残業もそこそこに
今夜もいそいそと帰ってきた
玄関のすぐ脇の部屋で
かつて母だった生き物が
また呻いている


父の三回忌を済ませた頃から
母は溶け始めた
ビデオテープのように過去を ....
もうこれいじょう
なーんにもかんがえたくなかった
ところかまわず
からだをなげだして
やーめたっ
なげやりなこえでせんげんして
あとはどこかのだれかが
つづきをするなりちょきんときる ....
つまらないとキミは言う

毎朝起きて顔を洗っても
どうせ夜には汚れて帰り
風呂に入って洗うのだ

洗濯機を見ながら
しばし溜息
どうせいくら洗濯しても
洗濯の終わる日は来ない

 ....
発車を告げる笛がとつぜん響き渡る
いつの間に電車が到着していたんだろう
みんな一斉にホームに駆け出す
ぼくも駆け出す
階段で足がもつれて転びそうになる
転んでいる人もいる
閉まりかけた ....
昨日の晩
寝付けずに
寝返り打った
その瞬間
世界の全てが分かってしまった

社会のしくみもしがらみも
平和の安堵も
戦争の嗚咽も
尊いあなたの心でさえも
世界の全てが分かってしま ....
生まれてから一度も 夏休みの
宿題を終わらせたことが ない
子供にはそれがささやかな反抗
大人にはいつまでもそれが後悔


何でもできてしまいそうな温度
結局何もしなかったような湿度
 ....
緑の海がたなびいて
少しのカーブで横切るレールを
3両編成の電車がすり抜けていく
乗り合わせた肩は語らないまま
ひとつひとつ 暮れていく

天気予報は雨
降水確率は不明
飾らない傘の行 ....
受験まで一年「しか」ない!
そんな事を大義名分に
優秀かそうでないかなんて関係なしに
一年を卓上で過ごすように
まくしたて

「これは君達のため」といいながら
「教育」という名のもとに
 ....
卵をひとつ落として
夕焼けは夕焼けへと帰っていきます
さよならを言うのが嫌で
いつまでもふざけていたのは
言葉を越えられるものは
言葉ではないと
ある日ふと知ってしまったから
ちびた ....
あなたの たましいや 心は
私には見えません
でも
あなたが何かを見た時に
何を言うかは
ほとんどわかります

あなたが うつむいているとき
どんな気持ちなのかは
私には わかりませ ....
最後の人が飛び降りたまま
裏返ったブランコの鎖が歪に静止している
翌日になれば元に戻される、それだけのこと
わたしは、もうずっと公園にいない
だから知らない


ブランコ ....
しあわせ という言葉は
なくてもいいと思います

そんな名前のものは
ほとんど どこにもないからです

あい という言葉も
なくてもいいと思います

そんなことは
ほとんど 誰にも ....
1  君は知る テロリストの 卑しき心を 偽装は御都合 投棄は巧妙 粉飾見事に 抜け道を こよなく愛する 通人よ



2  民主主義には 懺悔なく 弔いもなく 我もなく 産業社会の 十字軍  ....
そんなに 何もかも決めると 息苦しいよ
でも 決めなけりゃ 進めないよ

そんなに調べても 解らないよ
でも 調べずには いられないよ

そんなに急ぐと けつまづくよ
でも 急がないと  ....
それは 深い深い青色のガラス瓶

つい 捨てることができず

かといって 

花を1本入れて 飾っておけるほどの余裕は

暮らしにも こころにも なく

ただ 時々眺めて やっぱり ....
縁側で闇を見ている妹の白いうなじが僕を呼んでる


夏野山汗ばみながら駆けてゆくゆくえふめいの妹の兄


鉄塔の錆びた階段昇りゆく100階したから姉とは呼べづ


鏡台に映る妹べにを ....
りんは河原で泣きました

自分なんて居なくても
地球は回るのだと

石ころを蹴飛ばそうとして
空振り すってんころ


---------------------


【 問1 ....
女の残り香が飽和した部屋の片隅のベットを
夏が来る前にシングルにしよう
と決めてから

もう何度も朝日を浴びて
僕が寝返りを打つたびに
ぐっと沈み込みながら
男臭いにおいを嗅ぎ続けてくれ ....
柱のいっぽん抜けた家で
かたむいたままの
家族の会話

