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もうひとりには戻れない この背中の温かさを知った後では
ガラス窓に映るわたしに寄り添い、最後の日が終わろうとしてる。
本当は誰でもいいの わたしの手を引いて逃げてくれるひとなら
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ふるさとの母の手縫いのつるし雛 幾とせもの春のせてゆれてる
桃かじる 熟すたびに 苦くなる 重ね重ねた 年齢の味
かくしごと 二人だけの 笑顔だよ あの子にちょっと 分けてしまったけど
☆いつまでも飾るお雛様
独身の 理由を母に 転嫁する
「おさめないで」と雛{ルビ愛=め}でた春
☆おさななじみの雛祭り
ひなあられ 「おには ....
見てみろや 踊るボニータ ディアブロが 肉削ぐ糸で 操ってやがる
てくてくと指先のぼるてんとう虫、よそ見してる間にどこか飛んでった
樹皮の裡に青年さらに蝉しぐれ少年が行く地球回しつ
少年の消えた浜辺の波がしら寄せ来て浚う貝の墓さえ
頁繰る老眼鏡の横顔はツェペリンさえも侘びて聞かしむ
変なひと影は満腹うつせみの君も君もだチ ....
雪だるま保存してある冷凍庫ペンギン国の入り口として
血に濡れた 人差し指を 筆に変え 夕陽を浴びて 樹をなぞる姉
山頂に登れば見える恋の色星の光と混ざり合う愛
梅雨入りし届く葉書を湿らせて滲む言葉に哀しみ宿る
一言も話そうとしない今日の君香水だけが何かを話す
夢の中離婚のことで話し合う浮気相手の ....
気の抜けたとんびが空をとんでいる。コペルニクスに会いにいこうか
我先にと群がる群れより遠ざかり自分ばかりを見る私
土曜日の夜明け切らぬ電車はバラバラな人達を乗せひた走る
上りは楽しみを乗せ下りは疲れを乗せ日曜日は過ぎ行く
....
銀の雨、初めて君を知ってから37℃微熱のくちびる
青い空 桜の花が 舞躍り 君への手紙 引出しの中
靴箱に 生徒は想い 詰め込んで ポストみたいと 靴は笑った
悲しみをすえ、そうじきよ。ぞうさんの長いおはなも彼に届かぬ
{引用=
夢をみた 睫毛の先にころがる雨を、桃色キリンがぺろりと舐めてた
ぼくきっと、みんなに愛してほしいです。だから眠るの。 青いパンダ
いつだって誰かを睨んでいなけれ ....
メール待つ そんなささいなことだけど 会えない時間埋まっていくの
コーヒーを飲んで息つくときにだけ 会いたい気持ちにやさしくなれる
会えないと言うならどうして夜の真ん中 会い ....
クレパスのさくら色だけ短くて買いたしにいく春の自転車
窓の外 ぐるり見渡し 水浸し 街を沈めよ 雪解けの水
外の街 人の差す傘 並び替え 空に届けよ 赤青黄色
街の空 雲の谷間に 春の色 赤に染まるよ つないだ手と手
空の赤 視界を覆う ....
{ルビ鬱人=うつびと}の 命の水を くみ上げて {ルビ六花=ゆき}を咲かせる 水銀の空
{引用=
好きです、と 迷って言ったら「知ってる」と答えるあなたがやっぱり好きです。
おやすみ、と あなたに言われるそれだけで うまく眠れる人になりたい。
傷付けたい。 そん ....
冬空をひこうき雲はまっすぐに。どこまでもゆく、どこまでもゆけ。
よび戻せ バケツかぶせた 雪だるま 凸凹埋めず 離れた二人
やわらかな光をたばね菜をゆらす瞳に春を住まわせた人
あのこはね、きれいなはなびら はなびらはちょうちょ ちょうちょはきまぐれなはな
夢に見たラーメンほおばりきみ想う 夢にまでみた二人の朝日
{引用=
絵具を溶く指から香るあなたの匂い。だから時々描けなくなるの。
滲み出す画面の先に春があって たまらなくなるから青色を塗ろう
大好きなふたつのものを区別する、わたしの ....
あの空はきっと誰にも描けない{ルビ薄紫=うすむらさき}のグラデーション
白き花 グラジオラスに 魅せられて ひろがる心 おさなごのよに
いつだって留守電のままの息子たち声が聴けない寂しさは闇
バス降りる園児の声がよく響く日本の未来君らに託す
牡蠣フライフワッと揚がる瞬間に別れを告げたあなたを捨てた
赤い薔薇悪いイメー ....
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