回り切ったレコードが
すっと静寂を引き戻すと
窓ガラスに雨粒がぱらぱらと落ちている

照明の橙と
電気スタンドの白い光が
紅茶の湯気を溶かして
訪れる
こんな日はいつも

秋の雨は ....
 僅かに温度を孕んだ
 透明な呼吸に
 母となることを、期待するのは
 何故だろうか。


  夏中わたしの居場所はここです
  夜が手向けられた海
  昼間の喧騒から解かれ
  鼓 ....
そらの ところどころに
きずをいやした あとがみえる
ひとは ほんとうは
ずっとむかしに みちを
おえているのかも しれないな 


今朝から眼鏡の手入れをしている
透き通ったリンゴが
近づいては離れていった

明日から得た切符は
どことなく頼りなく
手元で伏せる

汽車に乗る
時間が乗客
会話が聞こえ ....
  ヘンリー 私の膝の上でお眠り
  窓辺に当たる雨の音を聞きながら
  
  時々は 可愛い耳をぴくんとさせて
  解った振りをしてくれれば いい

  ひとり言を 話すから

 ....
こころは今、穏やか
あの頃にみた
夏の坂道で
一斉に立ち昇る綿毛

花が行く、
歩き急がないで
だけど抑えられないのは
高揚
澄んだ青に
フォルテを描く

ステップを踏む、つま ....
プラットホームに無数に付けられた
チューインガムの黒点が
未熟な夏の気温を
幾分か下げている気さえして
ぎんいろの屋根に逃げ込む

そこから視界に飛び込む紫陽花の
無防備な一片は
まだ ....
地球が背伸びをした
夢の中から目覚めて

(いつになったら
孤独は消えるのだろう)

そんなことを考えていた

夢で見た
木星との
失恋を思い出していた

悲しかった
こんな ....
まどろみを さめたり もぐったり

白日の 季節の かいなの なか

体力は うばわれ

けだるさに 眠って

窓を 吹いて くる

れもんの 風との トランスファー  ....
  一 「ミッシング・ピース」

手渡されたたった一枚の
欠けた切符のように
行き先でもなく
日付でもなく
空白のはずなのに
それ以上に大切なものを
どこかに忘れたまま
 ....
はじめての深呼吸は
君に会えない夜に
街灯にうかれた虫たちを
見上げる時の角度で

  波を見上げる魚でもない
  雲を抜き去る鳥でもない

手に入れた感情の
空虚な その熱さ
埋 ....
雨が地面をいじめて
僕は大声で叱ってみるものの
すでに蒼の世界
綺麗過ぎて僕は
おじけづく

ペットボトルが
汗をかきはじめたら
いつのまにやら
すでに雨は幻

(儚いね)

 ....
近頃やたらと
涙もろくなっちゃった
なんでかな

自宅で映画の予告編を眺めていても
気がつくと
ぽろぽろしている
自分に気付く

やっと梅雨入りしたんだってね

紫陽花は
お隣 ....
振り返ったら
影法師しか
あなたの名残は落ちていなかった


雷雨が滑りこむ昼下がり

四角い白い箱の中
些細なことで
笑う
二匹の赤い鈴
あの日
パスタの蝶々結びが
{ ....
*
タキオンが像を結び
無数のクラゲが空から
淡い光を放つ

*
どこまでも歩いていっても元に戻ってしまう
三畳間の宇宙に

*
生まれてから白痴に至る世界

*
笛を吹いて ....
自動車の後を
忘れ物が追いかけている
財布のようである
その財布の後を
忘れ物が追いかけている
免許証のようである
その免許証の後を
忘れ物が追いかけている
顔写真のようである
その ....
 
採石場の跡地を
ヒトコブラクダが
ゆっくり歩く
かわいそうな気がして
コブをもうひとつ
描き足してあげた
耳の奥を覗くと
夜が明けるところだったので
慌てて帳面を閉じた
 
裏通りに 傾いた陽が落ちてくる頃
放課後の声たちが 初夏の帯にのって
泳いでくる
バギーの乗客を覗いて
ほんのり口角を上げて
青いランドセルが追い越してゆく
まだかたそうなランドセル
さ ....
越えると海があり
越えると
またひとつ海がある
踏みしめた
指のはざまの
銀色


風の来る方へ
息を吐き
風を吸い
空洞の
奥の奥を
のぞきこまれることに戸惑う
 ....
苦しいとき
なぜか
いつも上り坂があった
何でこんなときにと
腹が立ったけれど
その坂を上らなければ
目的の場所には行けないので
上るしかなかった

上り始めると
思っていたよりは ....
システム関連スレ3
[101]片野晃司[2007 06/06 07:15] 
>ユーザー番号、ハンドル名
>文書番号、投稿者のユーザー番号、投稿日、タイトル
>ポイントを与え ....
金魚すくいはいつも失敗する
お椀に入れるまでの間
金魚は溶けてすぐに消えてしまう
金魚すくい屋のおじさんに
コツを聞いても曖昧で
金魚と思うからいけない
としかおしえてくれなくて
金魚を ....
 目を閉じた
 これを暗いというのか
 はたまた白いというのか
 自分にはどちらでもいい
 見えるのだ
 この目が


 何気なく人間は手を動かせられる
 何気なく呼吸し
 何 ....
絵本を読んでいました
それはとても悲しいお話でした

私は涙を流して
それは絵本の一ページに落ちました

その涙が乾くまで
私はそのページをずっと眺めていました

そのペ ....
お母さん
お父さん
僕はもうハイライトを吸っても咽なくなりました
きっと僕の肺は真っ黒でしょう
それでもお母さん
お父さん
僕は乳癌になったりしないんだ
だから僕が好きになる女の子は乳癌 ....
みち子さん 私は忘れない
あなたの白無垢が 石炭色に染まった日を

あの日 あなたは
彼といっしょに 旭岳のてっぺんに たどりつき
おにぎりを広げたときよりも
もっと高い山の頂にいた

 ....
ぎんいろの折り紙で
鶴を折る

ぎんいろ
それは
わたし自身を惑わす窓辺の色合い

ぎんいろの街で
あなたとの足跡を探してしまう
例え人違いだったとしても
あなたに良く似た後姿に
 ....


昨夜、
夢の中で
君と違う女を抱いていた
顔も知らない
名前もない女だった

気が付いた時には
腰を振っていて
目の前の女体に
魅了されながら
欲望と官能に溺れ
悦楽と ....
この地球には
捨てるものなど
何一つとしてありません
あなたたち動物の排泄物も
やがては花となり
実となるのです

まだ使えるものなのに
物を捨てさせなければ
物を作り出せない
そ ....
   〜第3部〜 

   ここで僕が朗読させていただきました。 

   昨夜は僕の職場の老人ホームでボランティアをしている 
   親子さんが来ていたので、老人ホームネタの 
 ....
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