重く湿ったセーターを
ぐずぐずとネットに干して
今日は
おしまい
          
あとはすべて
わたしの時間だ
思い出さなくてもいいことに
帰れる時間
          
 ....
いつだってただ生きるためだけに眼をこらしているけれど
たしかにあの頃はそうして寝転んだまま泣いてさえいたら
おいしい物だとかやわらかい声だとかあたたかい手だとか
そういうものはいつもかたわらにあ ....
 注射を打ってから病院の売店でお昼のお弁当を買う。これが僕の日課。売店にはもうあんまりお弁当が残っていない。時間が少し遅かったから。
 僕は、目玉焼きか、鮭か、どっちの弁当か悩む。幸せな時間だなって ....
解りません
普通は白衣でしょ、先生


昼休み
今日も先生は芝生の上で寝ている
あいかわらずの黒いコート
先生、白衣は着ないんですか


理由を訊いたことがある
先生はにこり ....
夜中、目がさめて階下に降りると
君が僕を積み上げていた

たどたどしい手つきで慎重に積み上げ
途中で崩れると
ふうとため息をついてまたやり直す
時々どこか気に入らないようで
何か ....
 C型肝炎の投薬治療を初めてから2ヶ月。ここ数週間で5キロもお肉が無くなった。鏡の前に立つと、フライドチキンな僕が死んだ目をしている。でもおいしくなさそうだって思う。副作用はだんだんに出てくるってお医 .... 血が出るまで掻きむしるかさかさの肌は
乾燥した高地のミイラより無様だ
ミイラになっても美女は美女
みずみずしくてもブスはブス
こたつに半身潜り込んで
少しずつ消滅してゆくなら
どんなにかい ....
光と闇…私は闇がいいな
だって 優しいもの

光は怖いわ
何もかも さらけだすの
それが本当の光よ

君はそっと微笑んだ
そして
暗い穴の底に身を投げた

僕は…追うことも逃げる ....
キスのやり方なんて忘れてた

なのに君は僕の気持ちも聞かずに
その潤んだ瞳で見つめて
何の前置きもなく小さな唇を
その潤んだ瞳を閉じることなく
ためらいもせずに何度も

そういう僕も目 ....
庭で ウサギを 放し飼いにしている

撫でてやろうとかまえて近づくと

手の届く寸前で逃げてしまう

かといって 何のつもりもなく歩いていると

突然 足元に駆け寄ってくる

庭の ....
笑顔の下に透けて見える冬を

お互いに無視して

決して埋まらないものを

埋めてしまわなければなりません

それは大きくて また 愛しい不在を

お互いの 手と言葉と表情だけで
 ....
別れてしまうのが悲しいなら
出会ってしまうのが悲しいのかな

別れてしまうのが自然なら
出会ってしまうのが自然なのかな

ふたつに別れた貝殻を重ね合わせて
僕は地面にそっと落とす

 ....
例えば俺らは親の愛とかでコーティングされて育ったりするよね。
そうじゃなくても何かに守られては大きくなるじゃん。
それが自然とはがれたり、もしくは自分で脱ぎ捨てて大人になっていく。
そうしたら体 ....
休みの日前。午前七時位まで調子に乗って起きていた。
かみさんが俺の休みなのを知って、娘のカイリ保育園を休ませた。

午前中にカイリが起きて騒ぎまくっていた。
俺は眠くて機嫌が悪く布団からカイリ ....
 小学生の頃、僕の通学路には椿の垣根がず〜っと続く道があった。椿の葉っぱはびっくりするぐらい深い緑色をしている。僕はあまりに深すぎる緑の葉っぱは冬を越す為には必要なんだ。って思っていた。冬の椿はたくさ .... わっこ ほっこ ゆぎっこ ちみで

なして おらえのほうさ ふるなだべ
まんじ あさはやぐがら おぎでしゃ

みぢ こしゃねば あるがれねべた
ゆぎっこ つもって あるがれねべた 
 ....
住宅地のはずれにあって
草がぼうぼう生えていて
樹木は無い
遊具は
赤いジャングルジムと
青いブランコと
錆だらけの滑り台
隠れるところもなく
逃げることもできない
近くにはもう
 ....
ひとが愛した草花の名前を手帖に書き留めて、日記にしましょう

ああ、憐憫というものは

秋の日の袖口に風があたり空がやたらに高く仰ぎひとがいつまでも遠くにいてぼんやりとした輪郭をにじませている ....
  人間は
  一生をかけて
  彫刻刀で
  自分の名前を  
  彫りつづけるのだ

  死後にその
  印鑑は輝き始める

  だが彫り続けているときこそ
  花なのだ

 ....
1・2・3…
その次は?

