すべてのおすすめ
街灯が揺れてるのだと思った
空音交じりに
現像が遅れているのだと思った
焦がれの情景に
静まり返る夜更けの頬をやっと
支える両手のひらには
掴み出せない塊に
揺らされいる ....
十七時の鐘の音は凍え
涙声にもよく似て
僕は此処に
居たたまれなくなる
そして
此処ではない場所へと
小走りで急ぎ出す僕の
おでこに
何も無い様にしか見えない宙に
飛 ....
冬空の始まりは
少し疲れた
白い横顔
鳥にも雲にも光にも
他人行儀なそぶりで
けれど其処には
秋の最後の雨と
昇ったいくらかの
私も居るのだろう
その頬はふいと
....
雨を吸った土の匂いの中に
小さな足音は染み込んで消え
痩せた川の澱みで回転する
小枝に自身を重ねている
どこでもないその場所で
世界はゆっくりと
瞬きをしていた
見上 ....
よくある日曜日だ
塩入りの湯に
ぷっかり浮かんで
野良の歌に
流れて途切れて
一日という区切りの
不自然さにまた馴染んだ
寂しいほどのシンプルに
頬を寄せる
....