一.


舞いそこねた息が
蜜擦れしている

まつげのながさは
わたしたちのいのち




二.


等分できないものをささえる
ゆいいつの幕間
背泳される 水は
 ....
腐臭の指先はぶるぶると震えながら俺の喉元に食いこんでくる、その震えの中にあるものはきっと、怒りに限りなく近い哀しみなのだろうと俺は感じた。ぼんやりと、白色に溶け始めた希薄な脳髄の中で。怒りに限りな .... その坂の上は外人墓地になっていて
少しだけ風がそよぐ。
港町を見下ろすその場所で、
土の上に居場所をなくした人々が 眠っている。

その風を、汗に濡れた指先でなでるのが好きだ。

 ....
途中だった思案を開いてみる
また白紙になっていて
今日という日があるのはそのせいだ
記憶なんて信用できないもので
記録のほうがあてになるかもしれないと
毎日、一頁ずつ
日々を書き留めていて ....
どんなに荒れ狂っても
静けさを壊すことはできない

どんな爆音も
静けさの中にあってこそ鳴り響くもの


指で耳をふさぐと
聴こえてくるものは なに


流れやまない肉体のせせら ....
昔、
浜辺に白紙が漂着した。
それは昨日、
ぼくが君に貸した
本の一ページだった。
文字はおろかシミさえ無くなっていて、
大海で起こりうる時間の消失を
実証するのに充分だった。もしくは、 ....
そこは 小さな駅で
ときどき SLも通る駅で
小さな改札口の前には
電車を待つ人のために
素朴な木のベンチがあります

ベンチと改札口の間は
すぐ近くにある大きな駅に行く人の
通り道に ....
ぼくとぼくとぼくというのがぼくたちのことだが
そのぼくたちのなんということもない
へそで茶でも沸くような
毎日のことを
(毎日とは日と日と日と日と日と……)
前評判を置き去りにでもした形で
 ....
無人駅の廃れたホームに立ち
缶コーラの
残り数滴を啜り
サヨナラのハンカチがたくさん舞うような
一月の空のメランコリーを見ていた

時間は午後
暫定的に午後
そうと知ってい ....
毛を刈るために羊を飼うことを
今、どのくらいの人が思い出せるだろう
つやつや光る糞の転がる野原

綿が種を抱いてはじけるさまを
今、どのくらいの人が知っているだろう
大きな花と土と肥料の匂 ....
飼い猫が死んだ
風邪をこじらせて
咳がつづき
衰弱して死んでしまった
僕はそれを
トイカメラにおさめて
フイルムを
鞄の奥のほうに押しこんだ


 昔
 花火を見に行った
 ....
おい、蛍の光
俺はお前が大っ嫌いだ
閉店間際のシャノアールで流れるお前はあまりにも脅迫的だ
穏やかなメロディの裏でお前は俺たち客に「とっとと帰れ」と急かしてるんだ
やさしい顔してやることが怖い ....
ばかだな
いまなら
ばらだって
いきていたろうに


さびしい
よるには
なしくずしに
らんどすけーぷをちぎる


オリオンの三つ星

ルビーの睫
ヴァリエーション4、 ....
   裏庭について – それからすこし家の話

 北里、という地名がある。しばらく住んでいた時期があるが、そこの風景を思い出そ
うとすると、まず祖父の家の入口が面している道路から左手 ....
 面白人生講話

 二つのメソド、つまり方策がある。リストアップ法と丼勘定法である。私達の携わる宗教では、戸別訪問による信者獲得の取り決めがある。聖書によると、伝える者がいないと聞く者がい ....
 
 
白紙に滲んだ黒い赤
むくむくと大きくなって
たくさんの物語を生んでくものを
とくり、とくりと創ってく
 
神秘の朝は窓を黄金に染め
鳴いたはずの軋んだ世界を
やさしく やさし ....
 詩を読むときにね、詩人 じゃなくて 人 と思うほうがいいかなと
この頃思います。
「詩人」なんていなくてね。
「人」がいる。
高速道路を二〇倍速でガン見する
引きずられた眼球の中でミトコンドリアが舞っている
土人たちを夢想して浮かぶ偵察衛星‐姉
荒ぶる箒を止められない苔の虚ろに耐えて詠む誰か坊主を燃やして。
情緒に問題あり、と
言われた、三者面談で
帰り道、お母さんが
泣いていた、自転車の
荷台で、情緒の意味を
分かりかねていた
テンイヤーズオールド


西日のまぶしさだけ
息が詰まっ ....
壁打ちテニスが流行っていた
とある場所がある
心に描いたネットの向う側へと
誰もがひたすらにラケットを振った
放物線を描き跳ね返ってきた球を
時が経つのも忘れ打ち返した

街灯の明りを背 ....
午前の安らかな居眠り

窓の風景が寒い冬枯れて
モノトーンの射し込む光に
アケビの橙が透視できる 窓に

うたた寝の前
布団をかぶり
空を呆然と見詰めて
表情のある天候と同期して
 ....
 仏教の教えに、十界論というのがあります。生命の境涯の世界を十に分けたものです。下から、地獄界、餓鬼界、畜生界、修羅界、人界、天界、声聞界、縁覚界、菩薩界、仏界と上がっていきます。日本の仏教では、死ん .... 紙飛行機のコックピット内
傾いた筆記体で綴られた
「ジュぺリ」

キャスター付きバックを転がす彼女は
外国人を、
エイリアンと呼んだ

マザー、
母船を彷彿させる民家の明かり
玄関 ....
不眠不休の、ガソリンスタンド。
給油口にホースを突っ込んだまま、
メーターの数字を眺めているなんて
痛々しいから止めろと、冬の、寒気の
吐く息の、明滅する飛行機の明かりはともかく、
自動販売 ....
 {引用=(鍵盤が駆け上がる夜、/ガラス片、/鉄塔/に続く紅の、足跡、//)}

裏側はどうなってるかわかりません そんな理由じゃ嫌わぬ 月よ



差しだすとき、グラスの中身は原液です。 ....
何がプレミアムなのかも分からずに
モルツを口に運びます
くだらない形容詞が世の中に溢れて
肝心なことが言えずに今日も終わる

たった五文字の言葉の中にも
行間が絶え間なく滑り込んで
最後 ....
薄いビル
民家
靄のかかった空気
嫌な匂いの雨上がり
吐瀉物
黄色い線の内側
ガム
看板
現実さえも
ヒリヒリしたことばを書くとしても
きっと奴らは寝ているだろう
生まれてから今まで
ずっと目を開け続けている人間などいないのだから
みんなどこかで見解をこぼしている

ソクラテスは無知の知だ ....
僕は見てはならぬ光景を
見てしまいました
知らない事が幸せだと
そういう事もありましょう

見なければよかったと
後悔しても記憶は
薄れるどころか
色鮮やかに何度も
そう幾度となく
 ....
たいしたことはない
つい昨日携帯を変えた
何年もtukaから乗り換えろ乗り換えろと脅され続けたが
美しい緑色を出す気の無いauになんか媚びてやるもんかと
虚勢を張り続けた結果出た待望のインフォ ....
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