宇ノ声
ひだかたけし

生牡蠣の緑は
内蔵のオー
真珠の淡いピンクは
皮膚のウー
冬の夜に吹き抜ける寒風は
頭蓋のアー

アー ウー オー
オー アー ウー
遠く遠い去る去り逃れる
憧れ懐かしい戦慄の
白装束の女の挙措
読めない測れない
現れては
振り回され
只々聴き入る
その絹の声 磯の声
時に静かに 時に荒ぶる
破壊と創造の流動狭間で
[アァ ウゥ オォ
 オォ アァ ウゥ]
宇ノ声 ヒビキ 憑依する


生牡蠣、真珠、冬の夜に
女の残り香漂う白い部屋

アー ウー オー

木霊する、、。



自由詩 宇ノ声 Copyright ひだかたけし 2017-01-14 17:42:54
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