だけじゃないよ
だけじゃないのになぁ
少し悲しくなったり
少し辛くなったら
ここの海へおいで
たくさんの悲しみを
たくさんの辛さを
持ってきてはいけないよ
海が真っ黒になってしまうからね
涙を拭いて
裸足でくる ....
淡い空の底に沈んだ
クリーム色の海面が
純白の部屋の窓から見える
青い砂漠の向こう
嘆きの川の向こう
黒い砂浜に建つ
新月の真下の白い監獄
壊れた僕の白い墓
朽ちない立方体の匣の中
....
綴じられた手紙の様に
君の心を読むことができない
それを
どうしても知りたい
僕のことを
どう思っているのか
今、自分が
ごつごつした
隕石に変身して
....
水底の傷
陽を見つめつづける
水底の傷
霧の奥の棘
言葉を抄えない
霧の奥の棘
空き地をわたる風が
目を潤ませる
昨日の雨
昨日の文字
....
可愛さには、法則があるんだって
わかっていても
かわいいな
妻が1番美人2番目は俺
ありがとうも言えず夜の喫茶店
ほろ苦い酒を吐き出した翌日
(さあ)
起きたくない朝にはいつもそこに甘い夢がある 。
※著名なお名前を拝借いたしました。本人様には一言お詫び申し上げて ....
【また きます】
「雨が降り始めましたから
みなさん もう いそいで 降りてください」
と云われて 震えた
そういわれて わたしは いそいで
その場を離れてしまった
ほんとう ....
あなたが すきでしたよ
大切な思いの
小さなシャボン
きゅんとなって プチン
あんなぁ
僕なぁ
嫌いで君のこと
無視してるんちゃうねん
無視されるの嫌なん知ってるねん
でもあいつが僕にらしくもなく頼んできてん
首を横に振ったら殴られると思ってん
するとおか ....
ひとめ あなたに会いたいです。明日 とうとう起動します。
あなたは いかがお過ごしでしょうか。
私は、ようやく 明日 起動します。
わたしは アルバムを見ながら 学生時代に書いた日記を読み返して ....
こども達の寝息が
なんとなく
聞こえることの幸せ
踏ん張る
もひとつ
踏ん張る
知っている?
生と死の間は
死なないと通れないくらい遠い事を
知っている?
1と0の間は
無限だという事を
僕は一だ
しかしそれは一瞬の事で
所詮は現在という
た ....
君の言い訳の言葉に
のりーしろを作った
もっと本音を言っていいんだよ
紅茶を入れるから
夜は始まったばかりだ
百人のアリスが落ちる坂の夏
盆を過ぎると
道端のあちこちに
蝉の死骸が落ちている
干乾びて塵同然
役目を終えた蝉たちに
弔いはない
墓もない
けれど残していった
ものがある
未来の夏には
また喧しく
....
見えないほど小さなひとつのかけらが
ずっとどこかで匂いつづける
次々に場所を変えながら
部屋の一部だけが揺れつづける
誰のものかわからぬ指跡が
火のようにあちこちを焦 ....
どんな慰めや労りも
「キイキイ ガアガア」
としか聞こえないかもしれない
そんな「キイキイ ガアガア」でも
ないよりはましだったと
思える日が
いつかあなたにも
夏の日差しをつめた小さなガラス瓶
机の上に ぽつり
砂に埋める勇気もなくて
ぼんやり開いた窓から
生活の群体が 声とも
匂いともつかない無数の触手を忍び込ませ
夕べを小さく折りたたんで往く
界隈のステテコ爺のように
この胸を徘徊する諦めの ブラシのような足音
持ち ....
あなたの弦と
わたしの弦と
目を見て
息を合わせて
奏でよう
美しい音になりますように
楽しい音になりますように
そのさきへ
便りにて
風が冷たくなりました
彼の人思う
夕暮れの日々
瞬くは
空一杯の一瞬と
よだかも光る
永久なる棺
良い人は
嘘をつかない母親の
声は遠くに
詩集を閉じる ....
最後の最後の陽射したち
熱暑がほどけていた
夏から秋へのちぎれ雲
それが交響曲を奏でていた
なんでもない外国を旅する
豊かな悲しみ
なんでもない時間を旅する
暖かな悲しみ
空間時間の ....
突然、心配になるんよ
遅いから
何処に居るか分からんし
連絡がないから
理由は単純で、馬鹿馬鹿しいけどな
ウザがられても
心配する気持ちを
消すことは出来ん
順繰りやけん
顔も知らぬ相手と
シェアをしている
2013年・2月に行われた
渋谷Bunkamuraで
美術館の入口に、足を踏み入れ
ぬうと目の前に現れたのは
1760年頃描かれた
白隠禅師の自画像で
ぎょろり開いた目玉は、僕に云う
....
或るロシア画家の
画集をぱらぱら、捲っていたら
苦悩する女の肖像画に
薄っすら滲む
イエスの顔があらわれた
神や仏はいつも隠れている
画家の描く、キャンバスに
彫刻家のほる、木の ....
針千本シャッターチャンス逃しけり
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