虚空に向けて指さす人
その指先は何を示す
道標
明日の空
去っていった人の背中

夏の香りを衣装箱にしまい込み
スマホの写真を整理
一つ 一つ
削除しながら
思い出にサヨナラを告げ ....
今日は一日平穏に終わったと
一日に句点は打てたと
なにかに感謝する自分がいる

今日はちょっと辛いことがあったと
でも一日に句点は打てたと
なにかに礼をする自分がいる

今日はタイトな ....
冬の間近に聴こえた去勢の声が
立ち止まらない足跡に踏み締められてしまって
還らない記憶となる

季節は幾度も挨拶してくれるが
それ以上語り合うことはないので
私の名前を一向に憶えてはく ....
何年ぶりだろう
二人で食べる黒蜜のあんみつ

手術前のある日の病室

老舗の和菓子屋の前を通り
ふと気づいて買った
お土産のあんみつ

あんみつの中には
紅白の求肥や赤豌豆
漉し ....
いちじくがなりすぎて
おしうりされて
いやになる きみの
ことがだいきらいなわけではないけど
だいすきなわけでもない
いっそきらわれたほうがましとでもいうように
そのみはすこしわれていて
 ....
稲の規則正しいひしめきの中で
全ての尊いものを押しつぶしていきなさい
そうして全ての卑しいものに隠された
厳しく高貴な天秤でもって
稲は実り稲穂は垂れ
かつて無垢であったという人 ....
 綴じられた手紙の様に
 君の心を読むことができない

 それを
 どうしても知りたい

 僕のことを
 どう思っているのか

 今、自分が
 ごつごつした
 隕石に変身して
 ....
 冬になるとおでんなどの他に、父は湯豆腐を作った。というのは共働き
の妻が相当料理下手だった。正確には家事全般に不向きな人で、冷蔵庫の
冷凍室に恒久鮮度を見、洗濯機には水流が回らないほど詰め込み、 ....
どれだけ乱雑に穴をあけてもあなたが上手に枠をつくるので素敵な窓になってしまうのであった。わたしの体
あおむけにした手のひらは雨をうけても陽をうけてもなにかを掴むことをせず、笑ったり泣いたりするの ....
盆を過ぎると
道端のあちこちに
蝉の死骸が落ちている
干乾びて塵同然

役目を終えた蝉たちに
弔いはない
墓もない
けれど残していった
ものがある

未来の夏には
また喧しく
 ....
咲かない花 見えない光
咲く花 見える光
隣同士 長い距離 でも隣同士
ひまわりを見つめると
いつも
太陽を背にしてる

もう一年経ったんだ
あの時もひまわりはまだ咲き残っていた
あの時は太陽で後頭部が焼けるように熱くて
流した涙も熱かった

記憶は儚い ....
ほたる、を一つ
いかがです

わずかに手もとが明らむほどの
灯りを欲していませんか



ほそぼそと
消え入りそうな日々でしたらば

懸命に
頑固さを貫きとおす日々でしたら ....
いくつかの
起承転結が
たとえば
レース編みの
小さな花模様のように
点在しているような
ひざかけを
(今朝、突然に秋が来たので、
 それが不意打ちであったため
 タオルケットだけの ....
ふたをする
という感覚

耳を塞ぐ
という感覚

たましいが
堆積して
そこにあって
そこにない

ぽっかりと草原に
ひざをかかえる
ような感覚

ちくちくと
腕に手の ....
炎天の砂漠に浮かぶ錆びた船 もう足が棒になっている
感覚が無くなっていく
汗はもう尽きそうで
それでも歩かねばならない
同じ風景の中を
延々と延々と
先が見えないのではなく
先を知り尽くしているから
同じ ....
スパイダーマン
バットマン
スーパーマンたちが
こぞって
窓拭きをしている

ヒーローたちは
そこでは闘わない
闘っているのは
きみたちだから
書かなくては、と一年ぐらい思って、書けなくて、私よりも書くべき人たちがいるような気がして、(待っていたのかもしれない)、未明、眠れなくて、アイスクリームを食べたら目が覚めてしまった、薄暗い。こんな朝。 .... 蓮の花天を指したる羅針盤  
あの頃のぼくたちにイスはひとつしかなかった

