帰りたくない家へ特急列車
情けない親だったと
時々思い出されては
眠れなくなる
もっとこうしてやれば良かった
ああすれば良かったと
悔やまれる
よくぞ、育ってくれたと
神に感謝するばかりだ
精一杯とはいえ
冷 ....
ねぇねぇ
あいのおはなしをしましょうよ
…嫌だよ 愛は曖昧だ
じゃあ
みらいのおはなしをしましょうよ
…未来は今決めることじゃないと思うんだ
うーん それなら
わ ....
道のり
右も曲がったし
左へも行ったし
だいたい
方向音痴やし
笑うてなんぼの
性格やし
それでも
なんぼ、心や心や
言うても
クタクタに疲れたらなんもできへん
なんぼ、悪いところはありません
って医者に言われても
ショック受けてへこんだら動かれへん
心身ともに健全って当たり前
....
いつからこんな所にいたんだっけ
寝転んで
床に耳をあてて聞いてみる
足がくすぐったい
口の中 鉄の味がする
白い部屋に
白いワンピースが1つ
真っ黒の私が1人
閉じ ....
ゆるゆると水平線を越えていく居眠りという舟にゆられて
カーテンに映す葉陰はモノトーン秋の陽射しはながながと伸び
世界が白く息をして私の眼鏡は優しく曇る
きのこと胎児の水分量 イコール ....
私ね、月から来たんだよ
って君が言ったこと
最初は信じなかったけど
本当だったんだね ごめんね
天に架かる橋が
地からのびた日
君が裸足で近所の公園の
ジャングル ....
アイスコーヒーをフーフーして飲んだ
せっかくだから
手を繋ぎましょうよ
ここには私たち以外
誰もいないから
恥ずかしくないでしょう?
寒いんだから
あなた冷え性なんだから
手を繋ぎましょうよ
帰り道 一緒に帰 ....
月のない夜 銀河からの光に
山の端の木枝は 浮かび上がる 黒々と
花は眠っている 午後の明るい顔のままで
川音は 青くさざめいて 流れる
あてにはならない 行く末へ
いくつもの悔 ....
降り始めた雨に鼓動を重ねて手を繋いだ指先に温もりが帯びる。
帰る道を忘れた子供の様に私たち恋に落ち込んではずる休みをする。
距離に出来ない愛ある今は別れて分かれて解り合ってまた ....
万年青の実胴上げをしてビールかけ
後の月夜行バス待つ男女かな
耳遠くなりたる犬や後の月
スネ毛にもリンスするのか
穴を測る
縦の長さと横の幅と
私がよじ登ってきた深さを
塞ぐのに必要な
土の量を知るために
そして
もし塞げないならば
この穴を渡す橋を
かけるために
土に手を置いて
穴を ....
私の望みは
大きくはない
お金
仕事
仲間
それから
かばん
趣味
私の趣味はなんだろう
歌うこと
詩を書くこと
見上げること
見上げて
あなたより少しだけ
幸せに ....
私がずっとこわいこと
大切な人が
泣くこと
死ぬこと
大切な人を
嫌いになること
殺そうとすること
それよりもっと
こわいこと
人を好きになること
あな ....
秋の夜長
逃げては追いかけ、追いかけては逃げ、
今宵もひとり鬼ごっこ
雨のなかの無言
港の夜の終わり
藻の緑の昼と午後
霧は凍る
岸を摑む
埠頭の音が曇に映り
やがて粉と降りそそぎ
常に宙に消えてゆく
影さえ土に ....
閃光の一瞬
浮く身体
空を駆けて
目指すは銀河
今見えるものを
全て振りほどいて
新しい世界を僕と見よう
真っ暗闇を怖がる時間は
もう終わったよ
尖った星の欠片 ....
お前らなあー
山がいつも大人しく
鎮座してると思ったら
大間違いだ!
俺様のハラワタは
いつだって煮え滾ってる
怒らせたら
熱いのをぶちまけるぞっ!
よーく聴け人間ども
山を ....
山間の道路が雪に覆われていた間
馬小屋に閉じ込められていた馬
雪が溶けると小屋から引き出され
四輪の荷馬車に繋がれる
出かけるときには
隣の家の生け垣の
樫の葉を食いちぎり
轡に邪魔 ....
ぽたり ぽたり
胸の上に 滴る 暖かい
天井裏に隠した おまえの死体から滲み出る血
硝子の破片で刺した 傷口から
あの時 息の根を止めたつもりだった
どこかに潜んでいた 自己憐憫 ....
そらが ぬけて
やまが 切り取られたかのように くっきり
やまぎわの空はしろく 天頂は限りがない
あきいろの あかねは
だ円のつぶらな目で ぬけたそらをみている
なんて ....
青空にぷかぷか浮かぶ雲が 好き
頬をなでるおだやかな風が 好き
そんな好きを背に洗濯物を干すあなたが 大スキ!
ウィーン子の瞳は金剛石
金も女もくるくる廻る
己が手を汚さず
しかしハートは?
絶滅危惧種のような気分のときは
おもわず星を探している
頭の中が明瞭に区分けされないまま
時計の針は行ったり来たり
姿の見えない人々は
あちこちでちいさな吐息をもらす
拡散する ....
「そのレコード貸して欲しいって言ってたよね」
嘔吐に近い感情
寂しいからメールしたと思われたくない
寂しいけど
「どれくらい愛してる?」
その質問の模範解答を ずっと探している
開けた ....
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