逃げないで

まだ終わらない

忘れてしまいたい昨日も
何か一つのきっかけになる


見つめてみて
自分が歩いてきた道を

そしてこれからを



なにもないよ

 ....
姫様
こんな朝には目をつむり
芯部の痛みをやわらげるのです
色無き人々の圧迫などには
目も向けず
想うのです
ぼくを

スノーホワイト
赤い果実はあなたの芯部で
いかなる毒をしみ出 ....
聖夜に雪や星が降る

水平線にひかりの島

薬をビールで流し込む

キリストみたいな世捨て人

聖歌が夜にこだまする

車は30年前ので充分

それは見間違いかも


糞 ....
あの空の黄色と紺色が
どうやって繋がるものか
わからない

そこが
天国のありか

やり方の知れないことに
ほんとうのことは宿っていて
静かにいきものを見つめている
のだろう
 ....
…屋根から滴り落ちる水滴を見つめて

少しだけ ほんの少しだけ
水の音に耳を澄ませたい
鯉の泳いでいる 石に囲まれた
あの光景を思い出すから

かつての敗者だった僕に
送り届ける安らぎ ....
雑踏をかき分けながら
正午の鐘が鳴る
おなかも鳴れば
そこは立ち食い蕎麦屋
千円札を差し込み
天玉そばの食券がポロリと落ちてくる
ジャラジャラとおつりの音

男たちの背中をかきわけ
 ....
三年前にどうにも眠れなくて
三か月半の入院をした

そして今度はどうにも食べられなくなって
また入院する

そこはさまざまな動物が生息しているジャングルだが
静謐な時間が過ぎる場所
い ....
蒼い夜底の真ん中
白壁の沈黙、ふと絶え

薄い格子戸開ける女の白手
手招き三度、ゆらゆら揺れる

傷だらけの幼子の抱擁
骨組み晒し、癒されぬまま

格子戸の向こうに開ける界
二体の ....
痛んだ心は
解放を求めて
空へ飛ばしたくなるけれど

受け止めてはくれないから
胸に留めるしかない

だって
あなたは優しいから
「僕に分けて」って言うでしょ?


そんな ....
この世の灯りなんてみんな壊れて消えてしまえ
満たされている順に地獄を見るといいんだ
空と海の混沌に
突き刺さる黒い陸の先端
に白い少女が立っている

淡い彩りが現れ
生まれた風が海を押す
押されて海は岬に駆けのぼり
少女に白い言葉を飛沫く

潮鳴りにひそむ遠い記憶の ....
街灯の光が届かないバス停で
忘れられたように バスを待ちつづける

終バスは すでに出た後かもしれないのに

ここに明日までずっと立っていても 
だれも話し掛けてはこない
 
光を乱反 ....
(ダレカダレカ解放シテクレ、
コノアツクルシイホドノ抱擁カラ)

私は時々、
私を抱きしめている、
この腕を暑苦しく思う。
私を抱きしめている私の腕を。
この腕には沢山の鍵が掛けられてい ....
ぼくは妻と子を捨て
近くの森の広場へ行った
山積みの廃棄物の一点に
赤く点滅するボタンスイッチが誘う

押してしまえばこの世が終わる
震えた指が誘われ
想い出が身体を駆け巡る

どう ....
2015年度の大賞が何だったのか
もう思い出せないが
アホみたいな顔ぶれの選考委員だから
それも致し方ない。

そこで
あたし並みのハイセンスな人間ばかりで
構成された選考委員だったら
 ....
花 開く
冬の君の白い肌
紅に染まった頬愛し

愛は束の間 燃え上がり
二度目はないと 雪の降る
互いを忘れるなら
どんな日でもいい
仲睦まじく歩く人々を背に
うつむ気加減に歩いている
初めて出会った特別な日は
何もかもが新鮮だった
置き去りに過ぎてゆく奈落を思えば
今一つの恋にしが ....
コインランドリーでだれかのパンツが回ってる
そういえばあいつもトランクス派だったよな
そんなこと思い出す夜

だれかが忘れたハンカチとトランクス(
またトランクスかよ)
をよけてどっかりと ....
きょうは鶏祭りだ
去年の祭りからずっと 待ちに待って
ぼくらが普段口にできるのは
食用苔と粘菌くらい
今夜だけは腹いっぱい肉を食べれるから
大人も子供も
みんな嬉しくて嬉しくて


 ....
朝は人生のようだ
ようやく始まってもすぐに
終わりの兆しで満たされる

佇む人の内側には
透明な水が鏡を作っている
朝の人間は水でできている

信号灯は消し忘れられ
薄明 ....
洞窟に葬られたネアンデルタール人の傍らに
辰砂と花が手向けられていた
彼はその末裔が途絶える事を識り
強靭な身体で
ホモサピエンスを捕らえては
交配を繰り返し
己のDNAを残そうとした
 ....
街頭に立つ

歩きつつ
パンフレットを配る
2人の親子、ニッコリ
笑って受け取った
妻は言う、一人でもいいから
受け取ってくれれば
うれしいと
ぼくも三人のひとに
配布した
「 ....
(この男、殺したい )

私がはじめて、
胸のなかにナイフを握ったのは、
まさにこの瞬間だった。
その男は私に出会うやいなや

(アオイサンテ、
ソノ足ハ障害ナンデスヨネ、 ....
石ころ蹴って草をちぎりながら歩き
空を見上げながら喉を鳴らす

道を歩いている時
可愛らしい女性とすれ違うほど
苦痛なものはない
挨拶をするのも変
だが目線の置き場に困る

日差しで ....
クリスマスイブの前夜に
ようやく恋人が
同じ携帯電話に
一緒に乗り換えることを
わかってくれる
港町に降りしきる
小雨に濡れて

まるで外国から
貿易船で運ばれた
苺のフランボワー ....
しんと静まりかえった
森の中で
無辜の民を銃殺する

糸が切れた人形のように
グニャリと地に伏して

数十万人
或いは数百万人

彼らも
私の手にかかるなら
こんなにうれしいこ ....
昔々の自分を振り帰り
恥ずかしかったり
羨ましかったりする
新年

羨ましかったり
羨ましかったりする
新年

今年!
ゆっくりと杖をつく父に
身体を寄せる幼子は
病を得た父の横顔を時折不安そうに垣間見ては
にこりと頬笑んだ

聖なる地は空の向こう遥かに
旅は果てしなく続く

流浪の中の愛情は互いの幸を ....
かわいた裸につめたいドレス
あなたの肢体の隙間を縫って
透けて見える 十二月の行進

こっそり口を開いた嵐だ
札束を数えるように
耳を裂く静寂を値踏みして

時間が止まって感じるなら
 ....
善も悪も
全てを認めなければ人は生きていけない

ただ一つの生命を沢山奪いながら
ぼくは生きている

幼い頃の疑問は未だに晴れない
曇り空

やがて百八つの鐘は
今年も訪れる
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タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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