灰と熱
笹子ゆら

もう 燃えてしまったのでしょうか
あなたが転がす言葉に震えて
いとおしさに狂いそうになった夜も


もう 燃えてしまったのでしょうか
認めてしまったら苦しくなるような
どうしようもない感情も
想像を超えた嫉妬も


もう 燃えてしまったのでしょうか
灰になって風に吹かれて
どこか遠くにとばされて


あなたの中にいるわたしは
燃え尽くして 砂塵となって
もう片隅にも
なにも残っていないのかもしれない
そっとささやかれた呟きも
甘い手のひらも
わたしのためには使われないまま


もう 燃えてしまったのでしょうか
わたしのなかのあなたは
未だ燻る熱として
衰える様子も見せないのに


自由詩 灰と熱 Copyright 笹子ゆら 2014-08-31 01:56:55
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