浅はかな絶望
笹子ゆら
死ぬ準備ならちゃんと出来ているよ
あなたを殺さない方法もわかっているよ
全てが本当なわけじゃないって気付いてるよ
あなたがわたしを愛せるはずないって知っているよ
それでもわたしが手放さないで
もがくあなたを見ているのは
きっと そこに自分を見るからで
罪悪感に押しつぶされそうになる感覚に
快感すら覚えはじめているからだ
断ち切りたい 断ち切れない
存外そこにはなにもない
あるのはあなたの拙い嘘と
わたしの自殺願望と
無自覚にあふれる欲望と陶酔だけで
まるで謀られているかのように
そこだけ 新しく光っている
故 衝動
とめどなく流れ出るものを抑えられず
故 抵抗
浅はかな永遠に身を滅ぼす
知っているんだよ
全部 わたしの罪だ