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腰が大きく曲がった
近所のおばあちゃんが通るたび
あの中には何が入っているの?
と、母に質問して
そんなこと聞いてはいけません
と、言われた
大人はいつだって
ほしい答えをくれやし ....
花柚子を貰った
実家のお向かいの家で
段ボール箱3箱も採れた内
実家でいただき、
そこから、
わたしも鍋いっぱい分けて貰った
柚子は好き
柚子胡椒も好き
柚 ....
水曜の月夜
頭痛には目を瞑って
メトロは川を渡り地下へ潜る
長すぎる日と日の間を捲る
短いスカートの権利は明け渡していない
いくつで
はじめます?
手も繋がずに坂を上って ....
西陽射す放課後の第二音楽室
古びたオルガンが
窓際に押しやられ
やがて来る
粗大ゴミの日を待つ
かつてはだれかしら触れていた鍵盤にも
今ではホコリがかぶり
ただポツンと置かれた佇 ....
彼女は一定の周期で死にたがる。
もともと、際立って明るい訳でもないが、その時は特に著しい。
長い髪を垂らして顔を隠し、カーテンを閉め切り、人との接触や、彼女が好んで集めた可愛らしい物ですら拒む ....
おおゆきが降った夜
雲の切れ間で
三日月につかまって
空中ブランコしてたのは
木の葉の舞う頃
行方不明になった黒ネコ
最初は新聞の折り込みチラシ
猫のアップの写真の下に
「飼い猫を ....
露草な心のまま こぶしを天に突き上げ
リズムを刻むたび 霧が 晴れてゆく
遥かな思い出は 縁側の飛行機模型
竹ひごをしならせて 夢は青空
若くて死ぬことも
老いて生きることも ....
言葉を編み
視線を編む
少しは暖かくなってくれたかな
山の際を淡く染めていく
年の初めの最初の光を
あつめてできるノートがあって
誰にでもあるそれは
こどものうちはとっても厚いの。
書いても書いても尽きることはないの。
大きくなると見返すよう ....
私は白馬に乗り風をきり野原を駆けている
白馬は翼を広げ天空へと舞い上がっていく
私は音楽を聴きながら幸せをかみしめよう
何を齷齪し何を不安がっているのだろうか
美に触れ ....
半年ぶりの実家はいつも通り
父は孫と はしゃぎ
母はセカセカと 動いている
ちょっと気になる
カレンダーと
冷蔵庫に貼られたメモ用紙の枚数が
カレンダーはもう日付がわからないくらい ....
うみにくると
ふるさとに
かえってきたような
きもちになるのは
なんだろう
こくどうから
ながめわたす
ささーん ささーん
おおきくみえたはずの
うねりが
かたちをなくして ....
水の中では
泡が言葉だ
生まれたそばからはじけて
君に伝わることはない
同じ水槽の中にいるのに
君の夢が僕には見えない
同じだけれど違う生き物
互いに互いを選び合えずに
....
伯父さんのお葬式の日に
父に会いに行った
病床で 夢と現のあわいを
ゆっくり行き来している父は
「今○○さんが来て行った」と
仲良くしていた兄の名を言う
その人が亡くなったという事を
お ....
栗色のたてがみをなびかせ
どこまでも駆けて行く
その凛々しい姿どこまでも
草原の果て 日の昇る場所
おまえは駆ける 駆ける
休むことを知らない
この大地をどこまでも
おまえはひとり駆けて ....
夜を抱いて眠っている
布団の中が宇宙だ
せっかちな朝が起こしに来ても
夜が放してくれないのだから
おれのせいじゃない そもそも
三百六十五日ごとにリセットされる
そんな人生を歩いては来 ....
薄紅の花びらの真中で
一匹の蚊が死んでいました
その造花の霊廟には
微かに白く埃が積もり
異なる時が流れているのです
知っていましたか
昆虫は外見が骨格なのです
死んだニンゲンが放置 ....
いろつやかたち
どれをとっても
こんなに優しいものはない
桃
両手でそっと抱いてみる
たましいは傷つきやすくて
触れあうたびに痛がっている
薄皮を爪ではがせば
そこには
今に ....
ゆらゆら路地裏に消えていく猫の尻尾
日曜日の午前9時
空がある
雲はない
宇宙がどのようになっているか いつの日か科学は突きとめるだろう
宇宙が何故在るのか 誰も永遠に分からないだろう
テ ....
水星
{引用=みんなより泣き虫な私ですが
もしものときは貴方の熱い涙も、全部
私のそれに溶かして差し上げます。
その代わりといっては何ですが
私からいつもより
少しばかり濃い塩の匂いがして ....
僕の一番深いところにある
尽きることない泉から
喜びや悲しみや
くすぐったい気持ちなんかが
湧きだしてきてとまらない
ありとあらゆる才能の中で
生きて死ぬのが一番の才能
そう言っ ....
明けない夜はないと教えてくれた人は
暮れない昼もないとは言ってくれなかった
やまない雨はないと教えてくれた人は
永遠の晴れもないと言ってくれなかった
幸せの気配を感じるたびに身構える
....
その人に投げかけた孤独が
勢いよく跳ね返されてきて
私の胸に鮮やかな痣がプリントアウトされた夜
傷だらけの そのくすんだ球を
手毬のようにつきながら
迷い込んでいくサイバー・ラフォーレ
....
旋律が響き渡る時
時の鼓動が聞こえる
時間はいつも音もなく過ぎ去るが
それは「音」として現れざるを得ない
私には見えない無数の事が
私を取り巻いていつも私を
....
5歳の野原に
少年をひとり
おきざりにしてきた
今も夢に見る
あれは
世界の果てまで
走って行くはずだった真昼
やけるような緑と
汗と言う名の夏が
身体にべったりはりつい ....
安全ピンが指に刺さりました
血も出ています
原因は私の不注意です
勉強になりました
安全ピンが安全じゃないことから
考察される
物品の名称 機能 リスクの関係
そして
景品 ....
渇いた湖底を
掠め
渦巻き
通過していく
そんな
低温の吹雪を
窓には無数のひび割れに似た
しばれ模様が張り付いて
空気中の水分は
耳にも
皮膚にも
触れない
喉も乾かして ....
夢には
二種類あるみたいだ
現実から
逃げるための夢と
現実を、変えていく夢
僕は、
炬燵の中で微睡む
飼い猫のクロと一緒に
彼女はもう
十年以上も前 ....
この思い出せないものは
おぼろに揺れて
この肌と共に老いていく
老いた幹に
傷が付くと言う事も
その痛みも遠のいて
一見の新芽を褒めては
少し背伸びする若造を
少し微笑みな ....
青空が全てを飲み込んで
見渡す限り空っぽになったような そんな日々が続いて
生まれた街を離れられずに
過ぎ去った人達の事ばかり考えている
未だそばにいる誰かの声を
自らの歌声でかき消しな ....
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