すべてのおすすめ
しらないまちを
あるいた
しらないというだけで
まちはふるくなり
あたらしくもなっていく
しらないまちのひとにも
わかるような
ことばではなした
ほとんどつうじ ....
一人だけ居残って
いつまでも待ってたけど
母さんは
迎えに来なかった
ふと考えてみたら
僕は高校生になっていた
幼稚園じゃあるまいし
なぜあの時
そんな勘違いしたんだろ ....
一つの時代が終わることを
想像もしないまま
わたしは一つの時代に育まれ
育んでくれたいくつかの人たちは
死んでいった
あの一つの時代が
今も変わらず続いていたならば
わた ....
ものごころついたときから
あるもよおしものが
そこでおこなわれていて
開催期間:ひとのきかん
とかかれてあるので
ふしぎにおもい
うけつけのおねえさんに
ひとのきかんとは
....
おじいさんが
ランドセルを背負って
元気に登校していく
おじいさんは
まだ三時間目なのに
給食を食べる
お父さんは
車輪のない自転車で
道なき道を
どこまでも走 ....
はじめからこうでは
なかったはずなのに
無垢であるには混沌としている
空の色はもっと
違っていた気がする
もっと緑がかっていた気がする
ふたりはもっと
透けていた
むこうが見わたせるく ....
お盆に実家に帰ったら
なつかしい扇風機が居間にあった
こどもの頃に足でスイッチを入れたり切ったりして
かなり邪険にしていた扇風機が
とてもモダンで今っぽく
おしゃれな感じに見えた
お墓 ....
カーテンが
レールをすべる速度で
ひかりは生まれ
わたしの部屋に
朝をさしこむ
レースを通過した
木漏れ日から
光をひとつ選び
手に入れることなど
できない
あやふやな瞬間が
....
「フラノ」というレストランで
イタリア料理を食べてから
私は回想バスに乗り
帰るべき家をさがす旅に出た
バスが「いのちの相談センター前」を通過するとき
入口に行列ができているのが見える
....
動物園の猿が
声を食べている
人間の声を
むやみに与えないでください
と、注意書きがあるので
みんなただ黙って
猿を見ている
携帯が鳴った
電話の相手が
ものすごい剣幕で怒ってい ....
眠らない夜の
ざわめく都会の駅に
ひとり立ちつくし
冷蔵庫の音しかしない
居間で酒を飲む
冷蔵庫から
食べ残しのつまみを出し
ホテル街へ歩いてゆく
賞味期限切れのつまみは
結 ....
自動車の後を
忘れ物が追いかけている
財布のようである
その財布の後を
忘れ物が追いかけている
免許証のようである
その免許証の後を
忘れ物が追いかけている
顔写真のようである
その ....
金魚すくいはいつも失敗する
お椀に入れるまでの間
金魚は溶けてすぐに消えてしまう
金魚すくい屋のおじさんに
コツを聞いても曖昧で
金魚と思うからいけない
としかおしえてくれなくて
金魚を ....
母の筏に乗る子供を
クロールで追いかける
ときどき中州に立って
子供と手のひらを見せあう
中州を指差すと母は
あれはお父さんよとおしえている
また手のひらを見せあって二人笑う
筏が中州か ....
誰に気づかれることもなく
蟻が風呂の排水溝に吸い込まれていった
死んでしまったかと思われた蟻は
翌日水道の蛇口から金魚になってあらわれた
金魚鉢でしばらく飼われた金魚はある日
誰に気づかれる ....
プロポーズの日
私たちは海老フライバーガーを注文した
三分ほどお時間がかかりますが
そうお店の人が言って
後ろの方では段ボールの中から
冷凍の海老フライパティが取り出されていた
トレイの上 ....
一人暮らしの アパートに
大きな箱が とどいたよ
野菜 果物 地場産品
お米 お茶っ葉 お手紙と
意味不明なる ふるさとの
町の指定ゴミ袋
でも なによりも うれしいは
....
