個室のテレビで 
モノクロの映画を見ていた 

画面に映る
その古びた部屋には 
一台のストーブがあり 
上に乗せた{ルビ薬缶=やかん}の口は 
いつまでも湯気を昇らせていた 

無 ....
 ひどく髪が傷むのは
 瓶詰めの中で 
 チェリーが
 悲しんでいる



 死にそうな動物を
 殴る
 歯間から漏れる
 折れ曲がった
 釘のような嗚咽

 ....
真っ赤な靴を履き
真っ赤なドレスを纏い
真っ赤な髪留めをつけた
真っ赤な美しい女の
そのくちびるはなぜだかいつも
半分だけ真っ黒でした

女は
いつもの酒屋の
いつも ....
そこはまるで
ひとつの街であり
ひとつの物語でした

私はもう誰も居ない
公園のブランコに

キーコキーコ
と揺れていて

さようならの練習ばかりを
しています

あなたには ....
なめらかに幼子の
桃に染まった柔肌の
質感と光沢は珊瑚

或いは

とろり新鮮な濁りなき
真に最初の一雫
甘い乳白は象牙

真似て

何れ程焦こがれて
唯身を染めて桃に白に
 ....
理想の仕事を選ぶというのは非常に難しい
まず当たり前だが興味を持てる職種のほうがいい
そうでなければ私の性分からして長くは続かない
その為にはまず自己分析が重要になってくる
このことは非常によ ....
 いい子ねえ、って
 大人からいつも
 あたまをなでられていたから
 ぼくはおおきくなれなかったんだ


と、いって
そらちゃんは笑う


海のみえるブランコが
そらちゃんのなき ....
例えばそいつが絶望であったって
共に踊れたら
希望へと変わる

間違って
地球に降り立ったムーンライダー
月の満ち欠けがおいらの燃料さ

例えばそいつが悪魔であったって
共に歌えたら ....
          2007/05/12

ギリギリギリ
なにかごようは
ありますか

擬音の世界に
ぎりぎりの
擬音の狭間に
押し寄せて

夜明け前

擬音の忍者と
計ら ....
日中はデイサービスに集まり 
賑わっていたお年寄りも 
それぞれの家で眠りにつく頃 

明かりの消えた広い部屋には 
残って日誌を書くぼくひとり 
静まり返った夜の老人ホーム 

天井 ....
引けば開く扉は押します開かぬよう

開かずの間あの鍵はもう壊れてます

ねえあなたこの車窓の絵は買えないの

蜂の顔同級生の小林さん

生活感だけを散らかし夏の庭

引けば開く扉と ....
帰る。

父の元へ帰る。

いや―
父は、いない。

だけども、死んでなんかはいない、
らしい。

(父の大きな肩を見て、育たなかった。)

(父との思い出、あれはもう、小学生 ....
あたしは あんたのことがきらいだと言う

たてじまのTシャツを着たあんたは 聞こえないふりをして
うすべったい腹を 時計まわりになでていた

あたしには なんの文句もない
いつもど ....
黒猫

放置した侭のアボカド
起動為る前のデスクトップ

貴方の眸


(孵りたい )


皐月の穹は眩暈が為る
新緑が力を奪うんだ




茹で卵 ....
腹を空かせた蛇が
宇宙を丸呑みしたそうな
大きな口を開けて
パクッといった

宇宙は蛇の腹の中にあって
時折酸性雨のような
蛇の胃液が降り注いで
少しずつ世界は消化されて ....
クエストオ、クセ


クエストオ、クセ
その一語に秘められた想いは
天秤ばかりにかけられはしたが
もう片方にかけたものは一枚の爪でしかなかった

クエストオ、クセ
夜 ....
トボトボと一人
家路に着く
誰もいない
コーラを飲む

なんて寂しい
人生なんだろうか
話し相手もいない
テレビを見てまた明日

天気は晴れ
感動のやり取りで
ドラマを作る
 ....
光なく音もたてずにうねりゆく野火の描く蛇さまよういのち



はねのける受け入れるだけが生でなく争うことは戦いでなく



足跡も足音も絶え他を焼かず自らを焼く火を歩みゆく ....
白いはしごだった
白木

塗られているようで
裸の魂
裸なようで
薄い化粧を施した

はしごだった
それは役目を担っていた
底からわたしを
救い出すという役目を

一段一段を ....
青い
夜明けのような{ルビ苧環=おだまき}の花を行き交い
小さな蜂が羽を震わせている
光は飴色に輪を広げ
触れるたびに緑の葉は揺れ動く
あいさつのように かすかにそっと


