻- まーつん自由詩8*14-8-3
恋人- 森川美咲自由詩2*14-8-3
あな- 自由詩9*14-8-2
海硝子- ただのみ ...自由詩19*14-8-2
そよ風に負けている- 北大路京 ...自由詩514-8-2
短歌日記- 為平 澪短歌114-8-2
虚言- 瑞海自由詩4*14-8-1
キャッシュ- 為平 澪自由詩314-8-1
月の船- 為平 澪自由詩614-8-1
当たり前- 為平 澪自由詩214-8-1
得点にならぬ演技や蛍烏賊- 北大路京 ...俳句114-8-1
おでん屋- 梅昆布茶自由詩21+14-7-31
帰りたくない林檎に砂糖ふっている- 北大路京 ...自由詩214-7-31
おでこにおでこくっつけてジェリービーンズの雨降る- 北大路京 ...自由詩414-7-31
真昼なり- ichirou携帯写真+ ...17*14-7-30

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