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最後の最後の陽射したち
熱暑がほどけていた
夏から秋へのちぎれ雲
それが交響曲を奏でていた
なんでもない外国を旅する
豊かな悲しみ
なんでもない時間を旅する
暖かな悲しみ
空間時間の ....
遠くで雷がしている
光は見えない
雨も降らない
ただ暑いだけだ
おっさんの端くれとして
バスに乗っては降ろされ
名所を歩いてはまたバスを待つ
バスの車窓から街を見つめる
このひとたち ....
あなたの願いや思惑が
うまくばかりゆきますように
そう立派な神様にでも祈ろうか
ほんとは立派でもなんでもない
立派な神様にでも祈ろうか
海から津波
山から土砂
....
他者に無関心なひとが優しくみえるように
穏やかなひとが人格が高いひとのようにみえることがある
しかしながら穏やかにみえるような奴らの大半は
ただ諦めているだけの薄笑い野郎だ
諦 ....
いきなり教習所でF1に乗せられたような
いきなり手術の執刀医をさせられたような
じぶんやまわりの命の重さや軽さも認識しないまま
ひょうひょうと
ぬくぬくと
瞬間を
....
風もないのに木々がたわむ
木々が葉うらを騒がせる
風もないのに
風もないのに
風もないのに不穏がゆきすぎる
地球の皮が地球の皮の下が
ちいさくちいさく
震 ....
真白がこぼれる
自然の白が
神聖とは清濁のあるなしではない
自然の白がこぼれれば
それがすべての神聖なのだ
まだつめたくないのに
まだあたたかいままなのに
....
大雨が泣いていた
理屈と感情が擦れあって
雷が音を鳴らしていた
雨に吹きつけられていた
蛍光灯の黄色いひかり
ホームで傘をささないでください
ひどく孤独だった
心臓が止まりそうだった
....
きのう土砂災害で死んだ少年がグリーン車に乗っていた
ニュースで少年の横顔を見たときそれは短命の容貌ではなかった
だからいまグリーン車に少年を発見しても動揺はなかった
きのう会社に戻っ ....
まだ見ぬ不安に
コントロールされる
動悸
圧迫
冷静
死ぬのがこわい
死ぬときはひとりだ
外灯にみどりが鮮やかだ
バスとすれ違う
夏の夜がにじ ....
空には案山子がいるだろか
空にはお山はあるだろか
秘密の鍵はあるだろか
蟻にも旅はあるだろか
木々にも旅はあるだろか
世界は旅と光でできている
5月の空を空の旅
度重なる幸不幸
生き ....
窓辺にひかる緑
きのうの雨ときょうの光で
新緑が緑になっていた
無垢なもんはすぎてゆく
こころはここに留まっている
無垢なもん
無垢なもん
重力みたいな
....
ぼくたちの見たこともない色って想像できる?
お湯に四回
悲しくてふらついて
水風呂に三回
風呂上がりも
いっちょ前に悲しくて
たぷたぷたぷたぷ
呼び止めて
はしごはずされて
またおかしくなってしま ....
悲しくて
からだじゅうの細胞が泣いている
でも涙はでていない
がんばってるからだろう
あいつもがんばってるからだろう
涙は細胞にまかせたから
ぼくは目のまえのことにがんばろう
呼吸もいち ....
スナックをさがして
白いテナントビルに
宝石という
名前のラウンジを見つけた
ひとり90分1万円
ボトルキープは18000円
そんなもんなんかあ
客ひとりにひ ....
春の湿り
香がする
青が焦げつき
祈りを試す
やり過ごして
生きてゆこうか
迷惑かけない
程度でいいから
春の湿り
香がする
青が焦 ....
うまくいかないのは
ぼくが
うまくいかないことに
支配されているから
そこから抜けだすのが
とてもみじめに思えるから
感情は
移りゆくものに
いつも ....
曲がり角
まわると誰もいない
いるはずもないのに
探してる
バスの小窓に
見えない声が
聞こえるから
曲がり角
まわると誰もいない
いるは ....
浄らな思いで
祈ることもできずに
二月の夜道を歩いている
そういえば芸術は
どこか遠くて浄らなものだ
サティを聴きながら
迷路に一夜を運んでいる
きみは一 ....
あかるい曇り、昼下がり
このとしで、なんの未練があるだろう
宗教書をよむひとや
金利を指示するパーマのひと
口は悪を語らずとも
胸に抱いてちゃ
浄まるものも浄ま ....
いくばくかの希望
希望を泳ぐ
だれかの傍観者
だれかの人生、その舞台
はやく咲いた梅の花
素直に愛でることを忘れて
新しくできた喫茶店
ぼくは韓国のひとが ....
あたしのこと、ただ
話していなかっただけのこと
不自然でしょ
あたしからペチャクチャと
そんなこと話し始めていたら
あなた、人生って
暗闇にともる明かり、消すよ ....
あたたかいあめなんてあるのだろうか
てがみをかいてるきみにたずねてみよう
うえからみている
じかんじくでそうぞうをしながら
つめたいあめにせなかをぬらして
ぼくは
....
イクと人間関係の
残骸だけが
骨組みだけが
重たい
動機づけのない
俺は立ち去りたくなっている
愛していたのはなに?
愛を消費して
また充電して
....
ああ、冬の日に
ぼくはあなたと失いたかった
夜の海をゆく
フェリーの三等室
垢にまみれた
蛍光灯に照らされ
ああ、焦りのような
遠いこころを見つめている
....
ほこり臭い夕方のひかり
肌にはつめたく
悲しみには音たてて
地球のいちぶでうなだれている
彩雲がはしる
きみを想うの感情を
どうどうどう、と
制御している ....
あたしはあの頃
治療と返済のことばかり考えていた
それと
愛と
あたしがあいつに出会ったのは
あの頃ではなかった
あの頃よりずっとまえ
あいつは職場の上司 ....
ひとはせつなくなりたくて
ちいさな過ちを犯してしまう
せつなくなりたくて
きょうもひとは旅を続けている
今宵
僕らそれぞれに瞬く星が
いい星でありますように
....
時間という場所
僕らが欲望を
吐き出している場所
それを少しおさえたら
時間という場所
生きているという場所
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