大根の漬け物と
おみそ汁は
あいかわらず
おいしいのだけれど
街を歩くと

左肩のうしろあたりに

いつも かすかに 

さみしさが ついてくる


引っ込み思案だった君は

いつも ちゃんと二人並ばずに

少し遅れて ついてきた

 ....
「いらっしゃいませ〜。」

友達に誘われた飲み会を断って
仕事場を後にした

通り雨の後の歩道は
すっきりとしてたけど
私の気持ちはぜんぜん…

聞いてみたいけど
聞いてみたくない ....
歩き出す 30分で寝るために回り続けた扇風機まで

売春で出会った君が好きだったロイズのチョコを噛んだりしてる

今一度死んでもいいというような気分で英語の授業を受ける

明日の朝、起きら ....
食欲と性欲はよく似てる
お腹いっぱい食べても
違うタイプは別腹
だったりする

美形もいいが
知性も捨てがたい
体がいいのも魅力ですね
たまには若くてかわいいのもいいし
もちろんオヤ ....
母方の祖母の雪江さんは
70歳くらいでガンで死んで
お通夜の次の日に突然生き返った

その時なぜか僕1人しかいなくて
雪江さんは自分の死化粧を見て
「えらい別嬪さんやなぁ」となぜか ....
ゆみちゃんはぽろぽろなみだをながして
ひたすらなきつづけた
てくびをとると
けっかんがきもちでふくれあがって
どくどくおとをたてて
いまにもはちきれそうだった
かおがむくんで
くちび ....
 すれ違い様に
 僕を、嘲け笑いながら、彼女は

  貴方みたいに、利用価値がない人間ほど
  どうして
  図太く生きられるのかしら?

 と、呟いた

 僕は、アドリブを聞かされ ....
 付き合って六年になる彼女は、背が高くて頭がいい。僕にはもったいないと思うが、結婚しようとは思わなかった。そうしてまた一年が過ぎようとした頃、彼女が交通事故にあった。生活するのに車椅子が必要な体になっ .... アルファベットが乱雑に並ぶ

キーボードを叩き、

文章を練り上げる。

1行置きに並べられたこの言葉達は

{ルビ他人=ヒト}の視線を気にしただけの、

既成服を着たスケアクロウ ....
女は
胎内に新しい生命を宿したら
「母親」になるというのに

男は
新しい生命が誕生してから
「父親」になる権利を得る
のだろうか

それは
目の前に細く頼りない道が一本
 ....
もう切り刻んで捨ててくれ
僕はとっくに破いて捨てた
フェイドアウトしていくのさ
スウィッチオフ
もっと眠らせて
どんなに自分より不幸な人がいても
自分の不幸を癒すことなんてできないから
 ....
蒼木りんさんのおすすめリスト(427)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
肉じゃが- 窪ワタル自由詩60*04-7-31
なげやりなきもち- アンテ自由詩7*04-7-30
まるで静止しているようだが全て動いているのだ- mac自由詩104-7-27
電車- アンテ自由詩704-7-27
知りすぎた男- サトウコ ...自由詩104-7-24
サマーデイズ- クリ自由詩2*04-7-24
包む雨と暮れる人と- 霜天自由詩704-7-23
教育という名の脅迫- もこもこ ...自由詩4*04-7-20
童話(夕焼けのポエットさん)- たもつ自由詩18*04-7-19
愛情- こむ自由詩1*04-7-16
公園にいない- A道化自由詩1804-7-16
しあわせ- こむ自由詩204-7-15
霜月のペシャーワル- 呉汁±自由詩204-7-15
日々- こむ自由詩2*04-7-14
青い瓶- こむ自由詩3*04-7-14
夜光中- 本木はじ ...短歌3504-7-14
りん- ミサイル ...自由詩304-7-13
さよなら- 窪ワタル自由詩32*04-7-11
- こむ自由詩404-7-5
左肩のさみしさ- こむ自由詩204-7-5
インスタントラーメンとCD-R- 薄紅自由詩2*04-7-5
回り続けた扇風機- ピッピ短歌18*04-7-3
別腹の君へ- チアーヌ自由詩7*04-7-2
雪江さん- いとう未詩・独白3804-7-2
まっかなきもち- アンテ自由詩7*04-6-30
軽い言葉は、重く心に響いた_(※不快要素有り)- 智之未詩・独白1*04-6-29
- 城之崎二 ...散文(批評 ...304-6-29
スケアクロウ- 鷺沼 踊自由詩104-6-28
入学式前夜- たもつ自由詩35*04-6-28
存在半減期- rue自由詩104-6-28

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15