一、
 
ひとつ、ふたつ
もっと
でたらめなものとして
 
の
わたしの
きみのわたしの
きみ
 
....
送電線をたわめて
音階をすこしだけ揺らす、風
それは記憶の
中にだけある透明
もうどれくらい
わからなくなっているのだろう、わたしは
君のやさしさをひとつずつ踏みしめながら
風に向か ....
しらない国から
風が吹き
しらない国へと
わたってゆく
鳥でもこうは
とべません
しらない国から
雲がきて
しらない国の
滝となる
鯉でもこうは
のぼれません
....
だめだ、もうだめだ、って
ふかいふかいため息 ひとつ
さざ波が足下でピタリと止まる
切り取ったやさしさの中に
横たわったまま、色あせてしまおうか
いつもいつも ....
まつげが
長いから
ほかのひとよりも
うす暗い世界で
生きている
ときどき はっ として
息をとめている
チェリーを吸ってた
女の子
思い出すように
生きるから
死ん ....
病んでいる
悩んでいる
身心ふたつ
ふたつはひとつ
止んでいる
悔んでいる
雨降る悼み
涙の痛み
澄んでいる
霞んでいる
朝もやの空
初秋の大気
噛んでいる
....
交差する
わたしは言葉を
絡ませて
たぐり寄せる
あなたを
口に含み
舌の上で転がして
奥歯で噛み砕き
身体中で一番深いところ
朝と夜の境界線が引かれた
あのなにも無い ....
老人ホームでは
いねむりするひとが多い
あっちで うとうと
こっちで こっくり
いっしょうけんめいに
ねむっている
そのしずかな風景は
さなぎの待機のようだ
白い髪にときが重なりあ ....
とうへんぼくが
ぼうっと立っている
とうへんぼくは
とうへんぼくなので
なにも考えていない
ぼうっと立っている間にも
鳥はさえずり
人ははたらき
とうへんぼくは
ぼ ....
映画が終わり
グラスの水滴が流れて
伝わっていく泉に
手を浸す
深夜のこと
頬にスタッフロールは
逆さに雨となり
取り返しのつかない
早回しにも似て
繁茂した
森の奥に隠されている ....
あなたはその(目)を視たことがあるか?
私はその(目)を視たことがあるか?
ほんとうの(目)はいつも
鳥の羽ばたく虚空から
世界の物語を眺めている
私はあなたを視たことがあろ ....
かみさま、彼らの十字架を
どうかどうか先端を金色に光らせて
目をつむって星座をみつける
まぶたの奥
熱いたましいの燃えている火を見上げて
すべての過去に名前を与え
すべ ....
古い家の梁に
ロープを掛けただけの
私の特製ぶらんこ
ゆらゆら揺れているのが好きだった
目をつぶると
ぶらんこの旅がはじまる
家ごとゆらゆら揺れて
私は遠いところまで行ってしまう ....
短い旅を終えて
君が立っている
骨ばった大きな笑みと共に
ほどけた靴ひもを
結んであげるよ と言うと
いいんだ これから
空を飛ぶから
そう言って
短い旅に
でて行った
ふりかえると夏がいた
透きとおる肌
後ろの道が透けて見えた
ほほえむ顔がうつむいて
夕陽から漂う風を浴びた横顔は
もう夏ではなかった
私の知る夏は消えていく
知らない存在に変わってしまう ....
みんな。笑顔
(果実のまえの)
花が咲く
宙へ風は
解け
みんな、こたえる
拝礼(死をふくみ 生は口をすすぐ
とつばさはささやき
)おおきな河を
みんながい ....
4:42AM
きみがてのひらで
目かくしをしてくれる
いいにおいのする
やわらかい暗闇が訪れ
どこかで
列車が動きはじめている
八月の終り
きみがてのひらで
目かくしをし ....
なにも人間のかわりにはなれない
水晶の先に淡く輝いているマリンブルーの瞳
神様
不合理の先にしか
姿を見せてはくださらない
あなたは人間ですか
この壊れたからだを抱きしめている
....
あなたじゃない
わたしは
こうして
だれも紡がない
旅で出会う
たくさんの たくさんの
人たちと
決して混じることの
ない
こうして
だれも紡がない
夜と
夜の
....
薄日
午前と午後のはざま
直径8mmの無数の穴から私は
偽物かもしれない平穏を覗き見ている
こんど メールを送ります
そういっていなくなってしまった人たちや
畳に敷かれた二枚のお布団のこと ....
二日目のパジャマに 流行の柔軟剤が負けてゆく
水を足しすぎた絵の具のように
生身の柑橘の香りを手に残しながら
髪をとく 水彩画に映る自画像の鏡
床に就く 忘れ去られた ラベン ....
あとは
お任せいたします、
上手にもたれて
サボりましょ
問うも問わぬも自由なら
いずれも選ばぬ
すべもある
お口の悪いひとがいて
腰の重たいひとが ....
かいすいのなかのつぶは
ひとつとしておぼれてはいない
小さな子供が、星の矢に射られ、
浜辺の町の大人が、
空を向いて祈り始めた、
(その間にも子供の胸は砕かれ、
背 ....
いくつもの
肥え太った想いが
出口に殺到して
立ち往生している
よこしまで
メタボリックな想いが
喉の奥でせめぎ合って
脂汗をかいている
バイパスを回り込んだ
耳障りの良 ....
愛しさをこじらせた朝
うらぎるように街は香り
なにも
知らないようなふりを
続けるほかになかった
押しだまる人びとのかげに
花水木がしらじらと開いている
こころ ひたひたと水に浸かって
浮かんでこない
ぎりぎりの水深は
息をするだけで精一杯
酸欠の頭で見た人は
悲しさの中に喜びを求めているようで
こころ そっと沈んでいって
光の刺さな ....
雨を呼ぶ雲が
もうすぐそこに来ている
{引用=(信じられるかい?
あの雲の上はいつだって晴れてるんだぜ)}
360°の道しるべ
林檎の木はもうなくなっていて
代わりにそこに ....
空の頬が膨らんだ
精一杯の口笛が耳をくぐる
寂しさを覆うと
僕は孤独になる
海のおでこは臭い
優しく撫でてみると指先につく
匂いの向こうを見つめると
僕は孤独だった
愛 ....
しきょ
にっぽんはしきょに溢れております
(両手広げ飛び込むあれもこれも)
しきょ
特急一両につきひとりしきょ
(快適なスピードで)
岬ひとつにつきひとりしきょ
(演歌が聞こ ....
よく視ていなさい
憎しみを
あれは
にわかに
輪をなします
よく視ていなさい
憎しみの輪を
外れた者が
行く先を
そこに
あなたはいましたか
それとも綺麗な
....
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