半分こして座ることもできたのに

いっしょに座ることもできたのに




 
夏深し月を吐き出す遠い雲 あなたは 年老いた家の姿を見たことがあるか

台所からは 骨と皮だけになった皮膚の隙間から
食器と血が 毎日滑り落ちて死ぬ音

骸骨のような運転手になった父が
赤信号のまま 車を通 ....
今日も同じ場所で立ち止まれば
聞こえて来る 母の明るい声

「あんたはヤクルトが大好きでね、
 お風呂上がりに必ず一本飲まないと寝てくれなかった。
 ある時買い置きがなくなっちゃった時があっ ....
とにかく頑張る気だった
父を棺に入れる時も 
親戚の人達と共に
ぐにゃりと 固定できない父に
白い旅装束を着せて
和尚様の教えに従い
とにかく 無事に弔いたかった

和尚様が 小学に入 ....
心細さを擽る風が
お腹の底を吹いたかと思うと
今朝からは

おびただしい数の赤い蜻蛉が
突然現れたにしては
脅威的な確率の高さで
ペアを組み
次々に風を横ぎっていく
二匹ずつきちんと ....
あいたいひとも
あいたくないひとも
ねむっているお墓

いつもははしっこにあるのに
今日は一日のまんなかに

早々と枯れた花が笑う
生き生きしてはいられないと

さみしいわけでもな ....
やわらかな夜の入口で
関節のありかを
ひとつひとつ
たしかめていく
幾度となく
繰り返してきた
解体のための
いとおしい作業
継ぎ目よ
さようなら

肉体は部品となって
ていね ....
咳き込みながらモーツァルトの子守唄 巫女のバイトしてご利益がない
桐ヶ谷忍さんのおすすめリスト(614)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
【_指さす人_】- 泡沫恋歌自由詩24*14-9-10
いったい、いつからだろう- HAL自由詩12*14-9-9
- 乱太郎自由詩15*14-9-8
あんみつ- ……とあ ...自由詩34*14-9-8
いちじく- そらの珊 ...自由詩18*14-9-8
- 葉leaf自由詩3+14-9-7
ただの女- まーつん自由詩12*14-9-5
湯豆腐と冷奴- salco散文(批評 ...514-9-4
窓枠屋さん- はるな散文(批評 ...414-9-1
【_バトンタッチ_】- 泡沫恋歌自由詩20*14-9-1
萎れない花- 陽向短歌4*14-8-30
ひまわり- ichirou自由詩15*14-8-30
ほたる屋- 千波 一 ...自由詩614-8-29
たくさんのおはよう、いってらっしゃい、ありがとうが行き交う交 ...- そらの珊 ...自由詩23*14-8-29
逃げ切れない、だけど私は生きるしかない- umineko自由詩18*14-8-29
炎天の砂漠に浮かぶ錆びた船- 北大路京 ...俳句414-8-26
GOAROUND- 凍月自由詩5*14-8-26
小児病棟- そらの珊 ...自由詩22*14-8-26
未明、みえないまま- 渡邉建志散文(批評 ...514-8-26
蓮の花天を指したる羅針盤- 北大路京 ...俳句414-8-25
イスはひとつしか- 殿上 童自由詩32*14-8-24
夏深し月を吐き出す遠い雲- 北大路京 ...俳句514-8-21
喋るテレビ- 為平 澪自由詩26*14-8-19
ヤクルト- 夏美かを ...自由詩48*14-8-19
懐剣- 砂木自由詩12*14-8-18
アキアカネ- Lucy自由詩18*14-8-18
お墓まいり- 朧月自由詩414-8-17
心だけ小さな舟に運ばせて- そらの珊 ...自由詩22*14-8-17
咳き込みながらモーツァルトの子守唄- 北大路京 ...自由詩314-8-16
巫女のバイトしてご利益がない- 北大路京 ...自由詩1314-8-16

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21