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ひとりより ふたりのあさが あったのに ふたりのほうが こどくだなんて
秋晴れが 心の隅まで 照らし出す なにもない部屋 太陽のにおい
降り止まぬ 秋の長雨 涙との 果てないときは いつ尽 ....
生ハムのあぶらのようにこびりつく濁る合図とするどい刃物
明日にはしなびる青の予感抱き ちんげんさいとふたりでキッチン
百万の蛙と同じ数だけの忍者がいると思えば楽しい
この夜の全ての書肆の灯りをも狂って吹き消す風のいじわる
大輪のひまわり折れているばかりこの世の息をあの世でも吸え
舞殿で無心におどる鬼 ....
黒髪の細さで結ぶ約束を、交わした朝はいっそう綺麗
秋の背にさしのべられた手のひらの、影のあやとり、きみの遠さよ
三角の星座みたいに膝をおる、夜に流れた祈りのほうへ
八時九時十時になつても帰らない我が家の猫は時計を持たぬ
壊されたサドルに跨り坂下る秋晴れの下死相が出てゐる
カーテンの陰に隠れたゴブリンを一度見たと云ふのんきな妹
口の中飴転がしては運命の出会ひを望むチェルシーの男
清涼なりし秋の太陽平らかに川の流れは澄み増して
水の晶(あきら)のただ中に 木の葉涛々(とうとう) 川流れ 枯れ野枯れ野へ
秋の木立の穏やかに辺り渡りし 風姿(かざすがた ....
出鱈目で意味も不明でハイファイさ
夢でキスして蹴飛ばすラジオ
意地悪な従姉がくるよ日曜日
すぐに逃げたい宇宙旅行へ
淋しげなコラージュセンス武器にして
カウボーイたち家を出るのさ
....
汗かいてタオルで拭う夏の午後冷たい雨は三日後に降る
何回も溶けあうように抱き合って生まれる前の情報覗く
潮風と季節風との戦いは白黒つかず無色透明
雑草は自由気ままに背を伸ばす知 ....
このまちのアンテナどもはみな同じ方向向いて笑つてゐるよ
普通の女の子の日常を見て 熱いお茶を飲んだ 優しい気持ちになれる。
陰口なら知らずに生きる。私は正直者として生きたいのだ。
涙は悲しみを反芻させる。やめよう、愛するものの死では無いから。
あなたとの 糸繋ごうと
ついた嘘
重ねて濡れる 唇の艶
薄暗き実験室の窓枠にシンボルひとつ干されていたり
短歌について
http://miya-miya.at.webry.info/201109/article_9.html
生き埋めにされた兄が云ふこの世はハッピー ハッピーマンデー マネーマネー
その人の青の時代か腕の傷刑務所見えしときにさすりて
食膳にのぼりしレモン絞りつつ思い出す梶井基次郎の
ワイヤーを握り食い込む手の指に鬱血するを見ている夕べ
四歳の時に生まれし妹よセー ....
さりげなく倒れてゐるそこの男に春の長雨くれてやらう
今月のソープオペラ楽しみにハヤシライスの鍋かき混ぜる
道の向かうからトボけた顔の男現れて胡散臭ひ奴めと花火投げつけられる
プランテーションの無意味さ知るや否や彼は農園に火を放つた
....
痛い痛い雨がやんだら堅い床踏みつける指すこし緑の
眠る人の横で研いでるさみしい女の匂いや色や言葉や
夜はまだ明るすぎるし広すぎる体が重くて朝を見れない
優しさのはりつく頬を撫でた ....
独立の叫びこだまするソカロにて遠くへ去りし貴女を想う
亡骸の傍を通り過ぎる時人の命の儚さを知る
名も知らぬサボテンを我が落ちぶれた姿に重ね砂漠を過ぎる
月面に跳んで行きたい僕だけど決して現實逃避ぢやないんだよ
窓際に佇んでゐる猫がゐる月を見てゐるのか月に見られてゐるのか
血の通った肉体で走る 幼い頃の私にならない為に 危機から走る。
うんと薄くつくったカルピスは母のワンピースに似て少しかなしい
原爆が落とされた日は遠くても被爆者にとっては近過ぎる事実
今もまだ震災の傷癒えなくてひときわ光る復興への愛
春過ぎて何も知らない通学路柳の下に制服の待つ
まぼろしの夕立にまた軒を借り二本の傘を携えて待つ
図書館の掲示と地方紙の弔事また絨毯の赤は褪せきる
雪に黙りマッチで煙草に火をつけてマフ ....
熟れすぎた花がはじけるとろとろと下着をつけない肌のあいだに
砂浜は背につめたく体温は胸にあつくってどこへもゆけない
こんな日に果実が海に生るなんて 咲かせばすぐに摘み取る指に
その娘
花いちもんめ
....
太ももを豪快に吸う蚊はいずこ せめて生んでね玉のよな子を
涙なみだ花のつぼみを押し抱きながれるままの失語の春の
ほしいまま虚空をすべる鳥にこそつばさに適う言葉も持たず
指さきを染める苺のいじらしさキスするほどのかわいい夢を
見残 ....
溶けきれぬ不快たゆたう口腔の 言の葉砕く闇のオヴラート
一弦を弾いて吐き出す吐瀉物を掻き集めては咀嚼している
紡いでいる業のかたまり積年のコットンキャンディてらいて七色
空めがけ有刺 ....
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