今のところ
許されて生きている
愛されて生きているとも
言うのかもしれない
幸せ者なんだろうと思う
でも
幸せだなあと心から思うには
私は歪みすぎていて
それはまったく ....
晴れわたった休日の朝に
僕にとっては
世界で一番優しいのは
君だけだよと
伝えたのだけれど
宇宙で一番優しいはずだと
言ってくれた年上の彼女に
僕がもし火星人と
浮気をしたらどうする? ....
すべる 若葉の上を
果てしのない空の歴程を越え
円い揺りかごに大地を包む
はねる ピアノのように
ひび割れた思想の冷たい黙示の上を
目覚めの兆しを死者の鼻先で踊る
はじける 終わり ....
もしも猫だったら?
あたいは、段ボールの角で凍える子猫さ
何も信じやしないさという目をして、何かを待つ捨て猫さ
君はクラスの中でただ一人
輝く褐色の肌を纏った男の子
幼児部の時は
「お母さんに会いたい」とよく泣いていた
お母さんはさぞかし優しい人なのだろうか?
遠足の日 君のお弁当は
ポテト ....
猫でした
まちがいなくねこだったと思うのですが
定かではありません
幸せだったかもしれませんし
そうじゃあなかったかもしれません
宿無しだったのはたしかです
いまでもたいして変わり ....
春は逝きじんわり熱いアスファルト飛び散るこころ集め汗かく
おまえのアオが好きだ
そう言ったとき
どんなアオが好きなの
、と真顔でつめよられて
俺は黙ってしまった
おまえのアオだよ
、と言ったとたん
おまえのアオが
牙をむいて襲いかかってく ....
窓辺にひかる緑
きのうの雨ときょうの光で
新緑が緑になっていた
無垢なもんはすぎてゆく
こころはここに留まっている
無垢なもん
無垢なもん
重力みたいな
....
ふにふにヘッドに ぷにぷにボディー
世界平和は無理だけど
守ってみせるぜ 家内安全 どすこいどすこい
眠られずまるでわたくし自身とはぐれてしまつたやうな真夜中
ヒヤリとする
時々止まる
夫の寝息
ちーちゃんはのら猫。
毎朝、ご飯をもらいに来る。
待っている姿が
わたしと重なる。
「ご飯を食べたら行きなよ?」
してあげられるのは
ここまで。
本当は面倒なや ....
横浜の姉に電話する。
料理や家事のことでわからないことがあると
姉にきいてみるのだが。
姉もだんだん逝った母に似て
話が長くなってきつつあるようだ。
煮ると焼くしかない僕のレパートリ ....
あひ見てののちの心のうらぶれや
白妙の衣袖しぼりつつ
おいらの悲しい涙をみたのは、おふくろとおまえだけだ
おいらの悔しい涙をみたのは、おふくろとおまえだけだ
おいらがひとのために歌うのをきいたのは、おまえだけだ
「自由ってなに?」
「自由ってね、 手を出してごらん?」
そう言ってあなたは
私の手のひらに氷を乗せた
手のひらの上で
溶けてゆく氷を見ながら
....
ぼんっすぽん
ちーん
ぶっぽう
痔 屁 痔 屁
ずっぼぼぼぼぼ
ぶうっぶうっ
ずぼぼぼぼ びり
っぶう
ぶう。
・・・・・・ぶう。
君に会えないその時は
花でも摘みましょうか
それとも窓辺で
恋歌でも歌いましょうか
花占いももう飽きた
君は{ルビ何処=いずこ}の空の下
誰を待っているのでしょう
さらさらさらさ ....
アートとして オブラートとして
暈しの中に一点を見極める器量を求める
100人せいぜい10色位なもんだ
大まかに跨ぐ心理のテキスト
詳細なんて気にするな 単色がラッキーカラー
君は何 ....
かなしみをください
あなたの傷口のように深い夜に
ことばをください
書き忘れた遺書のように
端正に綴ってみたいのです
桜が眼に沁みてなぜかせつなく
なにかを教えてくれるのですから
....
微笑みを恐れて泣くなど愚かなこと
胸腔を吹きすさぶつむじ風は微熱をうばい
からころと鳴る胃が律動を求める
乾燥した真昼の道は
縄に括られた首を一心に手繰り
点々と続く血の跡を浮き上がらせ ....
月夜の桜にご用心
照らされた花吹雪に心をもっていかれるという
そんな夜はおひとりになりませんように
言葉の繊維で細い白く光る糸を紡いでゆく
ゆっくりと一日かけて語彙と語感とを撚り合わせて
染色を施して様々な色の糸に仕上げてゆく
それはやがて布地に織り上げられ
誰かの肌を覆い隠してその人自身の ....
140323
粗忽な女なんか存在しないと
その男は思った
粗忽者はすべて男なのだと確信した
山間に住んで次第に山男のような風貌となり
里に下りてこなくなっ ....
この公園には獣がよく来ます
あの石積みの崩れは
イノシシの仕業
あなたの足下のぼこぼこした土
それは狸の厠
先ほど あなたの踏んだ黒い豆
シカの落とし物ですよ
昼間花見客で賑わう ....
ほどほどに愛し愛され金婚式
膝 様様。
私の日に日に重くなる体重を支えて頂き感謝申し上げます
妊婦が一番感謝しているのは 膝 様様です
よっこらせが呼吸なのです
それでも努力は怠っていませんよ
毎日きちん ....
今朝もお寒いですね
いつものあいさつに笑みが見えかくれ
春に、また一歩
ああ、
いまいましい
言葉を捨てようとして
夕暮れ時の河原に立って
何度も、何度も投げつけた
波打つ水面に
沈みゆく太陽に
それでも、
掌を広げてみると
....
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