2007 02/13 14:04
ふるる
「空」
よく晴れた真昼の空を見上げれば、いく本ものすじや帯状のものが連なって渦巻きながら消えていくのが見える。
ゴッホの絵にある空の渦巻きを思い出してくれればいい。今日の空は薄い渋い淡い水色が何本もたなびいている。
たなびく帯の間を、時々きらっと光るものが過ぎる。それを天女とか天使とか言う人もいるだろう。
そこまでロマンチスト・リアリスト・オプティミスト・ペシミスト・ではないので、それは見えない。
ただ光るはかないものが雲をいっそう白く染め、帯をゆするのが見えるだけだ。
数匹の鳥が連なってその光るものを避けて飛んでいく。翼を得て地上の汚れを振り払った鳥は、そういう意味でも賢いと思う。
灰色の飛行機が何も考えずにそれを引き裂いて行く。引き裂かれた破片を何と呼ぶのかは知らない。
破片はきらきらと光りながら空に散り、帯に飲み込まれ次第に消えて行く。
その様子を見ている。ただ、哀しいような空の景色だ。
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