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あの頃
きみはまだ産まれていなかった
着床しない
小さな種だった

人はなぜ産まれてくるんだろう
人はなぜ産むんだろう
いつか手ばなす命であるのに

わたしが
影も形もない頃
少 ....
 光の帯の中から生まれた君は無言で僕に話しかける。
 朝、光は太陽光線と絡み合い上昇してゆく。
 覚めたかい、目は。
 ほんの小さな君はまるで水晶のように笑った。

 錯覚に揺れる部屋で ....
  
そんな風にときどき
ためいきをつきたがっている
ぐらいなのに
そんなところへ
Mさんのお話なんかされるものだから

まっ
    しろ

になってしまって



いつ ....
俺か
って
嘆いて
頭を垂れたか
それとも
土下座したいのか
かつての自分勝手よ

誰に向かう
その冷えた眼の先
湧水の空
荒涼たる雲を捉えようとする矢は

己に滾る赤い涙は ....
スツールに置いたスタンドライトの明かりが
薄い紙を透かして
褪せた文字を
一ページさきに触れた指の影に落とす

あてどもなくゆれ 、よぎる
ライオンの夢



眠りが獲物と結 ....
壁掛け時計の針が示す時間を鵜呑みにする前にこめかみに鉛筆を突き立てた、そう、それはまさにくたばる一歩手前のギリギリのところだったよ、ついでに言っておくけどそれは二三時を少し過ぎたところだった、 .... 粘土の
少し油臭くて
押せば形を変える
素直で
拘らないところが
好きで

柔らかいけど
ちょっとだけ固く
抵抗する素振りを見せて
ふにゃりと
沈む
そして
どこまでも受け容 ....
「ゴメンナサイ」
「ゴメンナサイ」

相手の顔も見ず
こうべを垂れて
吐き散らかす
「ゴメンナサイ」は
届こうが
届くまいが
本当は気にしてなんかいない
大量生産される
お気楽な ....
あのひとが脱皮するのを見た

鮮やか
に細く磨き上げた手
の甲
の上を走るふくよか
な血管
に見惚れた
美しさ
が屈託なく笑う声
に蹴散らされ
刹那
するり
と剥けた

 ....
粉を追えば裏切られ
塵を追えば打ち捨てられる
わたしが蝶に着くはずもなく
蝶がわたしに添うはずもない


わたしには有り
わたしには無い
表も裏も
透り たなびく
 ....
なにも書かれていない
紙の上から立ちのぼる
青白い砂漠
その雪原のただなかで
花にも瞼があることを教えてくれた人が
透明なグランドピアノを弾いてくれる
その滑らかな指のうごきで
雪のよう ....
望まないものを食べて
ふっくらと肥えた鳥達

心はやぶれ、夢を違えて
雪はこんこんと降りしきる


温かい巣にいられないから
誰もかれも震えて
つめたい石の灯りを頼りに眠り

ど ....
ギター
雨をはじいて飛ぶ鳥のように
空気を震わせて濁らない
濡れた枝先の微かな光
抜糸された瞳へ飛び降りる
孵しそこねた夢の欠片から
うなじのほくろふたつ
振り向くことのない永遠が
月 ....
日常から
肌、離陸して
死を忘れている一瞬
匂い立つ樹木
おろかなのは おそろしいが
みじめではない
たぶん

半分まで橋を渡って
そこで橋がとぎれていることに気づく
雨さえ降らな ....
生牡蠣の緑は
内蔵のオー
真珠の淡いピンクは
皮膚のウー
冬の夜に吹き抜ける寒風は
頭蓋のアー

