見た目ほど大丈夫
人目ほど気にならない
垂れて来る液

家の中 浸る 潤う 赤い液

呼吸をするストロー
もし 塞がれたら

家の中 漂う 瞑る 黒い液

酔っているカクテル
 ....
はじめて春の木漏れ日をデッサンする人は
黒いスポーツキャップをかぶっている
背骨のひとつひとつが明瞭で
白い服をさらさらいわせ
にぎやかな空白に
筆をさしこむ

そしてパレットの虹は ....
遠くの雲が寄ってくる
僕はそいつに親しみを覚える

心の中の気まぐれな破天荒は
あの雲のように
高くなったり
低くなったり
見えなくなったり


目を細め、濃淡の薄まった視界の中で ....
とんこつラーメン屋のにおいが 
真昼の生ぬるい風に運ばれる 
新宿の雑踏を歩いていたら 
ポルノ映画館の看板下で 
自転車に乗ったおばちゃんが転んだ 

どうしていいかわからずに
ぼくは ....
鉛筆の一側面の上半分が
白く光を反射している
右目で見たときと左目で見たときでは
白い光の領域が違う
僕は透明な手を鉛筆へと伸ばすが
途中で疲れて手は霧消する
鉛筆が置かれてあることと
 ....
【序幕:東ヘ向カウ】
呼ばれた気がしたから
振り返る、
ソラミミ。
カイヅカイブキのうねるような影に怯えて、
足が竦んでしまったのです。
バスの接近知らせるランプが、
少女を酷く不 ....
春の海はやわらかい
海と空との
地平線は線ではなく
ぼんやりとしている

春の空はやさしい
山と空との
地平線は線ではなく
崩れた帯のよう

近くで波の音がする
何度も繰り返すも ....
札幌発・北斗星4号
B寝台で向かい合わせた
働き盛りの会社員の
聞こえそうで
聞こえない
独り言を呟く癖が
あまりに父に似ていたせいで
初めて上野に行くというのに
考えるのは父のことば ....
(高架下で)
雨が静止する、ノイズは、
細かい
画家は絵を描き、___
作曲科は音符を記し、___
詩人は、川岸、
意味を、安楽死させる___



 ....
ねえママ、あれが欲しいよ
いい子ね坊や、大人になったらなんだって手に入るわ
だから今は我慢しましょうね

僕はそんな風に
子ども時代をただ我慢することで
過ごしてきた
毎日毎 ....
空から見下ろされている
雲が駆け足で過ぎ去った

*

退屈な言葉は
左から右へと通過する

*

時計の針が動く瞬間
ひっそりと笑みを浮かべた

*

裏切られ ....
心配事の多い夜に
あなたがまつげを上に向けて
なにもない灰色を
そっとめくる


そらのうらがわには
てんごく なんてものはなかった
ただ
春めいたゆうやけがとろけていて
おも ....
  朝露の潤んだ瞳
  嘘ではないこの時を渡り

  遠浅の君の素振りに

  これまでの痛みを
  眠らせたかったあたし

  一花涙に浮び
  まとった波紋心の
  ....
海にむかって荒れた泥土の地だ
青々と
七月の草が茂りきっても
空には爽快な音を残し 
人が飛んでゆく

診療所の一軒も残さぬ海岸は
茫々と
ゴミだ何だが顔を覗かせ
日がな 風にばたば ....
粉を炊く
白地の布を展開する
酩酊による寒け
ナイロンを取り除く

世界を開いて
中身を注ぐ
錆び付いた綱
哀れな焔



あなたの身に余る幸福の
余った部分をください

 ....
この種の館には
白い服来た笑顔モドキや
大丈夫ですかあ〜の聴診器や
青筋立てて服従を強いる面背服従やらが
糞と小便の匂いの中に生息している。

その物の怪たちは
なにをどう勘違いしてるん ....
ルルリル リルラル リルルリ ダー/リリリリリ



排水ホースは予備練の頭上を徘徊している。



「人間は本来平等である」
これは、富の分配の不平等は平等なる個々人の努力の差 ....
藍色に染まっていく
わたしの目の前には
小さな蒲公英が
たくさん並んで
誰かが一つ一つ
ふみつぶしていく
その様が
おかしくて
笑ってしまった

深い所にある
重いトビラ
 ....
    くびする糸者
     冷れみて    児
かなさり住に
    おへよっておへよって
              らびが爺ね

東北新幹線の空洞を貫く抒情性を少しも吸収することが ....
いろんなひとの
いろんな種類の
いろんな引力にひっぱられ
自分が自分でなくなってゆく
からだの底深く私は
コアに力をこめて
自分が自分であろうとする
トライアングルの音
角で音を出す。
ミュートをかける
カチカチチーン!

体力がなくなった。
ゆっくりと体を休め
いねむりをする
紙飛行機が飛んでゆく

らんらんらん
猫が来た
 ....
晴れて晴れてそよ風かよふ我が小庭桜桃の実の熟れてけるかな 奇跡を実験することにより
首が長すぎるシマウマと
首が短すぎるキリンが宇宙にやってきた

昔から彼らは争うことをしない
シマウマは地面に生える植物を
キリンは木に生える植物を
ゆとりを望 ....
水底にそっと触れると感情線が走っていて
僕の過去は沈むたびに息継ぎをしている
腫瘍のような実を実らせてる昼間の空気

(そうですか、から会話は始まって)

何も無いという事を研究し ....
母が縄跳びをしている
僕はしゃがんで回数を数えている
あんなに腰が痛い
と言っていたのに
背筋をピンと伸ばして
交差跳び、綾跳び、二重跳び
次々ときれいに跳んでみせる
既に数は百回を超え ....
こころは、
ころころしたいので、
いまからころころしますけれども、
ここでころころしても、
いいですか。
ころろ、
ころがったりもするので、
ころころもあもあ ....
そこは悲しみが悲しみのまま降る場所だったので、
あたしはあたしでしかなかったので、
猫を連れてきたのは正解でした。

ぬるすぎる水の底
金魚たちは丸くなって溜息を吐いています。
落と ....
生まれたとき僕らは一人残らず
目玉の手術を受ける

僕らは始め誰も目を持っていない
昔の人にはあったんだ
だけどそれは真実を見出すことさえできなかったから
そのうち退化しちまった

だ ....
玄関のドアを開くと 
家族の靴にまぎれ
老人の下駄がふたつ 
並んでいた 

あたりを照らす
天上の 
{ルビ仄=ほの}かな灯り

下駄箱の上に
立て掛けられた 
一枚の絵 
 ....
ベストオブにんじん色に選ばれた

「おめでとうございます!!!
あなたは、ベストオブにんじん色に選ばれました!!!」

という電話がかかってきたから間違いはない

学校へ行くと友達が
 ....
山中 烏流さんのおすすめリスト(1126)
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ベストオブにんじん色- ふるる自由詩24*07-4-28

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