月は上弦
あの子の心も
上弦

をむきかけた狼が
月を
ひとり見あげる
厳冬

しんとした音が

しん

と、漂っている月

粉雪がふりつづく
悲しみより圧倒的に遅い窓、電車の。
価値の違いを理解できない、爆音の。
情報を情報で重ね続ける、液晶の。
ユーモアの先端に知性が宿る、海馬の。
春風に乗る言葉たち包む、木綿の。
深い深い闇よ ....
私の緑の踊り場に
甲虫や気圧の変化の為に
(つまりは身体中の骨の矯正の為に)
カスタネットやリコーダーを携えた
記憶の楽団が集まっていた

地上は澄み切った空のようだった
花の色をした鳥 ....
よごれて
あなたは笑っていた
ちかちかする電灯をつけて
陽気な詩を読んでいた

「星がながれるころ」、
歌いだしたとき
詩だと思っていた

(    )を忘れたい
ほとんど白い ....
 


 言葉も
 心も
 要らないわ

 偽物の
 熱で
 あたしを
 安心させてよ


 なりすました手から
 たとえ嘘が
 溢れたとしても
 今はただ
 握ったあなたの手が
 あたしには温かすぎ ....
ビルの谷底では
夜が
空よりも少し
早く訪れるだろう

何冊かの読みかけの本の中から
数ページ角のすり切れた
ものだけを選び出し
それを
開こうかどうかと
迷ううちに
街灯の月が ....
ありがとうと言えたとき
きっとあなたとは二度と会えなくなって
それまでは
我慢してもらって
ごめんなさい

一番大事に伝えたい言葉だから
本当の最後に伝えようと取っておく

あり ....
 カーテンを開ければ あたり一面銀世界

「朝食食べたら、雪だるまを作ろう」
ホストファーザーが誘う
「えっ!でも私会社に行かなくちゃ!」
「えっ!何を言ってるんだい?こんな日に会社に行くバ ....
                 140110


新緑の町から湧き挙がるパワートレイン
ドリブンされた満腹感を味わえ
指令の下にひた走る亀裂だらけのハイウエイ
国税庁の管理の下に地下深く ....
光の子供たちが浮遊する緑野に
きっとこころの種もあるのでしょう

跳ねてはしゃいだり転げたり
悪さをして群れている子供たちに混じって
金色の繊毛におおわれてふわりと浮かんでいたり

葉に ....
夕暮れの空を見上げると
今日はお月さまがいない
と思ったら
真上やや後方から呼ばれた
「ココニイルヨ―」
ふりあおぐと三日月
こないだ見たときは
真っ黒な空の真ん中で
薄笑いの口みたい ....
十六で嫁入りした祖母は
まだ娘だったから
近所の子供達と鞠を突いて遊んでいた
すると 嫁入りした女はもう
そんな遊びをしてはいけないと
誰かの叱る声が聴こえて来たという


春の夜 ....
東京駅構内

3歳ぐらいの男の子が
しまじろうのぬいぐるみを落とす

ハイヒールを履いた女性が
しまじろうをつま先でカスるように蹴飛ばす

20cm程前方に滑るしまじろう

し ....
腰が大きく曲がった
近所のおばあちゃんが通るたび
あの中には何が入っているの? 
と、母に質問して
そんなこと聞いてはいけません
と、言われた

大人はいつだって
ほしい答えをくれやし ....
スーパーで買った卵が
ふたつ割れていた

 ものごとには
 必ずしるしがある

リビングの時計の
電池が切れて止まっている

 ほんの些細な
 どうでもいいようなことだけれど
 ....
みんな眠ってしまった
わたしは静かな夜を履いて
よく乾いた死骸をひろいあつめる
時間、音、大型ラジオ
そういうものたちを

きっとある
この夜の留め具になる死骸が
みればすぐに ....
信号機よ
なぜ
お前らは周りの状況を把握せずに信号を繰り出す

たとえ
お前らのいる交差点で死亡事故が起きようとも
お前らは
4機で微動だにできぬ死者を囲み
進めだの
注意しろだの
 ....
不機嫌な月に取り残されたまま孤独を抱いてサヨナラ地球  





半身にびっしり墨を入れたあなたが
猫みたいな目で優しく笑いながら
そっとわたしに触れる

あの日のわたしは
たったそれだけのことに
びくっと肩を揺らして、
思わ ....
テレビを点けると、美智子妃殿下が  
カメラのレンズの向こう側にいる  
一人ひとりの国民をみつめ     
静かな深いまなざしで  
語りかけていた   