アー ウー オー
オー アー ウー
遠く遠い去る去り逃れる
憧れ懐かしい戦慄の
 ....
寺からオレンジいろの灯

今宵晴れたムーンライト

ひとりたそがれ繰り返す

こんなにも月があかるい

ちぎれ雲が水墨みたいだ


しあわせだ

冬枯れの森林公園

夜空 ....
自意識を 自覚しているか
客観的な意見を 取り入れられるか

そんな 葛藤をする 瞬間に
脳内カラフル花が 咲き乱れるのかも しれません

そんな 彩の中では
漆黒の闇 なんて表現を ....
一瞬の奇跡の近くに
永遠の軌跡がずっと続いた
花瓶に差した薔薇を彩る橙色の呟きを待っていて

僕の遠い夜空にもある
シケモクは必ず捨てた方が良いだろう
妻が影で吸わないように

おせち ....
怖い夢を見て
こむら返りして
いててってなった

ひとりなので足のつま先を
顔のほうへ曲げてくれる人がいない

昨日まで雪の降るまちにいて
彼の仕事の手伝いをしていて
たくさん食器を ....
始まりと終わりがきしみ合う早朝
雲は空に予言を描いた
行き交う自動車たちは
始まりと終わりの狭間を
どこまでも突き進んでいく
地上で最初の花が散った
地上で最後の花が開いた
人々 ....
清らかな水を求めて  
山のふもとへと向かう

ブラジルサントスを  
ブルーマウンテンに変えてしまう
魔法の水は

雨が大地にしみこみ
土の中を何年もかけてゆっくりと
通りぬけてく ....
名もない詩人の
名もない歌を
名もない人が読むだろう

感想は言わないだろう
いいや、言えないだろう
言葉ではないものが
深いところに旅立った後だから

名もない宿のソファには
青 ....
ミッションの合間に 、ウォツカで居眠りする
宇宙飛行士の寝息が
聞こえる
冬空の下

震度2弱で
きっと倒壊するアパートメントで
きみのお腹に手をあてると
豊かなかわいい水の流れを ....
朝霧の川面に白鳥が数羽 

水は緩やかに流れる

この世の絵の具では表現できぬ

この景色なり

ああ なんという世界

うたたかの夢

まどろみながら

さまよいながら
 ....
お鍋ばっかり作るのは
会話の無いのをごまかすため
互いの箸を受け入れる
それが暗黙の譲歩

冬はいいよね
寒いの一言でなんか言った気になるし
窓の水滴が答えに見えてくるし

外から見 ....
夜のいない街にいて、なかなか眠れない。
この街の中心に、夜を壊すわたしがいて、
夜を壊す音が鳴りつづけ、静寂が訪れない。
街は、一日中真っ白で、誰もいないなにもいない部屋だ。
ある日、わた ....
猫でも
星の王子様でもないから
突然 行方不明になったり
ふらりと舞い戻ったり

渡り鳥に話をつけて
よその天体までひとっ飛び
旅してみたりもできないし

自ら死期を悟る事も
でき ....
となりでこんこんとねむっている君は
いま、夢の旅のどこらにいて
どんな風景を見ているのだろうか

空を飛んでいるのかな
くらい深い海に潜っている?
なにしろきみは獣だから
草原を走ってい ....
   
 生きたまま花の化石になりたい
 という少女がいて
 街は、霞のようにかすかに
 かそけく 輝いているのだった

 ちちははの眠るやわらかな記憶の棺たち
 少女は母似の瞼をとじた ....
さようなら 言葉よ
いろいろあったけど
楽しかったぜ お前のせいで
いや、おれのせいか
裸でこのせかいに降り立った
お前をお前のままで
いさせるためには
風はあまりにも冷たく
地面はあ ....
小林螢太さんの自由詩おすすめリスト(658)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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nobody_John- やまうち ...自由詩417-1-12
ラブチュッチュ- 末下りょ ...自由詩4*17-1-12
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冬の夜- 朧月自由詩617-1-11
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薔薇の傍に__(サン・テグジュペリ氏に敬意を表して)- Lucy自由詩17*17-1-11
あまい雨- 田中修子自由詩5*17-1-11
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