アロンアルファでくっつく程度の恋なのねと
小石の落ちるような調子であなたがわらうので
わたしはその 薄い唇からのぞく
欠けのある八重歯のよさを
教えたくなって やっぱり やめておく
あなたの云う、地獄と名のつく場所に連れていってくれと、私がいうのもおかしいので、その方へむかっていく背中を、みていた。煙草の煙にまざって、ゆらゆら幻影、だんだん、見えなくなっていく。私は噛む。爪を、噛 .... 十年前のわたしが知らなかったのは、ほんとうにひとは死ぬのだということ
息は絶えるし、姿はみえないし、さよならはいってくれません

十年後のわたしも知らないのは、ほんとうのひとの愛し方
結局こん ....
ああ、すごい
あなたまだ死んでいないのねと
ぽろりと転がることばがひとつ
まだ生きているのねと
はずかしいはなし、ほんとうにおもったのよ

さいごに記したことばを見返せば
あんまりいまの ....
拝啓 きみがいた世界へ


あんまりにもあっさりと消えてしまうから、
わたしが困ってしまったことをきみはしらないでいるだろう。
電話口でそれを知らせた、きみの友人の泣き声を聞かなかっ ....
もう 燃えてしまったのでしょうか
あなたが転がす言葉に震えて
いとおしさに狂いそうになった夜も


もう 燃えてしまったのでしょうか
認めてしまったら苦しくなるような
どうしようもない感 ....
君のつけた傷跡に、熱のような冷徹さで焼き付けてしまおう。
痺れる痛みが駆け巡り、完治するまで止めどなく、どうしようもなく、甘美で。
きがついたら、再発してしまう、性質の悪い感染症。
その苦しさは ....
 


どこに有るかも分からないのならば、もう探す意味もないのだ。言葉にしても定まらないユートピア。黄金郷。息を吐かせる暇もないような、ほとばしる輝き。どれももうきみには必要がないだろう。(つま ....
遠くで鳴るサイレンに
きみが巻き込まれていればいいと
思ってしまうような夜

私が吐き出す呪詛の言葉は
バカバカしいけど愛の毒


ああ さっさと死んでしまえ
私を転がす暇もない ....
あなたの作ったセンチメンタルが
わたしの心の隙間にはいって
たまらなくくすぐるので
わたしは今すぐ、あなたに会いたい
ああ なんというか
やっぱりわたしは
あなたのことを
あいしていたのだなあ と
あなたが壊したものは
簡単なようで とても気難しく
わたしの手には負えない
静かなようで とても激しく
それは海のようだ


海であるということは
その内側にやどるいくつもの命が
 ....
{引用=
パイプオルガンの音が聞こえたので、わたしはおうちに帰ることにする。夕刻、絵の具で塗り立てのような空は、燃えているけど燃えてはおらず、慕情は生まない。たいしたもんではねえや、と誰かが囁く。わ ....
とても精巧につくられたその舌が
小さな嘘をほのめかすので
わたしはときどき とてもかなしい
あなたは知らないようなこと

偽物だとすぐに分かるような軽さで
作られたことばたち
わらいなが ....
ことばに変えないのが正しいことなのか
わたしには未だに、よくわからないのだけれど
ことばに変える勇気よりはずっと軽いから
そのままであり続けようとしている


気がつかない振りをするの ....
悲しみを言葉に喩えたら
原因不明の眩暈が 心を 静かに侵してしまう
明日 生きられるかも分からなくなって
今日を 死んでるような生きているような 気がしているような
しているような ふりをして ....
ああ、太陽よ
きみが眩しすぎて
とてもつらいのは
今日もこの世の中を闊歩して
苦しむぼくを
きみが笑っているように
見えて仕方がないからなんだよ

ぼくは掃き捨てられてゆく
運命 ....
僕は君の靴下の柄を知らないし
使ってる化粧品の会社も
朝起きて最初にすることも
目覚める時間も知らない


僕は君が使う電車の色も
半年分の定期代も
その定期を収めているケースの種類も ....
履き違えた破壊衝動にプラスアルファで誰かの肩書きが消えていなくなる
その言葉に騙されたのならば油断していた彼らが悪いのだ
編纂する余裕もない灰色の脳みそたち


暗号化された社会に押し込めら ....
 

