シャープペンの芯がきれたので地平線をつまんだ
　

あたしの、吐いた花びらに嫉妬。だからさよならなの？言葉と仲良く出来ないお方
　

なんとか類のなんとかしたような生き物であるわたしは、愛する(される)という行為によってではなく、すべての存在に透過して遍在する確率変数としての微笑みのような、行為ではない無根拠の理屈で愛されているし、愛されていたいと思う。
　

切り裂く風をくらいながら僕は直進し続ける成城学園前
　

青山一丁目の出口で別れようと切り出した僕
　

隅田川で、誰かが現代詩フォーラムに投稿している
　

六本木のスタバで眠りに落ちていく僕は夢を拾い集めて
　

■はるのかぜ

ぼくのひげをゆらして風がすぎていきます。おだやかなはるのやさしい風。今日ともだちとたくさん遊んだ。とてもたのしかった。みんな立派なネコになれるといいね。そらはいつもぼくらの上にあるけれど、一回もおなじだったことはないんだって。そらのようになりなさいってのがかあさんのくちぐせ。きみの耳がぴくんとうごいた。風のうたをきいてるのかな。
　

君の言うことには賛成だ。だが、君が逆を言わせない権利は死んでも認めない。
　

その言い回しにはピンと来なかったんだけどこの言い回しにピンと来たらというその言い回しにはピンと来ちゃったんだよ
　

四ツ谷の芝生で彼女と閉園
　

ハッピーエンドかバッドエンドしか選べない
　

渋谷の女子高生と金色の手を結びつけた
　

死ぬということで完成させなくてもいいじゃないか
　

■ちいさな雨

雨屋でちいさな雨をひとつ買いました。机の上においたビンのなかで、ちいさな雨雲が、元気に雨をふらせています。
　

ぼんやり立っていると池袋の女に撃ち倒された
　

■tears

小鳥はなみだ。海岸はなみだ。春はなみだ。ことばはなみだ。きみはなみだ。ひとりぼっちのなみだ。
　

新宿の交差点で乳房の中に心を探した
　

きみの名前を、机の上から、三番目。（花梨石のにおいのする）ひきだしに、しまう。

#「水文字」http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=18725
#一行詩なつかしいですね。
　

誰もいない夕暮れの長椅子で横になっていると空を飛んだような気持ちになるんだって君が囁いたその声が僕の中を金色の龍みたいに滑っていくから僕は君のきれいな耳元を少し貸してもらってああ世界は美しいなって返したんだ
　

■春だから

ペンキの剥げたブリキのPOSTに貝殻草みたいポストロックを届けておいたよ
　

キーン、キーン、秋の空へブランコする高く、何も聞こえなくなって
　

滑り落ちるしずくのように夢におちてく記憶の中で
　

ひなただよ、ひなただよ、ってエコーするくらいなら、春だからって言い訳しながら帰ってこいよ
　

■赤道

見渡す限りポストが立ち並ぶ　どれに入れようか

#題名つき一行詩もあり。こんな感じで。
　

タバコを吸ったあとあなたはすぱーっとけむりを吐いて「Ｋは生き方がへたなんだよ」とか言う

#「エルモ」http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=77470
#フレーズ引用はたとえばこんな感じで #sage
　

駆けていった）遠い地平線のすがたがよせかえす）波のように）ふあんていなので）そっと両手をさしだす）手のひらにのせて
　

(すきとおったたかい空へ恩贈された(あまりに爽やかな風のように(あなたの報せが駆けていった