犬歯が疼く夜は
あなたのことを考えてしまう


黒猫が一方通行道路を逆走していて
わたしはみゃぁおぅと鳴いて忠告をした
哀しみに月はなく
瑠璃色の眼は立ち止まり
この影をきちんと認めて ....
遠い街の空にふるえる
甘酸っぱい林檎の
かたちをした心臓は
銀色の影にふちどられ
微かに揺れていて
静かにガラスに映る
しなやかなアウトラインのなかで
切ない果実のように
弾力のある胸 ....
むかしむかし。皆さんが「むかし」と聞いて思いつく昔よりもっともっと何倍も遠いむかしのお話。

フェルデンライムという国の一番大きな樹の下にとっても小さなエルフが住んでいました。(といっても

 ....
身体の中で潮騒を飼っている
辞書はそれを焦燥や憂鬱や歓喜などというが
潮騒はそんなにもシュハリ、と
姿を変えるものだろうか。

生まれて初めての始発に乗った。
どうしてだろうかとは考え ....
人間は青い空がいつでもそこにあるような気でいるけれどもそれは違う
    空はいつも降ってきている
         降り続けているのになくなってしまわないのは
     絶えず生まれ続けている ....
―幾年も思い浮かべる蓮の根を身篭りたいの貴方のだから


「ランティルディ」を纏う真夜中
ひねた顔した満月
薄汚れた監視カメラに写るほのかな人影
部屋の中でキー置く音が響く
 ....
明日は一日、月立つ日
時の流れと一年を
月の姿で数えていた頃
細い三日月新月が
空に立つのが一日だった

白夜が続く北極も
夏至を先日迎えたばかり
白夜の空への夜の戻りを
るりが立つ ....
十年前、通っていた英会話学校のパーティで彼は気さくに声をかけてきた。とあるミャンマー人との出会いであった。三十代半ば、日本人よりもやや健康的に焼けた肌をし、そのぶん白い歯が印象に残るその紳士は、人懐っ .... 右目からビームが出るのはいいけどその間見えないんだよね
ほいで別にビームといっても熱かったり痛かったりしないんだよね
しかも自分で制御出来なかったりするから若干だるい
朝ご飯を食べない日はあんま ....
牛を育てる為に人間が食べるよりも大量の穀物を使う
その穀物を分ければ食糧難は解決するという
今更肉を食べるなと言われても困る

ブラックタイガーを養殖する為に
マングローブ林を切り開いて池を ....
雫           水滴の        メトロ       は、日の        させる術
罪状         軟骨を縛る      ゆーとぴあ     華/叉は、流麗     真っ黒に持 ....
甘い甘い過去の細工すかして何がみえる

べたついた
喫茶店の濡れたストロー袋と下品なガムシロ

実力は中の上
ちゅうのほっぺに
ペリカンの中で待つ54歳の
水のにおいがする ....
 ?
 昨夜は哀しい夜でした。それはもう蒸し暑くて。ひとりの老人のための美しく孤独な死が訪れていて月灯かりもありませんでした。ずいぶんと重い雲がたなびく夜でした。人を乗せた列車も走らない深夜に、貨物 ....
{引用=刻む秒針の 大時計の音が気になるので
夜中の階段を昇るのだ

光る猫や人形の目を避けるように
しずかに しずかに 足音たてず

針はとまる


真夜中に僕の亡霊は 音のないダ ....
すこし昔の話をしよう
僕らがまだ幼くて
あまりに子供だった時の事を

覚えてるかな
手のひらにのせた楓の葉を
引き裂き 引き裂き
空に舞い上げた日の事を
母さんが好きだった桜の花を
 ....
なまなましい透明な輪郭ばかりが
声をともなって底からわきあがってくる。
止めようと思ってもとまらない
体が、ふるえる、ふるえる。ふるえながら
私はあなたのゆびばかりをしゃぶった。
止まらない ....
僕には血が流れている
妻を残して死んだ人の血が
憎しみを腹に据えたまま死んだ人の血が
消化できない思いを残したまま
死んでいった数千、数万人の血が

マンホールから洩れてくる
地下街の音 ....
青のジャージ、歯の抜けたおっさんが、にへにへ洗濯機回り、ゴミ置き場周辺を回っている。


アパート備え付けのランドリーな所で変質者はいつでも登場し、不動産屋が不正な自転車が置かれてないかと見廻り ....
 今月の「ぽえとりー劇場」も筋書きの無い物語が続き 
唄歌いのゲスト・杉本拓郎君の後は「在りし日の詩人」
の面影が夜風に吹かれて訪れたようです。 

