すべてのおすすめ
ばかなねずみは、りこうなねずみとちょうど同じ数だけいる。
ぼくたちはばかなねずみで、たとえば角砂糖が落ちているのをみつけてはわあっとかけよって、けんかしながらあっと言う間にたべてしまう。そうして ....
わたしのむすめのすごいところのひとつは、ドーナツの穴を食べられるんです。
あるときわたしがおやつのドーナツをかじりながら、「いつだってこの穴が消えちゃうのがせつないよね。」と言ったら彼女は「 ....
夏がきましたよ。蝉!(叫ぶむすめ)。
都立高校の窓から吹奏楽の演奏が落ちてくる。七月盆が終わって、売れ残った竜胆と蓮の葉。
水をはじいて光を跳ね返すような色の濃い夏の花たち。一年半とすこし働い ....
アネモネがばあっと咲いてる道があったんだよな。四月で風もつよくて、ひざしがばからしく春めいて。花のこと知れば知るほどかなしくなるような気がする。物事って、知れば知るほど仕方なくなる。めりめり泥に飲 ....
箱がたくさんある。
現実にも想像上にも、自分のものも、むすめのものも夫のものも。怠惰な感じのする春の日差しの真中にわたしのそれを置いて、みる。日差しは多くの物事を明らかにする(もし私達がそれを望 ....
金魚がうちにきたとき、はやく死なないかなとおもった。
かならず金魚は死ぬので(わたしよりはやく、それはほとんど確かに訪れる)、早いほうが良いようにおもえたし、単純に生きてるものが、夫と娘と自分以 ....
黄色い布張りの表紙のノートは母が買ってくれたもので、すらすら嘘を書くのにつかった。
三週間連続で書きこんだり、7ヶ月間開きもしなかったりしながらで13年経ったのだ。時間と手垢で沈んだ黄色。
ず ....
10月はさびしい。コーヒーカップにのこるしま模様、イヤフォンごしの喧騒、チェックのスカート、ブーツ、冷えゆく空気をおし返す陽射し。猫たち、痩せて、鳴いてもよわい。指輪を磨くシート、洗剤とシャンプー ....
物語たちはことばのうしろですでに出来あがっている。辛抱づよく待っていてくれるのだ。それはつよくてさびしくてやさしい。
みどり色のオアシスのうえに花を作っていく。わたしの指は傷傷して汚れて、それは ....
素麺と豚肉と茄子の煮たのと味噌汁ととまとと胡瓜と梅干しとご飯と納豆とひき肉冬瓜と青菜の浸しをたべたら作り置きの惣菜がもうないから卵を焼いて豆をもどして、もどしてるあいだに卵はたべてしまうしもう一度 ....
世界は暑くなりすぎだね。っていうあなたの涼やかさ。シャツのなかに風を飼ってるみたいで良い。
そうだねってわたしは言うけど汗でべたべたになった手がすべってつかまってられない。わたしは季節をすべりお ....
むすめに小花柄のワンピースを着せたので、自分は紺色の格子のワンピースを着る。ふくらはぎまで裾のあるざらっとした生地の。雨は降ったりやんだりする。
「びしょびしょになってもいーんだよね」ってむすめ ....
ベランダと窓とレースのカーテンをはさんでみるひざしはやさしい。5階からみる中くらいの街なみも。
駅から歩いてくるだけでもたくさんの花がみられる。うすいオレンジ色のぺなぺなしたひなげしとか花水木と ....
まちに心をゆるすのって何日目くらいだろう。300日とか、500日とかそのくらいかな。冬の洗濯物のにぶい色って、(…)。休日は気がゆるむからたいてい体調がわるい。
むすめはソファで寝ている、なんか ....
わたしは、むかし、少女で、女なんてもってなかった。
街灯も、ベルも、雑誌にのってるカフェも、おんなじように憎かった。
破綻した恋をしていて、みじめで、ときどき幸福だった。
だれも、わたしじゃ ....
ママほしをとってきて はーちゃんちいさいからてがとどかない
むすめの背も手もたしかに小さくて、でもかんたんに星に届きそうな気もするけど。
わたしにも届かない、あれはとても遠くにあってだれにもす ....
むすめのひざや足の裏はしっかり厚くなった。ひとり掛けのソファにすわってテレビをみているところなど、すっかり人間ふうだ。わたしは鏡をみるのがきらいになって(太ったまましばらく戻らないから)、自分の顔 ....
坂の多いところに引っこしてきて二月になる。暖かすぎる冬にもようやく雪が降った。じきにみぞれに変わって重たくぬかるむ轍をばちゃばちゃ言わせるのが楽しいらしく、膝の下あたりまで濡らして娘があるいていく ....
たぶん最初はだれかのためだったけど、今はもうそうじゃない。爪をかざったり物語をつくったり、お湯をわかしたりする。駐車場をいくつもわたりあるいて暮らしている猫に餌を投げてやるのだって猫のためじゃない ....
覚えているいくつかのことよりも、覚えていない膨大な時間たちがわたしの多くを形作っているということはわたしを強くする。世界は途方もなく広大で無意味に美しく、その無意味さは何よりも尊い、果てのない尊さ ....