      ....
なぜそこに
それがあるのか
自分ではわからない
人に聞いてもわからない

なぜそこに
それがあるのか
調べてみたら
なぜそこに
それがあったのか
謎が一つ増えてゆく

なぜそこ ....
少し離れた
海のようなところを
目覚まし時計がひとつ
泳いで行きます
古い色のバス停で
返却期限の過ぎた図書を
二冊抱えたまま見送る
息継ぎだけが
わたしの動作でした
この 地球がエントロピーの法則で
滅び去っても

例の邪悪な
モグラたち

年金もらって 演習を続けたそうな
ソナーは補聴器かわり

戦車は車椅子だ
テッポウには
花の種が仕掛け ....
編みかけの服が
国旗に採用された
みんなが喜ぶなか
ほつれを気にする母
レイン
あのとき足音にかき消され
君の言葉が聞こえなかった

雨が降る
自由が再び吸い込まれていく
星が湿度を復元する
束の間の動作
長旅を終え
地面に歪んでは消える ....
ガードマンはハンコを押す
祝日だから
ビジネス街はひっそりとしている
八十八階の窓から山が見える
あの向こうで母は
病室の四角い空を見てるのだろう
雲という名前を失った雲は
やはり雲 ....
「ひかりの信号」




ぼくは星にいた
ひとりぼっちで
裏側には、うちがあって、
温かい家族は居て
それは幸福なことだと思うけど
何故だか
ぼくはひとり


たぶん
ほ ....
瞳孔に赤い花束しのばせて指揮棒で追う蝶の白さよ

シンバルの彼はスポーツ選手の眼、100mとか、なんかそうゆうの



部長から提案があります「なんでしょう」もっと白目を剥いてください
 ....
新しく命が死んで
また少し地球は軽くなり
太陽に近づく

また一つ
また一つ

また一人分
また一人分
地球は軽くなる

時折生まれる新しい命は
重しのように ....
車窓がくもって何者かが問いかける
移民の悲しみ似た淡くはかないものだ
いくつかの希望を抱いて死んでいった
若者の中の一つの宇宙だ

車窓がくもって見えていたものが歪む
ひときれのパンに空い ....
山中 烏流さんのおすすめリスト(1126)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
古びた部屋_- 服部 剛自由詩407-5-12
この音楽の奏者は一方的に失う- カンチェ ...自由詩307-5-12
_赤ノアイ- 朝原 凪 ...自由詩2*07-5-12
ブランコ- 松本 涼自由詩707-5-12
椰子哀歌- ICE自由詩7*07-5-12
エリートと呼ばれるために- 快晴自由詩3*07-5-12
そらちゃんのそら- まほし自由詩26*07-5-12
ムーンライダー- おるふぇ自由詩507-5-12
擬音の忍者- あおば自由詩4*07-5-12
「_贈りもの_」_- 服部 剛自由詩7*07-5-12
夏の扉- 小川 葉俳句4*07-5-12
父のこと(やすりをもつ)- 蔦谷たつ ...自由詩4*07-5-12
記述- むらさき自由詩8*07-5-12
皐/殺気/昨期- 自由詩307-5-12
蛇の腹- なかがわ ...自由詩5*07-5-12
プロピレパレンポン、ダン- THANDER BIRD自由詩3*07-5-11
ハナシの話- ペポパン ...自由詩5*07-5-11
火と歩み- 木立 悟短歌1107-5-11
白いはしご- ヰズミ自由詩307-5-11
- 石瀬琳々自由詩17*07-5-11
なぜそこに- ぽえむ君自由詩10*07-5-11
動作- たもつ自由詩1507-5-11
ソナーは補聴器か、老兵はラバに等- アハウ自由詩607-5-11
ノート(旗)- 木立 悟未詩・独白307-5-11
レイン- チグトセ自由詩14*07-5-11
ガードマン- yo-yo自由詩8*07-5-11
「ひかりの信号」- ソティロ自由詩8*07-5-11
青春狂想曲- たたたろ ...短歌10*07-5-11
命と地球- なかがわ ...自由詩3*07-5-11
行くあてのない列車に乗って- 村木正成自由詩1007-5-10

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