僕の頭はところてん式

4・5・6…
いっぱい知るんだ
その次は?

耳から何かがこぼれ落ちた
のかもしれないね

7・8・9…
こんなに覚えたよ ....
 ぼくはシィの心の中に巣くう救世主の皮を被った悪魔。病巣、癌だ。


 6年前、シィは死にたかった。初めて出来た友人にあっさりと180°位置を変えられ、嘲笑の渦に落ちた。まだ幼く未熟 ....
「焼ぁ〜き芋ぉ〜、
 石焼ぁ〜き芋、焼芋ぉ〜」

日も暮れた
裸木の並ぶ川沿いの道を
赤ちょうちんの焼芋屋が
ゆっくり ゆっくり 歩いてく

後ろからもんぺの{ルビ懐=ふところ ....
男は書店で物理の参考書を買った。大学を卒業し就職して既に十数年が経っている。文系出の男にとって物理など縁遠いものであったし、特段の興味があったわけでもない。それでも男は物理の参考書を買ってしまった。「 ....                     141時 @ハト通信

へっぽこな
かみさまが
かれこれずっと
うしろからついてくる
へっぽこな
かみさまだけあって
なんにも
できないけ ....
 私はあまり外で遊ばない子どもだった。リウマチ熱の後遺症で心臓が悪かったせいもあるが、他人とつきあうのが基本的に苦手だったのである。趣味は読書、運動音痴の優等生(得意なのは理科と国語)、性格が暗くて人 .... 久しぶりに自転車の後ろに乗りました

私は弟の腰あたりにしがみつき
下唇を噛みしめていました

弟の背中はもう決して小さくはなく
細く長い目が 時々私をみて
落ちるなよ、と笑いました ....
小学校の放送室は
僕の隠れ家だった

放送委員の僕は
毎日お昼のニュースを読み上げ
学校行事のビデオを流したり
紙芝居を読んだりした

放課後になると
僕は一人
据えられたテレビカ ....
 僕はCD販売員。その前は書籍販売員。本には色んな事がかいてある。真実や事実。嘘も書いてある。怒りや、喜びや、悲しみ。それだけじゃ表現できない事もたくさん。そして本屋さんは静かで穏やかだと思っていた。 .... 僕の家には絵の具がない

だから
絵を描きたくなったら
煙草の灰を水でとかす

その色は黒ではなく
少し茶色がかっていて
乾くほどに色を変え
ほのかな光沢をおびてゆく

筆を使わ ....
 僕は高校生の頃常習的な遅刻魔だった。遅刻をすると気持ちがいい。朝のしまった空気の中、誰もいない通学路、僕一人で歩くと何もかもが新鮮に思えた。休み時間や自習の時間は気の合う仲間と学校を抜け出し、子供の ....
蒼木りんさんのおすすめリスト(427)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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カラスは仰向けに- 望月 ゆ ...自由詩5*05-1-8
いい日- Tシャツ散文(批評 ...305-1-7
カラスは仰向けに- RT自由詩605-1-5
身辺雑記より(七)- たもつ自由詩2205-1-4
闘病- Tシャツ散文(批評 ...6*05-1-4
がり_かりり- 佐々宝砂自由詩7*05-1-3
***- Tシャツ自由詩205-1-2
禁じられた口づけ- ベンジャ ...自由詩13*05-1-2
ウサギ- こむ未詩・独白204-12-28
妻と- こむ自由詩304-12-28
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磁石- mac未詩・独白204-12-28
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椿の殻- Tシャツ散文(批評 ...304-12-26
ちみで_雪- 砂木自由詩13*04-12-26
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影踏み- 日下日和自由詩1204-12-23
時には郵便配達夫のように- 天野茂典未詩・独白5*04-12-21
世界に溶ける_僕- Tシャツ自由詩3*04-12-20
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婆ノ衣- 服部 剛自由詩13*04-12-19
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へっぽこ- アンテ未詩・独白6*04-12-17
【批評祭参加作品】大手拓次のこと- 佐々宝砂散文(批評 ...304-12-17
久しぶりに自転車の後ろに乗りました- あかり自由詩404-12-17
放課後の放送室- ベンジャ ...自由詩3*04-12-15
僕の日常とミュージシャンと詩と愛と捨て身の詩人について。- Tシャツ散文(批評 ...3*04-12-15
灰画- ベンジャ ...未詩・独白6*04-12-15
感性(なんだかうまく_まとまってません)- Tシャツ散文(批評 ...8*04-12-13

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