ふと車を走らせて
海の見える道路で
車を停車させる
ある晴れた休日の昼下がり

静かに広がる風景よりも
近くにこんなところもあるのかと
そんな発見の方が新しい
風は冷たく強かった

 ....
記憶のかたわらで
あの人の奏でる、ヴィオロン

夜想曲は、もう
恋のできない私に似合いね
と わずかに唇をゆるめてから
伏目で弾いた鳴きやまぬ、旋律
それはどうしても、波としか呼べなくて ....
 雨の日の風景は
 その距離感と質感を増し
 妙なほどに生々しく
 そのくせどこかよそよそしい


とどのつまりが
どん詰まり
この突き当たりの風景も
何度か見た事がある
ここも歩 ....
メーデー歌泥つく靴で地をならし

いもうとの髪梳く夜や沈丁花

手の平に青空統べて修司の忌
その 光

透明な 陽光を 受け止める
光 在る者に

悪心の傷を
痕跡もなく 浄化しなくては

いつも 手をかざし 
光を受け止めている
額が熱い情熱で溶ける

陽光は 憧れ ....
僕の手が
僕の指が
父の手にみえることがある

どこからか父の
僕を呼ぶ大きな声がきこえてくる
指さす先には誰もいない
声だけが耳に残る

七年ぶりに
父の洋服ダンスを開けた
 ....
ただの生活の中を
ただの生活だなんて言って
大して感動もせずにフラフラ生きてたら
ときどき前方不注意で
誰かの真摯な想いの背中にどしんとぶつかることがある
いい加減見かねた神様にマジビンタを ....
夜が
明けないうちに
こっそりと
地平から
覗いてみたよ
旅立ちの日


君の食べられる野菜
食べられない野菜
を知ってたのに
僕との距離を
知らない

やがて
そんな ....
繰り返される風と雨は
石を山から転がし
石はその道の中で
削られて丸く小さくなり
やがて深い海の中へと
沈んでゆく

繰り返される下り坂と上り坂は
人を生へと動かし
人はその道の中で ....
  手を赤く染める雨を一粒。
  摘んで捕まえた。
  つぶしてしまわないようにそうっと。
  空に泳ぐ寸前の雫の形のまま。
  目の前にぶら下げる。
 「こんにちは」
 (こ ....
ウォーリーは探されなければならなかった
探されるためには行方をくらまさなればならなかった
行方をくらますためにはいつも同じ服装をしなければならなかった
その服装が決めたものなのか決められたものな ....
何も見えなくていいのだ
握りつぶしてきた虫の数を数えてみようったって
できない
地球の反対側の生き死にだって見えやしない
私は限りあるイキモノであって
書物だのインターネットだのが親切にも教 ....
島に行けば分かる話

自転車置き場が輝いているのは
真っ赤に燃えてるから
太陽と青春の衝突によって

折鶴を高層ビルの屋上から落としてみると
鏡のような窓にぶつかってから
風に吹かれて ....
開け放たれた窓から
夜風がカーテンを揺らし
月の光がこぼれだす

少女の眠れぬ夜はするどく
闇の中へと切りこんでいく

少女がひとさし指で
空をなぞるように
星の数をかぞえている
 ....
逆光でよく見えなかった顔は
少し寂しそうだった
あの人、もうすぐ死ぬの
朝靄に紛れて
毎日出かけていく
今、生きている
その事を
実感したいのかもしれない

かわいそうな人

 ....
いつかの駐車場猿から
手紙が届いた

こっちはなんとかやってるよ
そっちと比べて数が多いから
多少大変だけどね

僕は淹れたてのコーヒーを飲みながら
何度かその手紙を読み返 ....
          2000/09/17


私たちの透明
近未来の真実と
昨日の裏切りを
黙ってかき混ぜて
無彩色透明にしている

だから、なにも見えないからといって
油断して ....
通夜の式場に行くと
亡くなったそのひとが
よく来たね
と、待ってくれているような
気がしてくる

式を終えて会食していると
亡くなったそのひとが
まあ飲めや
と、ビールをついでくれそ ....
さよなら言わずに引っ越した
あの子のおうちのお庭には
たんぽぽみっつ咲いてるの
さよなら言わずにたんぽぽも
綿毛になってとんでくの
春夏の夢にかけたる浮橋の
  途絶えに月をながめくらさる

