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吹きすさぶ風音
窓をたたく雨音
ベッドに横たわり
耳に入る外の音に耳を傾ける
自力で寝返りをうつこともできない
かろうじて動くのは左手のひじから先
声も出せず
ただ目の玉だけを動かし ....
「おとうさんかってにいかないでよう」
そうだね
きみのおとうさんは かってだ
きみのおとうさんは きみの知らないところで かってにあそび
きみのおとうさんと きみのおかあさんは きみの ....
―もう少し生きてみるか―
駅の改札を出てきて
ふと洩らした中年男のことば
連れがいるわけではない
一人で改札を出てきて
ふと洩らした独り言
僕は電車に乗ろうとして
改札に向っ ....
仄白い朝の駅への道で
誰かの心のかけらを
見つけました
それは「忙しい、忙しい」って言って
かりかりしていました
それは周りを気にする事なく
くるくると回り続けていました
私は何 ....
ツカレタ 体を ひきずってぱそこん すくーるに かよう 。そこは いきかたを学ぶところだ 。 学び方をしらない わたしは イキヲためて 講師を 睨む 。てきすとを 睨む 。 友がき を 睨む 。ななめ ....
いきることが できないひととは
いきが できない ひとだ。
いきつぎを いきつぎを します。
中学生のころ
わたしはメガネっ子でした
似合うメガネっ子ならよかったけれど
かなしいことに似合わないメガネっ子
かなしいメガネっ子
コンタクトレンズが
こわくてでもほんとに視力がわるく ....
あの頃、君に告げられなかったことを今
***
ねぇ、君
冷やし中華を誰よりも早く始めたいの、とはりきる君の姿が僕は好きだったんだ
ねぇ、君
扇風機の首フリに合わ ....
蝿がぶうんと飛んでいた
人工の生活に慣れない
おまえは電球のかさにさえ
眩惑する
生まれついた無鉄砲さに五六回
かさの障子に挑んでは
じじじとわめいて
いつしか諦めたように
卓上におち ....
まともな人たちが
まともなことをやり
まともなままでいるのを見ると
ああ この人たちは
まともでない人たちを
滅ぼそうとしているのだなと
恐くて恐くてたまらなくなりま ....
黒いシャツにズボンじゃなくてスラックスをはいた
あどけなさの残る女の子は
中学生くらい
うつむいて
診察室から出てきた
お父さんは座る場所を探していた
女の子は体とは不釣合いに
幼児 ....
母に
「おまえよりおとうとのほうがかわいい」と
言われた
ようやく10年後
家を出れた
わからなかった
母も人だということが
家族という塊を抜けたいま
いたいけれど わかる ....
先生、
ぼくのお兄ちゃんが
このあいだ死にました
ぼくのうちは
3人兄弟です
全員男です
まん中のお兄ちゃんが
死にました
名前はゆうごです
ぼくは「ゆうごちゃん」と
....
タイルをじっと見ます
タイルをじっと見ます
タイルをじっと見ていると
目の端のタイルが紡がれていき
ついには白いただの壁になっているのです
目を合わせてはいけません
夜が紡いだタイルは ....
父は帰ってこなかった
後で知ることになるが
街の花柳界で板前として働いていたようだ
華やかなところだから飲む賭つ買う
生活を送っていたらしい
ぼくた ....
偏頭痛の片隅で
子供が
膝を抱えている
いつかの子供
立ち上がってもらわないと
そこは
一番痛みがひどい
僕は手を伸ばす
知ら ....
枯れた草むらに
寝転がるようなことはしないで
ライターで火をつけてみた
なかなか燃えない
新聞紙がない
紙屑がない
諦めた
炎は美 ....
なんで千切れてるのかな
バス停に蝉のからだがおちてる。
きっと、
もう何回も死んだのだとおもう
リーディングしているときは、
「どうかあなたに触れさせて」と手を伸ばしてる気持ちになる。
....
私は 物語はかけないの
幸せなことしか思い浮かばないから
私のかく物語はきっと 私以外の人には面白くないの
ひとのしあわせには さすぺんすほどのみりょくはないから
ひとのしあわせは いつか終わ ....
にぎやかな街のなかには
派手な歯科医がたくさんあり
誰もが知ってる眼科医がいる
ひよこも街の住人である
にぎやかな街のなかには
派手な産科医がたくさんあり
....
庭で ウサギを 放し飼いにしている
撫でてやろうとかまえて近づくと
手の届く寸前で逃げてしまう
かといって 何のつもりもなく歩いていると
突然 足元に駆け寄ってくる
庭の ....
例えば俺らは親の愛とかでコーティングされて育ったりするよね。
そうじゃなくても何かに守られては大きくなるじゃん。
それが自然とはがれたり、もしくは自分で脱ぎ捨てて大人になっていく。
そうしたら体 ....
人間は
一生をかけて
彫刻刀で
自分の名前を
彫りつづけるのだ
死後にその
印鑑は輝き始める
だが彫り続けているときこそ
花なのだ
....
141時 @ハト通信
へっぽこな
かみさまが
かれこれずっと
うしろからついてくる
へっぽこな
かみさまだけあって
なんにも
できないけ ....
僕の家には絵の具がない
だから
絵を描きたくなったら
煙草の灰を水でとかす
その色は黒ではなく
少し茶色がかっていて
乾くほどに色を変え
ほのかな光沢をおびてゆく
筆を使わ ....
悲劇だよ 何もかもさ
君も 僕も あなたも
この世の中は
ほんの少しの愛と
ほんの少しの優しさしかないんだ
これは悲劇だよ
きっと
でも
悲劇を悲劇で演じたんじゃ
芸 ....
僕はもう危篤 長くない
さよならだぜ この世とも
ベイベー グッバイさ
誰か僕を看取ってくれる人達に囲まれて
そんな奴等に囲まれて
僕は こうするのさ
「う!ううーーーー!!」 パ ....
僕がまだ生きるのは
15年前から
君がもうこの世にいないから
9歳の僕は 君に魔法をかけられた
僕が生きて 君は死んだ
僕は想い続けている
15年前から
君が ....
そのこは 祖母や両親に褒められることが何よりも嬉しかった。
長女であったことがそうさせたのか、弟や妹のように自分の思いを上手に言葉で表現できないので、言葉の代わりに喜んでもらえることを一生懸命に考え ....
機械が動きだしている
工場ではもうみんな起きだして
働きだしている
生産ラインは整然としていて
不純物はまぎれこまない
工場は一部ロボット ....
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