400字で(+−10ok)、コラム、または情景描写をしてみましょう。
文字数カウンターはこちらです。
http://www2u.biglobe.ne.jp/~yuichi/rest/strcount.html
うーむ、と唸らせるような400字、待ってます。
頭に「タイトル」を入れて書き始めること。
文末に(文字数)を入れて下さい。
*参加者の多数が不快に思うような投稿は控えて下さい。
*個人に向けての誹謗中傷、差別的発言、暴言、宣伝、等はNGであります。
「牛飼いの家」
ぎらぎらした太陽と耳を圧する蝉しぐれのなかを歩いている。棚か
らぶらさがったトマトやキュウリなどの蔓性の野菜をなぞり、橋の
手前で左折して歩く。ましろい舗装されたコンクリートの道を歩く。
左手は石垣、右手は畠と丈の低いツゲの木など。シュロの木は去年
の台風で倒れてしまった。そこからゆるく左にカーヴしているその
坂を下っていくと、牛小屋が見えてくる。黒い牛がときどき鳴く。
飼料に顔をつっこむ音。道向かいに農機具を置く小屋と缶けりので
きる庭、そこから母屋まで庭を横切る。ごめんください。回覧板で
す。がらりとあけると火照った体に冷気があたる。なかはひんやり
としている。入って20畳ほどの土間。その先に掘りごたつのある居
間、左手は座敷。薄暗い室内に目が慣れずしばらく佇む。風が通る。
背後から牛の鳴く声がきこえる。返事はない。もう一度声をかける。
待つ。それから土間を横切り、上がり框に置く。それから光のあふ
れる戸口に向かう。
(403字)
「想」
初夏になると、あんなに咲いていた梅と杏の花が全部散り、青々とした小さな果実が実る。
丸々太ったところでもぎとって、ヘソを楊枝でほじり梅酒と杏酒にする。
焼酎と氷砂糖につかった、いい匂いのする梅の実を齧るのが好きだったのだが、たまに1つしか食べさせてもらえなかった。
地面に落ちた杏には蟻がたかる。大きすぎる杏は手に余るようで、蟻はいつまでも杏の上を言ったり来たりするだけだった。
梅雨の頃は毎年咲くあじさいが次々と咲いた。ピンクや紫や青。雨粒に合わせて頷いている、小さな花のかたまり。
かたつむりが広々とした葉の上をゆっくり這っている。
毎年、同じ蛙が同じ場所に来て鳴くのが、不思議だった。
どこで雨漏りをしているのか、家の中にいると、ぱた、ぱた、と雫の垂れる音がする。
その間隔が早くなれば雨も激しくなり、遅くなればやがて止むのだった。
私はガラス戸の張ってある二階の廊下に寝転がり、本を並べていつまでも読む。
(400文字)
「空」
よく晴れた真昼の空を見上げれば、いく本ものすじや帯状のものが連なって渦巻きながら消えていくのが見える。
ゴッホの絵にある空の渦巻きを思い出してくれればいい。今日の空は薄い渋い淡い水色が何本もたなびいている。
たなびく帯の間を、時々きらっと光るものが過ぎる。それを天女とか天使とか言う人もいるだろう。
そこまでロマンチスト・リアリスト・オプティミスト・ペシミスト・ではないので、それは見えない。
ただ光るはかないものが雲をいっそう白く染め、帯をゆするのが見えるだけだ。
数匹の鳥が連なってその光るものを避けて飛んでいく。翼を得て地上の汚れを振り払った鳥は、そういう意味でも賢いと思う。
灰色の飛行機が何も考えずにそれを引き裂いて行く。引き裂かれた破片を何と呼ぶのかは知らない。
破片はきらきらと光りながら空に散り、帯に飲み込まれ次第に消えて行く。
その様子を見ている。ただ、哀しいような空の景色だ。
(文字数393)
#こんにちは。参加させていただきましたー
おもしろいスレです。
未熟ながら修行を・・・・!
夜明け(街)
空中で停止した『冬』の粒子がゆっくりと動き出し、
あまりの冷たさに固くなっていた空気が溶けはじめた。
夜明け。
濃紺から群青へと移り変わる背景に路が街燈が、しっとりと濡れている。ハッカの味がするような空気の中を独り、カラスが駅の方角へ向うのを首を伸ばして見送れば、襟巻きの隙間から蒼い空気が入って思わず首をすくめた。遠くで鳴く、黒い声が痛いくらいの静寂を破って、不思議と柔らかく耳に響いて溜息をついた。唇からもれる息の白さが1日の中で最も美しくなる時間帯だ。わけもなく息を吐いては、白い靄ごしに空を見た。
天上に凍てついた夜明けの星は、ビルの谷間に燃え出した紅蓮に炙られて急速に解凍されていく。
焦がす様な勢いで燃え広がる空の彼方に雲が吸い寄せられて、雲で顔を隠すように太陽の前髪が見えた。
蕩け出した金色が群青に代わって、町並みに流れ込んでいく。
少しだけ色のついた空気に、やはり、カラスの鳴き声が響いた。
(397文字)
冬の小川(情景描写)
冬の小川に橋の上からそっと小石を投げ入れてみる。
どぶんという鈍い音とともに、水面に白い波紋が広がり、
それは沈めた無音の響きでもあった。水が冷たいのだろうか、
その揺れはどことなく固かった。
その余韻に浸る間もなく、水底からプクプクと小さい泡が
浮かび上がり、やがては消え、全てを忘れたかのように時は
停止する。遠くでは鳥の羽音が世界を重く包み、鳴き声を
挙げながら世界の裏側へと消えていった。
橋の上で一人立ち尽くす自分は、どこか寂しい孤独な存在に
見えた。川に映った自分の顔に向かって、また小石を落とす。
顔が一瞬にして壊れ、再び水は幾重もの円を視界に創り出す。
その後、穏やかな波紋は破れた自分の姿をまたつなぎ合わせ、
思いがけず、自分を探している自分の姿が見える。
波紋は水の中だけではなく、水の上にも広がり、空に連なり、
冷たく厳しい風が自分の頬を通り抜けてゆく。
冬の小川は、今という時の全てを自分に語りかけている。
(400字)
mod 1(投稿番号)
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で編集できますよ〜♪
ぼくも先週あたり知った…(笑)
必要なかったら、消しちゃってください
とてもいい企画ですっ!
ある制約の中で何かを書くって、表現が洗練されますからね〜♪
今夜あたりに、400字でチャレンジしてみますっ!
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