五月雨にみかさ増したる川の瀬に
  月は流れでみづ音ぞ澄む

ひさかたの光をかへすはちす葉の
  浮けるみなもに波たつる風
 ....
{引用=




  金色が たおれる 欠伸が 蔓延する 
  蛙のうた こもる ねむれない 五月 日々の罅に 滲む
           ゆううつの 書物 ふあんていの音楽
  刺身 ....
言葉がほしい言葉があったなら
あったなら後は後でどうにかなるのに
あ、から始まっても
ん、から始まってもいい
言葉ばかり求めてこんな今でも

 *

ヘビースモーカーの刑事は
スパス ....
通勤バスの車内 
後部座席から眺める 
まばらな人々が
眠たげな朝 

( 昨晩わたしは、{ルビ尖=とが}った爪を、切っていた。) 

人さし指をのばし 
四角いボタンを押す 

 ....
遠ざかった
昼過ぎの暑さきびしく
伸びやかにあれど迫り来る
車輪きえず
心すれ違い赦すことばかりが増え
いつしか
灰色が世界の四季だと知る

なんのいみもなくて
かざぐるまのよう ....
           2007/05/02


問題ありません
明日からも
大車輪で
元気にやっていけます
すべては
気のせいです
なんでもないことを
気にするから
大事になるの ....
一度も入ったことのない時計店が
空き家になっていたことを知ったとき
この街を動かすからくりのひとつが
もうもどることはないのだと感じて立ちすくんだ




雲はなく 風は冷たく ....
「777円」

某ディスカウントショップの店頭に
所狭しと大量に陳列されている
サウナスーツに貼り付けられた値段


食い散らかした菓子袋やら
缶ビィルの後片付けもそこそこに
はずみ ....
友達から葉書が来た
「マイナーチェンジしました。これからもよろしく。」
とあった

その友達に街で偶然会った
以前は、にこにこしていてよく喋る友達だったのに
妙に暗い
そっちのマイナーか ....
まずい飯を食べていた
ウェストミンスター橋の端
ビッグ・ベンが見ている
今日はまだ
雨が降らない
ロンドンが霧と雨の街だっていうのは
あんがい真に受けていい
あとは
春だと思ったら冬だ ....
八十円切手を
丁寧に千切りながら、考えていた
軽四輪だったかどうだか
切断された偉そうな記憶だけが
粗大ゴミみたいに

音、

みいいんって
ああ、またかまただ
 ....
山中 烏流さんのおすすめリスト(1126)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
一人鬼ごっこ- ぽえむ君自由詩10*07-5-4
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「過剰演出」- ゆいしず ...自由詩207-5-4
修司忌- 村木正成俳句3*07-5-4
その_光- アハウ自由詩507-5-4
- yo-yo自由詩10*07-5-4
オニキス- チグトセ自由詩12*07-5-4
あたらしいあさ- 夕凪ここ ...自由詩707-5-3
繰り返しの中で- ぽえむ君自由詩8*07-5-3
雨の知らせ- 朝原 凪 ...自由詩13*07-5-3
探されウォーリー- たもつ自由詩1707-5-3
初夏の森には秋の風- 佐々宝砂自由詩1807-5-3
さらばリュートステイ- ロカニク ...自由詩207-5-3
イメージと空白- 村木正成自由詩10*07-5-3
二つのカップ- 今田コボ自由詩8*07-5-3
駐車場猿、その後- なかがわ ...自由詩5*07-5-3
_透明な現在- あおば自由詩6*07-5-3
通夜- 小川 葉自由詩4*07-5-3
たんぽぽの親子- 小川 葉自由詩9*07-5-3
さつき待つ___________■古語の宴参加作品■- Rin K短歌20*07-5-2
hibi- はらだま ...自由詩33*07-5-2
言葉がほしいだけ- ロカニク ...自由詩207-5-2
「_降車ボタン_」_- 服部 剛自由詩12*07-5-2
すみれレイン- キメラ自由詩407-5-2
大車輪- あおば自由詩6*07-5-2
温景- 木立 悟自由詩507-5-2
果たして月へ行けたか(2006)- 自由詩4*07-5-2
マイナーチェンジ- ふるる自由詩18*07-5-2
倫敦夢- たいにぃ ...自由詩2*07-5-2
山翡翠- はらだま ...自由詩14*07-5-1

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