引けば開く扉は押します開かぬよう
開かずの間あの鍵はもう壊れてます
ねえあなたこの車窓の絵は買えないの
蜂の顔同級生の小林さん
生活感だけを散らかし夏の庭
引けば開く扉と ....
桜散りすでに秋の風たちぬ
にせもののあなたと過ごした月見草
朝顔のつるに巻かれし夏の園
脱皮した蝉のぬけがら捨てられず
キセルしてまでも行きたい終着駅
靴底に見つけた春の ....
通夜の式場に行くと
亡くなったそのひとが
よく来たね
と、待ってくれているような
気がしてくる
式を終えて会食していると
亡くなったそのひとが
まあ飲めや
と、ビールをついでくれそ ....
さよなら言わずに引っ越した
あの子のおうちのお庭には
たんぽぽみっつ咲いてるの
さよなら言わずにたんぽぽも
綿毛になってとんでくの
店内の
モーツアルトのBGMが
私の聴覚を虜にして
友人の言葉が耳に入らない
窓の外の
通りを歩く人々の営みが
私の視覚を虜にして
友人の顔が目に入らない
いま目の前にある
....
いろんなひとの
いろんな種類の
いろんな引力にひっぱられ
自分が自分でなくなってゆく
からだの底深く私は
コアに力をこめて
自分が自分であろうとする
恋をしているひとは
強い匂いを発している
ところが
恋をしているはずなのに
匂いを発しないひとも稀にいる
心のどこかに多少嘘があるとか
思った以上に相手に正直になれていないとか
....
友達になろうと言う前に
もう友達になってる
デートしようと言う前に
もうデートしてる
つきあおうと言う前に
もうつきあってる
セックスしようと言う前に
もうセックスしてる
....
それは夢ではなく
暗闇の中ひとりベッドの上で涙してる自分を
俯瞰から眺めてるデジャブ
突然ひらりとベッドの上から
蝶のように鏡台の前に舞い降りてみて
かみそりを手首にぴたりと当ててみるフ ....
山中 烏流さんの小川 葉さんおすすめリスト
(26)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
知らない街
-
小川 葉
自由詩
5
11-5-31
泣かない人
-
小川 葉
自由詩
2
09-5-30
わたしの時代
-
小川 葉
自由詩
3
09-3-22
ひとのきかん
-
小川 葉
自由詩
8*
09-1-29
足りないもの
-
小川 葉
自由詩
3
08-1-24
やさしいいいわけ
-
小川 葉
自由詩
6
07-9-4
扇風機
-
小川 葉
未詩・独白
5*
07-9-3
カーテン
-
小川 葉
自由詩
7
07-9-2
回想バス
-
小川 葉
自由詩
6*
07-7-16
声
-
小川 葉
自由詩
10
07-6-21
冷蔵庫
-
小川 葉
自由詩
6*
07-6-17
忘れ物
-
小川 葉
自由詩
4*
07-6-10
金魚すくい
-
小川 葉
自由詩
5*
07-6-10
日曜日
-
小川 葉
自由詩
6
07-6-5
蟻
-
小川 葉
自由詩
7
07-6-5
海老フライバーガー
-
小川 葉
自由詩
17*
07-6-3
ホームシック
-
小川 葉
自由詩
11*
07-5-12
夏の扉
-
小川 葉
俳句
4*
07-5-12
押し花
-
小川 葉
俳句
10*
07-5-7
通夜
-
小川 葉
自由詩
4*
07-5-3
たんぽぽの親子
-
小川 葉
自由詩
9*
07-5-3
シックスセンス
-
小川 葉
自由詩
2
07-5-1
惑星
-
小川 葉
自由詩
3
07-4-28
匂い
-
小川 葉
自由詩
8
07-4-26
言う前に
-
小川 葉
自由詩
5*
07-4-22
ブランコ
-
小川 葉
自由詩
3*
07-4-22
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する