意識を下方修正する
受け止めきれない諦めを海に投げ捨てて
優しさのような白波を蹴破った


どんなに叫んでも
摘み取られたらお仕舞いね
見苦しいから、見てみぬふり決め込んで
 ....
 
簡易包装で愛情を逆撫でして、テレビ放送で愛欲を売り物にする。
たいしたものは今更ないけど、発情する身体は求めあうことを忘れようとせずに、疼く芯を自らの手で慰めた。



ア、と声が漏れ ....
.
i am a girl


中途半端に背伸びを繰り返して
落っことしたものはなんだい
多分 あなたよりは美しいもの
そんなもの
いつかは忘れてしまうから

知らない間 ....
どうしても認めたくない
何が正しくて間違っているのか
私の口から着いてくるそれは
虚実などではないと断言できるのか


何を言っているのかわからない
聞きたくもない
気付き ....
{引用=
木漏れ日に息を殺した
瞬きは影の重みに堪えかねて
いつしか消えてしまっていた


どうにも白々しいあなたの
くちびるの薄さから目を逸らしてきたのは
意味もなく上がる、その口角 ....
わたしだった
わたしじゃなかった

あなただった
あなたじゃなかった



ああ 結局どちらでも良い
はじめて壊れるときを見るか
それとも塞ぐか
どちらかしか無いだろう

あ ....
わたしの心は凍てついて
透き通って
淋しいくらいに鋭くて
全てを見失いそうに
なる

その先の方で
あなたの心の奥に
突き立ててしまったらと
考えることすら
ひたすらに侘しいのに
 ....
(わたしは 生まれたかったのだろうか)
(笑ってしまいたくなるほど高慢な嘘を)
(吐くことであなたは生きているけれど)


半分だけ満たされた胎内で目が覚めた
夢か現実か の判断は つかな ....
{引用=

明日生まれる予定です
あなたが生まれる予定です
わたしも生まれる予定です
多分息する予定です


胎内は塩辛くどうにもこうにもいけません
早々、外に出られるわけでもないの ....
.
苦しいんだと思う
辛いんだと思う
悲しいんだと思う
それを本物と認識できないのは
わたしが足りていないから なのだろう
だって
確かに涙は出ているのだ

.
無理やりに引っ張り ....
死ぬ準備ならちゃんと出来ているよ
あなたを殺さない方法もわかっているよ
全てが本当なわけじゃないって気付いてるよ
あなたがわたしを愛せるはずないって知っているよ


それでもわたしが手放さ ....
笹子ゆら(54)
タイトル カテゴリ Point 日付
アロンアルファ自由詩418/4/8 0:03
出涸らしの慕情自由詩11*18/3/19 16:47
a decade自由詩418/3/11 22:35
生きてるweb/再会/また会うかい自由詩2*18/3/11 22:17
拝啓 きみがいた世界へ自由詩6*15/10/18 1:25
灰と熱自由詩414/8/31 1:56
液体窒素自由詩214/1/31 2:18
さよならユートピア自由詩2*14/1/23 2:27
死んでしまえ自由詩113/9/16 9:58
センチメンタル自由詩213/9/16 9:34
哀悼自由詩013/5/6 0:57
自由詩313/4/15 23:48
ゆうやけこやけでまたあした自由詩113/4/4 0:23
あなたはしらないようなこと自由詩113/2/6 17:13
淑やかな衝動自由詩212/10/13 23:10
言葉に喩えたら自由詩112/3/29 1:09
太陽よ自由詩112/2/25 19:15
しらないところ自由詩112/2/25 18:54
存じません自由詩111/8/2 13:55
素肌に依拠する自由詩3*11/4/25 23:23
自由詩2*10/3/16 14:20
思春期より自由詩4*09/9/12 16:10
虚実と無理心中自由詩0*09/9/4 20:57
春と眼差し自由詩209/5/27 17:48
分裂自由詩009/5/25 18:14
氷柱自由詩109/5/9 16:42
揺さぶる生命自由詩1*09/4/30 17:07
それから 君と 生命自由詩309/4/23 0:05
理解/解体自由詩509/4/11 1:05
浅はかな絶望自由詩209/3/10 20:25

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