「私は子供の頃、絵本に親しみ ....
ひとはまっすぐ生きられない
かならず、曲がり角はやってくる
見覚えのない交差点はこわい
視界の閉ざされた曲がり角は、もっとこわい

たとえば
人生がなくても小説は書けるという
それは ....
ボケという素敵な表現力
ケという素敵な表現力
という素敵な表現力
いう素敵な表現力
う素敵な表現力
素敵な表現力
敵な表現力
な表現力
表現力     わたしをバカにし ....
君の胸の音を聴いている

瞳を閉じれば浮かんでくる
電車がゆく
車輪の音は確かなリズムを刻む
無機質でいて
それはなぜか温かい
からだじゅうに
張り巡らされた
赤い線路を
休むこと ....
誰かが扉を閉めてしまった
私は夜ごと出口を失くした夢をみる
扉を閉めたのは 私
そのうえ錠前を壊してしまった

壊れた錠前をまず直そうとする人は
人の心を思い遣る人
壊れた花瓶を
片付 ....
プライドや
スキルや
イデオロギーといった
後付けアイテムで体裁を整え
何層にも膜を張って
“ ハッタリ ”という殻で
コーティングしたら
実物より 
やや立派に見えた

だが
 ....
赤は止まれ
青は進め
黄色は注意
生まれて初めて知った
極めて普遍的な社会ルール
それは母が私の手を握りながら
真剣な面持ちで教えてくれた

その日パシフィックノースウエスト地方を吹き ....
 



昔大切だった人に
今さら会いたくなって
噛み締めた唇から
静かに血液が流れた

ふいに起こり上がる衝動を
押さえつけながら
私は耳を澄ませる

『純粋に
 ただ純 ....
愛する才能など僕にはないけれど
僕は僕のままで
あなたの側に居たいのです
だからほら
愛される才能など僕にはないけれど
あなたはあなたのままで
僕を隣に置いてください
午前二時君を電話で起こしたら四時間前を覚えててくれた


泣いちゃって受話器の向こう筒抜けでおんなじ月を見ようと言われた


デコメ好きバレた後から来るメール時々デコメなぜ忘れるの

 ....
後ろを振り返るとだれもいない
たぶん肩をたたいたのは夕暮れ

漆黒が塗り重ねられてよるを待つ
あさの白さに塗り変わるまで

針千本飲まされてもうゆびきりはしないと思ったころ
ぼくは立派な ....
uminekoさんのおすすめリスト(1059)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
粉雪の月- 草野大悟 ...自由詩2*14-1-13
とばり、- 左屋百色自由詩18*14-1-13
踊り場に。- 駒沢優希自由詩814-1-13
陽気さ- はるな自由詩914-1-13
罪悪感- 自転車に ...自由詩414-1-13
夜を歩くという事- 塩崎みあ ...自由詩11*14-1-13
ありがとう- 乱太郎自由詩11+*14-1-12
スノーマンと雪だるま- 夏美かを ...自由詩34*14-1-12
新緑- あおば自由詩12*14-1-10
こころの種- 梅昆布茶自由詩22*14-1-10
お月さま- Lucy自由詩24*14-1-9
祖母の記憶- 壮佑自由詩25*14-1-8
しまじろうは大丈夫かい?- ichirou自由詩20+*14-1-8
たからもの- そらの珊 ...自由詩2314-1-8
しるし- 大覚アキ ...自由詩613-11-20
夜の金具- はるな自由詩713-11-20
信号機に化体される無情- ichirou自由詩413-11-19
不機嫌な月に取り残されたまま孤独を抱いてサヨナラ地球- 北大路京 ...短歌713-11-19
半身- 自転車に ...自由詩513-11-17
花の御心を生きるひと__- 服部 剛自由詩6*13-11-14
曲がり角のひと- たま自由詩25*13-11-14
奈落のクイズマスター- るるりら自由詩18*13-11-14
真夜中の耳- そらの珊 ...自由詩1713-11-14
心理テスト_(詩人サークル「群青」十一月の課題「非」より)- Lucy自由詩21*13-11-13
【_途上の人_】- 泡沫恋歌自由詩21*13-11-13
赤・青・黄色- 夏美かを ...自由詩28*13-11-11
マゼンタ- 自転車に ...自由詩313-11-10
僕らはそれを恋と呼ぼう- 自転車に ...自由詩313-10-31
てんびん座の夜_(十首)- もっぷ短歌613-10-31
蛇行- 梅昆布茶短歌1313-10-26

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36