 先日僕が鎌倉文学館の「田村隆一展」に ....
もう ラヴソングも描けないのさ
日の入りが終わった天空の
マゼンタがきれいでね
良い絵が描けた後の
水入れみたいでね
そんなことを伝える人も居ないのさ

眼球の奥でつくられる
とろんと ....
もしも言葉に

羽が付いていたら

君に届けた言葉の羽を

ハサミでチョッキン。

そして

君の一番太い枝に

縄でグルグル括っちまおう。
高層ビルから
突き落とされたようなドラムで
僕の心臓を叩きつけてくれ

通り魔にグサリと
殺られたみたいなギターで
僕の鼓膜をつんざいてくれ

教室で散弾銃を
乱射したような言葉で
 ....
長いこと 時間はたった


ずいぶんと 睫毛も 声も 痩せてしまったね、と笑う

それすらも

全部両手で抱えて持ってゆきたい 日常の風景のひとつだった



おぼつかない足取り ....
Sは、たった0.1グラムの薬を飲んだ。
ソクラテスが口に入れた薬って甘いんだろうね、って言葉を思い出した、
シラフじゃなかったからという理由で、冗談と片付けた、
しかし、Sはたった0.1グラムの ....
ひかちゃんが
幸せになるか、不幸になるかわからないけど

きっと

自分にとっての幸せってなんだろう

って考えて
探求できる子にはなると思う。


って今日着た手紙には書いてあ ....
ただの優しさとか
口癖とか
背中に回した腕とか
押し付けちゃった腰とか
もう面倒だから
すべて愛と呼んで
 ・・・うん。 身動きを許してください水底は26時のネオンさえ青


息継ぎを忘れた彼女が電池式だったと知った火曜のメトロ


遺失物届けの欄に書くべきはリセットキーか押す指なのか


「き ....
あやつり人形のような
お前だった

細く、長く、
私の随分先を行ってしまいそうで
失うのが恐くてお前の腕を
強く握りたかった

でも
パラパラと砕けそうで
出来なかった

 ....
(たった) ひとつの恋が終わった
幻のような希望(ゆめ)だった
輪郭のない花のように 靄のかかった
触れても 最早響く筈もない……時代錯誤の旋律のような それは
調律師の手元離れて久しい 幻影 ....
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タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
だから犬歯が疼く夜はあなたに噛みつきたくなる- 士狼(銀)自由詩13*08-7-7
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第1章_小さなエルフ- 箱犬散文(批評 ...108-7-5
潮騒が撃つ- Rin.自由詩36*08-7-3
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「雌」- 長谷川智 ...自由詩8*08-7-1
るりら、るりたち- 小池房枝自由詩5*08-6-30
コイン/ゾウさんのこと- 石畑由紀 ...散文(批評 ...8*08-6-29
右ビーム- セガール ...自由詩608-6-28
トウモロコシ- 灰色の夢 ...散文(批評 ...208-6-27
vision- aidanico自由詩508-6-27
ぬるくミルク- ともちゃ ...自由詩6*08-6-27
蟻塚- りゅうの ...自由詩5*08-6-26
ダンスホール- もも う ...自由詩25*08-6-26
あの頃みたいに自転車をこいでさ。- プル式自由詩8*08-6-23
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1階のコインランドリー- 山内緋呂 ...自由詩2308-6-20
田村隆一「人が星になるまで」を読んで_〜在りし日の詩人からの ...- 服部 剛散文(批評 ...3*08-6-18
みかん(未完)- たちばな ...自由詩30*08-6-17
緊縛- かいぶつ自由詩208-6-17
ライヴハウス- かいぶつ自由詩108-6-17
花火- もも う ...自由詩2208-6-17
_P-51- つぐこ自由詩308-6-15
未来- モリマサ ...自由詩3308-6-13
愛と呼んで- チアーヌ自由詩408-6-13
ここにいてよ- 長谷川智 ...自由詩2*08-6-10
「トーキョーアクアリウム」- Rin.短歌22*08-6-10
お前の骨- 赤澤るろ ...自由詩308-6-9
薄明- きりえし ...自由詩4*08-6-5

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