太陽よ
笹子ゆら


ああ、太陽よ
きみが眩しすぎて
とてもつらいのは
今日もこの世の中を闊歩して
苦しむぼくを
きみが笑っているように
見えて仕方がないからなんだよ

ぼくは掃き捨てられてゆく
運命にあるのだ
生きてゆくことを
否定されて生きている
今日も明日も明後日も!


ああ、太陽よ
ぼくが殊更によるを好むのは
あさ目覚めた時
カーテン越しに
ぼくの細胞を殺してゆくあの感じが
怖いからなのだよ


ああ、太陽よ
いつまでも愛されないぼくが
愛され続けるきみを見続ける
拷問だとおもわないかい

ぼくがきみを愛せないのには理由がある
皆がきみへと注ぐ愛を
ほんの一滴でも分けてくれれば
瞬間、ぼくはきみを抱きしめたいと思うだろう

分かってはくれないか


ああ、太陽よ
ぼくはきみが疎ましいのだ

何一つ変わらず
今朝も輝き続け
人々はきみを愛し
きみは人々を愛す

こんなぼくすら


ああ、太陽よ
頼むから、もうだれも慈しまないでくれ


自由詩 太陽よ Copyright 笹子ゆら 2012-02-25 19:15:55
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