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上京して赤信号で渡ったら 叱られた
コンビニにまで 「並びなさい」の、
足型マークが付けてある
お金を払わなければ 何処にも行けない街が
嫌いになるまで 居たかったのは
この街 ....
誰かが 私の家の
屋根裏部屋に上がって オナニーしている
階下には 小さな人形が
黒い大きな座椅子に 足を開げて 置いてある
その人が 上で 思春期をふるわせた声を漏らす度
....
腕には花の痕
ぬるくなった前頭葉から真昼が滴り
効き目のないエアコンの風が
指先を 揺らしている
デコルテの青白い呼吸が 唇から漏れる
白熱灯の陰り 閉ざした瞼から
上手に笑う あなたが潜 ....
【行方を尋ねないでください。
それは、行方不明になりたかった人、限定で、お願いします】
そんな紙を 寂れた下町の施設に 貼ってあげたい時がある
何の名札も値打ちも持たないということの
....
ダンボールがズタズタに切り裂かれて
ベッドの下に押し込んであった
当然だよね
片付けておいてね、って言ったの、
私だもん
田舎から都会での 新しい暮らしに馴染むために ....
先ほどから頭の中を 潮の臭いが通過している
文字と文字の列の間に 空洞を見つけて
遊ぶ子供が 砂場でカラカラ笑う
(ホラ、ミテ、コレガ、ボクノ、ホネ、)
そんなレトロな歌が ....
あなたは 年老いた家の姿を見たことがあるか
台所からは 骨と皮だけになった皮膚の隙間から
食器と血が 毎日滑り落ちて死ぬ音
骸骨のような運転手になった父が
赤信号のまま 車を通 ....
とめ、はね、はらい、が
美しく表現できる ペンで
誰にでも 恋文みたいなことを
描いたりする 頭の中は
だいたい
とめ、はね、はらい、だらけの
行動を 起こしたがる
....
食べても食べても、淋しさが埋まらない。
だから、腕を噛んで、千切って肉を食べて、空腹の内蔵を食んで、
食べ物の匂いを消すために、鼻を千切って、
食べ物が見えないように、次は目をくり貫いて、 ....
名刺を交換するように
お互いの身体を交換する
いやッ、
あの
好感覚の感触が
指で 語る
お互いの一日の
良い所々について。
あ、
の
母音を胸に置き ....
{引用=海から星が産まれるように
キラキラとしたものたちの共鳴で
光をつないでゆくように
人は空の軌道を輝きながら渡ってゆく
産まれたときは ふくよかで丸かったものが
未来に時 ....
私の前に一つの 箱
親にでていけ、と
言われた日
箱がすぐさま 現れた
それは家と 表書き
それは部屋と 内側に
書かれていたけど
消えていた
私の前に 箱一つ ....
眠れない夜の隙間にとけてゆく名前を呼んでカムパネルラ
エアコンと冷蔵庫の音が響きあうここが私の夜の帝国
土曜日の夜は長いと靴が鳴る行交う夜のラブソングたち
憧れた花の都の片隅で ....
人間を膝付かせたり
畏まらせたり
萎縮させたり
威張らせたり
たった一枚の紙切れが
数万集まれば
威張りん棒の親が
優しくなったり
馬鹿にしてた友達から
敬語を ....
{引用=真っ暗い空に
月の船が
帆をかけて行くよ
ひかりをあつめて
なみだをわたるよ
月の船が
夜を越えるよ
きどうのさきに
きぼうをのせて
帆を ....
真っ直ぐ見つめる瞳に映る
真っ直ぐな歩道を
はみ出さずに歩ける人が
この世にどれだけ居ただろう
けれど 道路の白線の中を
歩ける人が殆どで
多分 青信号で
渡ること ....
誰かの右目が 痛むとき
私の左目が 赤くなる
誰かが右手を 怪我したら
私の左手を添えて
包帯を巻いてあげたい
あなたが背中を向けたなら
リュックの理由を
分かち合い
荷物を軽くし ....
お風呂で、血にまみれた私を洗い流す。
ごみ袋には 死体
どこに 運ばれて行く
どこかに 運ばれて逝く
浴槽が、いった。
まだ、お前が、片付いていない。
出しっぱ ....
こんなネオンの華やぐ街で あなたは暮らしているのでしょうか
高速道路からでも立ち並ぶ マッチ箱の灯りの何処かに
あなたの名前を 探しています
あの日泣きながら バーテンダーが繰り出すマッ ....
バスの隣の席で 私の名をしきりに呼ぶ男がいる
私には 知らない隣の人
しかも 違う名前で呼ぶから
私を呼んでるとは思えない
隣の男が手を握ってくれるのは
私が寂しそうだからというが
....