ウィリアム・テルがリンゴ落っことした
息子の頭にのせようとした
リンゴ落っことした
子供の髪の毛は柔らかいからね
ツルッとすべったのでしょう
でもそれじゃあ、勝負にならん
・・・つ ....
大きな円を描いて
ゆっくりとゆっくりと
海沿いの風車
丘の上から
当たり前にそこにある日々とか
ここで今に生きてることとか
海に臨んで
やわらかい強風に
回転している
....
女は家庭に入るのが幸せ
と語るハナコさんは
コブラを殺せる
名前に因んでか、草花が大好き
洗濯が終わったら
いつくしんで育てた
色とりどりの花たちに
水をやるのが日課
庭を掃いたら ....
手足があったらヘビだって
歩いていたに違いない
晴れた日には日傘のひとつでも差してさ
そうだね、父さん
だからまだ
どこかで生きてて
波間に夢を見る
ふと揺られていた
気がつくと電車などに乗ってしまっていて
しかも田舎の単線の三両編制で
左手には木々が広がり
進行方向右の窓のそばで
ぼんやりと外を見てると
すぐ ....
ピンポン球の
はねる理由を
知りたくて
開いてみたら
からっぽだった
どこかで
見かけませんでしたか
気がつくと きみは
魚になってしまっていたので
ずっと
きみを知っていたのに
はじめて見たような気さえした
望遠鏡をのぞくと いつも
波がよせては砕け
飛び散る
セロハ ....
ごめんなさい
あなたは、
夕方になったのに、
まだシャッターを降ろしていなかったの
ですね
わたしのシャッターは
とっくに降りていて、
だから、
まだシャッターを
降ろし ....
自分を忘れるほど
君する夜
遠いのです
東京タワー
今夜も綺麗に咲いていますか?
僕は都会が怖いので
蟻をプツプツと潰しています
これ以上苦くならない為に
部屋が散らかっているので
....
この街は地図に載っているのに
どうして迷ってしまうんだろう
いつも見る夢のイメージで
飛び越えてみようとしたけれど
上手くいかないものだね
今日と明日の境界線は
思いのほか広い
....
使いが来たら
病院へ行くことになってた
アル中のあなたが
最後に入院した病院へ
肝硬変
だけ
じゃ
ないみたい
だね
いろんなこと教えてくれた
年上のひと
体に心に
消 ....
[あ]
明日は晴れますと断言する少女と、一概にこうとは言い切れない少女とが、嘘が上手すぎて悩み方を忘れてしまった少女の、絵になって仕方ない少女なので、大きな木の下で哀れなオレンジに照らされている少女 ....
水びたしの指で
コンセントに差しこもうとした
叱られた
しらない世界はいっぱいある
目のまえのオーブンの火照りもしらない
けれど追いかけたりしない
食パンにまかせて
いいとおもう
....
ほっぽっておいた
あしたのこととか
あなたのこととか
そのうち
おおきな
しっぺがえしが
くるかもね
いいの
いいんだって
ゆずりあってるうちに
わかり ....
どうでもいいことの流れ着く浜辺で
どうでもいい流木に
どうでもいい曲線に
どうでもいい女のことを思い出す
浜辺で出会ったどうでもいい女が
どうでもいい空き瓶の中で
どうでもいい手紙を ....
今から
向かいます。
と
彼方からの発信を受けて
待ちきれずに
窓枠から
片目をのぞかせる
目の中に飛び込んできたのは
方向音痴の雨粒だけだった
そういえば
....
わたしの
きもちは
すぐなえて
さびしくなって
かなしくなってしまう
じょうちょ
ふあんてい
ぐらり ぐらり
あなたにゆれて
かたむきながら
まえしか
....
ひろびろとした
大学の教室の
誰もいない
こと
たしかめて
侵入した
空調は消されていた七月の
ブラインダーの降りた
その場所で
母の作った弁当を
箸の音
なるべく立てず ....
手長
正面
肩
つかまって
足は
変わらない長さ
くるぶしに恥
親指は
爪
かぶってる
上へ
顔
ほほに重み
まるいところ
まるいところ
こちらもあんしん
鼻に穴
....
くだらない男が鎌をかける
私の薄い笑みは
その通りの意味
別の女に声をかけても
あなたのくだらなさが増すだけ
私は
風を纏う
なびく髪は
そのうち ....
顔に
魅かれました
あなたの顔。
あなたは
二つも 三つも
三つも 四つも
もしかすると
四つも 五つも
顔を持っている
そんなところに。
わた ....
ずいぶん
ながいときがすぎたが
きょう、やっと
ふたりは
わずか五ミリほどの
ラビリンスを
うんだ。
ちいさな
コンクリートのすいそうで
ちゅうにうきながら
まようことしかしら ....
ホースを部屋に引いて
蛇口をひねるよう指示したら
部屋の中か水浸しになったが
わたしにはそれが
どういうことかわからなかった
その日から
大きな穴や小さな穴が
空からぽたぽた降ってくる
気をつけていた
時々空を眺めては
ふと気を抜いた瞬間
まんまと私ははまってしまった
受話器を置いた直後のことだった
....
千人の戦士が
私の靴の下で戦っている
靴底と地面の隙間で
しがない主を護るために
千人の戦士が
戦い敗れ 斃れ
最後の一人までが消失した時
私の歩く道が途絶える
前に進めず ....
おともだちとお茶
いいかげんなわたしは
話し相手に
いいらしい
少し欠けた茶碗は
お気に入りのブルー
だから
捨てないで
使ってる
天気の良い日は
遠くへなんて行かないで
....
艦を降りた
降りてから数週間が経って、僕は何も変わらない
ホッと出来た反面、逃げ出したかのような
背中の角度が、そんな居心地の悪さを証明している
不必要なほどに、窮屈に歪んだ作業服の皺
綺麗 ....
郵便屋が大きな声で歌いながら
手紙を一通
白いペンキのはげかかった郵便受けに
置いていった
さっきのは春の歌だったなあ
と思いながら
熱い夏の太陽の下
僕は草をむしり続けた
....
ねこおやじは
ねこのおやじ
言い換えると
ねこの父
いつも涼しいところで
目をつぶってる
ねこおやじは
エライ
妙に情を
かけたりしない
常に
クール
....
勉強しなくちゃならない
それは私が挑戦すると決めたから
でも勉強どころか新聞もテレビも見てなくて
世の中のことが何もわからなくなっていた
本当は
ゆっくり部屋を掃除したり
お料理し ....
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