どうしたって女のだから肌をしめつけて日陰を歩きたい。という思惑とはべつに梅雨を無視して日差しは降り注ぐし、あっという間に色褪せる紫陽花にはぞっとさせられる。それは美しさであって、自分ではないというのに ....
半月だか一月だかあるいはそれよりも長いのか泣いて暮していると花は季節をわたっている。咲くばかりであった紫陽花も色あせるどころか朽ちかけているじゃないか。雨の日は靴をはかずに濡れている地面を高層から ....
夜になったら娘はわたしの手をひいて、底へつれていきます。わたしたちはくたくたの毛布をひいて横になり、しばらく転がって遊びます。
彼女のちいさくて厚ぼったい手のひらがじょじょにあつくなっていき、そ ....
今年の桜は早かったようで、娘の高校入学式にはすでに満開を過ぎて、けれどもかろうじて花は残っていた。この季節、日本は桜の国になる。わたしたちは桜の国の住人になる。お祝いごとがそんな時期と重なるのは、 ....
今、私は冬の終わりと春の始まりのうすごおりのような、境界面にいる。(、のだと自覚する)
今日は暖かくなると天気予報が告げている。自転車通学をしている娘の防寒ジャンパーが玄関に置き去りされている。 ....
ささがきに思い出すのは小刀で鉛筆削った美術室/午後
ごぼうのささがきは、どこか鉛筆の芯を削ることに似ている。
違っているのは、ごぼうに求めるものは皮と実の部分であって、鉛筆に求めるものが芯の ....
朝の六時に開けたカーテンを夜の六時に閉める。正しさを追って、(正しくないことばかりをおこないながら)、たどり着くのは圧倒的な現実だ。たとえば紅茶を淹れるまえにはポットおよびカップをあたためておくこ ....
飛ぶときに必要なものがあるとすれば決心ではなくて、飛んでいる「当然」なのだと思う。決心なんて、どれほどもろくて役に立たない(でもそれなりに美しい)だろう。
娘が壁に手を置いて、しゃんと背をのばし立つ ....
皆さん、はじめまして。芹場照(せりばてる)と申します。私の実験室へようこそ。
「え?実験室?」と思われた方も多いのではないでしょうか。それもそのはず、私は当面の間、詩歌を始めとした創作活動を ....
ひろしの不満はもはや不満の領域を超えていた
さとしと言う部長の態度が傲慢すぎるのだ
「部長!」
「なんだ、おや?ひろし君、きみが私に何のようがあると言うんだね?」
「私は思うのです…あなた如き ....
まーつんさんの散文(批評随筆小説等)おすすめリスト
(157)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
ばかなねずみ、りこうなねずみ
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はるな
散文(批評 ...
2
20-3-11
メモ
-
はるな
散文(批評 ...
6
19-10-1
バタをごってり、うす切りトマト
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はるな
散文(批評 ...
6
19-7-25
アネモネ
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はるな
散文(批評 ...
2
19-3-17
箱のこと
-
はるな
散文(批評 ...
5
19-3-14
メモ
-
はるな
散文(批評 ...
2
19-1-29
500日
-
はるな
散文(批評 ...
4
19-1-16
メモ
-
はるな
散文(批評 ...
2
18-10-2
メモ
-
はるな
散文(批評 ...
5
18-9-1
たべるのこと
-
はるな
散文(批評 ...
3
18-8-2
みてもいいしみなくてもいいのこと
-
はるな
散文(批評 ...
4
18-7-5
歯車のこと
-
はるな
散文(批評 ...
4
18-5-14
アマリリス、お行儀のよいバター、盲目のこと
-
はるな
散文(批評 ...
1
18-4-10
日に焼けた床、むすめのクロゼット、葉っぱをむしるのこと
-
はるな
散文(批評 ...
5
18-2-16
手を打つのこと
-
はるな
散文(批評 ...
4
17-7-25
ママほしをとってきて
-
はるな
散文(批評 ...
6
17-6-24
あるいは鉄や果物かもしれないもののこと
-
はるな
散文(批評 ...
4
17-5-19
轍のこと
-
はるな
散文(批評 ...
3
16-1-18
湖の恋
-
はるな
散文(批評 ...
5*
15-7-31
367
-
はるな
散文(批評 ...
1
15-7-5
坂
-
はるな
散文(批評 ...
2
15-6-29
なめらかな小石
-
はるな
散文(批評 ...
2
15-6-22
寝るまえのこと
-
はるな
散文(批評 ...
3
15-5-13
夜更けの紙相撲・チルチル_サクラ
-
そらの珊 ...
散文(批評 ...
11*
15-4-14
うすごおり
-
そらの珊 ...
散文(批評 ...
11*
15-2-23
夜更けの紙相撲・如月のきんぴら
-
そらの珊 ...
散文(批評 ...
9*
15-2-21
六時、現実、寝息
-
はるな
散文(批評 ...
3
15-2-18
当然のこと
-
はるな
散文(批評 ...
10
15-1-19
一つの試論あるいは宣言〜自己紹介に代えて〜
-
芹場照
散文(批評 ...
4*
14-12-18
ちょっと息抜き物語。。
-
陽向
散文(批評 ...
2*
14-9-9
1
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