もし世界が 黙るのならば
わたしは うたおうとおもう
そのくらいしなければ わたしは
この世界では 生きていけない
もし目を瞑っているのに 気づいたならば
できるなら 目を開けたほうがい ....
夜になると
魚は目を閉じて
消えていく泡の行く末を思う
消えていく
自らの姿に思いを馳せ
静かに
目を閉じている
夜になると
魚は目を閉じて
自らの見ることのなかった風景を見 ....
感性に年齢は関係ないか。
と、聞かれたら。やはり「関係はある」と答えてしまうだろう。
まだ10代前半の頃、詩(のようなもの)に興味を持ち、作品と言えるほどではないにしても、走り書きのよ ....
男は長い間カバンの中に住んでいたが
ある日旅をすることにした
もちろんカバンを忘れなかった
昼間は旅を続け
夜になるとカバンの中で寝た
朝起きると同じ場所にいることもあったし
誰かの手 ....
愛は儚いけれど
愛がある瞬間は
永遠のようです
愛の言葉は
幾度聞いても
古くはならず
季節が来るごとに
咲く花の様に
新鮮で
不規則に打つ心を
いつも安定させま ....
背負うものが
不確かなものなら
その重さは
自分で決めていいらしい
あすとらっど じるべると
あなたを あいしています と
うたっている
わたしの こらそん と
うたっている
たんなる ひとりの
あすとらっど じるべると が
....
マフラーいい加減に巻いて
サンフランシスコの風みたいに
ロケットスタート ドリーマーは
サンスターでちゃんと歯を磨く
そろそろと差し出した上唇と靴下
いろいろと伸び悩んだあげく濡れて ....
前髪短く切ってさ 朝になったら眠ろうよ
インタビューに載せる アイデアで生きてる
おやすみサンライズ おやすみサンライズ
腰を短く揺らして 朝になるまで踊ろうよ
夜を想像して 昼を ....
すべてが終わると
その町にも銃を担いだ人たちがやってきた
彼らはこの国の言葉や
この国の言葉ではない言葉で話すものだから
町の人々はますます無口になった
少年は喧騒と沈黙でごったがえ ....
引っ越すと言うので
貰った8角形のコップ
口づける度
あなたの味して
使えません
何のためでもない
わたしは
休みの日の布団によこたわるために働いているのだった
よるのうた うたうのは
だれですか
よるのうた うたうのは
やねのうえ
よるのうた うたうのは
ちいさなこえ
よるのうた うたうのは
あおい まよなか
....
女がクレヨンを奪って逃げた
必要のない色を奪って逃げた
生活はなにも不便にならない
箱をゆすると音がするだけだ
「生活はなにも不便にならない」
念のためフタの裏にそう書いた
....
双子の兄弟が天秤の右と左に乗った
同じものを食べ同じものを着ているのに
右にのった弟の方が重かった
弟が髪の毛を数本抜いて
ようやく天秤は釣りあった
天秤から降りると
母親は二人の ....
あなたのりんかくを撫でると
おもったよりもかよわくて
しゅう っとこすれてしまった
ああ
ああ
あしたはきっと
晴れるからね
わたしと手を
つないでよ
雨でも ....
あのときの 気持ちはいったい どこへやら
振り返っても 足跡もない
欲しいものが欲しいと
子供がせがむので
欲しいのは欲しいものなのかと
問い質したら
欲しいのは欲しいものではないかもしれないと
子供が言うので
欲しいが欲しいんじゃ ....
思いと
言葉が
噛み合わない
もう大人になった気がして二本足で立つことにした誕生日
「生命線を持って生まれたかった」スクラップされていくロボット
大福だと思って食べたら素甘だったという悲しみを背負う
....
帰る場所のない人こそ一点に留まる
寂しさを解体して
目を瞑る
うつむかない
前を見ない
定まらないこれは
警鐘なのかもしれない
孤独とは
つながらないことではなく
むしろつな ....
また一つ
約束を破った
夕涼む縁側
うちわ
ねつ
におい
笑うしかないと
娘は知っている
まだ桜に早い頃
木蓮が
花を咲かせる
冬の無骨さを残しながら
樹の先に
花びらだけを
咲かせる
花びら一枚一枚に
名前があるわけもなく
少し高いところの
空気のそよぎに合わせて
....
言葉で武装してはならない
言葉を武器にしてはならない
争いは銃からではなく
言葉から始まることを知らなくてはならない
言葉で武装してはならない
言葉を武器にしてはならない
言葉の扱いが ....
ひとりのような気がするし
誰かと一緒のような気もする
今日は三度死んだのに
同じ回数だけ生き返ってしまった
いろんなことに飽きたから
何もかもやめてみた
身体を動かさない
思考を停止 ....
大江戸線のホストは
千代田線に乗ることができない
みどりの色の
まぶしさにうつむいて
落ちていく
その先に
大江戸線のホストは新宿で降りて
それから
鼻をかんでみる
する ....
すべての人には名前があり
すべての名前には願いや祈りがこめられている
殺す者に名前があるように
殺される者にも名前はある
殺す者になるために付けられた名前などなく
殺される者になるた ....
母をおくる と
おそらく
わたしの半分が終わる
半分が終わる と
わたしには
守るものがたくさんあって
後戻り
できないことも
また
たくさんあるのを知って
さみしさの ....
夕暮れには
群れなす鳥が遠くの森から
別の生き物となって飛来する
そういうまちに僕は住んでる
目が覚めて
ほんとうにもう
あなたは行ってしまったのだと
動かしようのない事実を
確認したとき
悲しかった昨日の夜より
もっと 悲しくなった
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