ところであなたは
どちらにお住まいですか

たずねると
その人は、
ビー玉沿線ですよ。
とだけ言って
ころころ笑った
笑いながら
ころころすれ違って
ふり返ったときには
もう
 ....
てのひらにドアを取り付けた
白くてとても素敵なドアなので
一度遊びに来てください
と、旧い知り合い数人に手紙を出した
一通が宛先不明で戻り
それより早く金を返せ、という返事が来た以外は
い ....
天窓からのながめが
この世のすべてだとしたら
世界はキャラメルだ。

でこもぼこもなく
のっぺらぼうにつづく地面には
ただただ
マス目だけがのっかっていて
人々は暇をもてあますとそこで ....
「奥さん」
と呼ばれて振り向いた
そこにはオウムがいた
オウムはオウムスタンドに
鎖で繋がれて
にこにこ笑っている
「なあに」
とわたしは答える
オウムは首をかしげ
「こんにちは」
 ....
待ち合わせの時間まで
僕は地下街の書店で時間を潰すことにした
詩集のコーナーで数少ない詩集を二、三冊めくってみたが
どれもこれもピンとこなくて他のコーナーにある書籍も
黙りこくったまま ....
くるくるくるくるくるくる
と、地球儀をまわして

えい、ここだ。
と、シャープペンシルの
先っぽで
刺す

刺さった国へ、あさって出発
ってゲーム


やだよ。
そこ、ヤバイ ....
空き缶を蹴飛ばしたら、僕だった
残っていた中身が飛び散った、僕だった
野良犬が怒り狂って追ってきた、僕だった


慌てて電柱によじのぼって見回した


空き缶は車に潰されてぺちゃんこで ....
ミシンがあれば
何枚もの布を繋げる

ただそのような作業を
無心に延々続けていたい

すきな色の糸を買おう
下糸を巻こう

すすめすすめ
布地の野原


 かつて
 好んで ....
重く湿ったセーターを
ぐずぐずとネットに干して
今日は
おしまい
          
あとはすべて
わたしの時間だ
思い出さなくてもいいことに
帰れる時間
          
 ....
朝、目をさましたら地球儀の上でした
当然ですが、びっくりしました
あんまりびっくりしたので
枕元のメガネをさがしあてるのに
2分40秒もかかってしまいました
頭の上のあたりを
何度も何度も ....
星を数え歩けば
南にほらカラス座
大都会の空では
道しるべにならない
小さすぎる星たち
六と四のリズムは
かるくかるくはかなく
星屑よりちいさく
きらきらきらさらりと
流れて去るうた ....
気がつくと
見知らぬ部屋に、彼は立っていた

窓から吹き込む夜風に
カーテンはふくらんでいた

鏡に顔を映すと彼は
ふと 自分を
のっぺらぼうにしたい衝動に駆られた

ポケット ....
せかいのきを 
みつめていると
ああ おおきいね

だれにも
かぞえられないほど
えだわかれして
たいへんだね

ひとつひとつのえだに
はっぱがついて
あったかいね

ねもと ....
登校拒否をしようとしたのに
何年も前に卒業していたことを思い出した

しかたないので出社拒否をしようとしたら
数ヶ月前に退職していたことを思い出した

やけになって生きることを拒否しようと ....
夜中、目がさめて階下に降りると
君が僕を積み上げていた

たどたどしい手つきで慎重に積み上げ
途中で崩れると
ふうとため息をついてまたやり直す
時々どこか気に入らないようで
何か ....
ふりかぶって

いっしょうけんめい なげたものは

とどかず

こいしを ほうるように

なにげなく なげた

そんなものだけが

とどきます

ふしぎですね
今日、拾ったんだ

あの川の輝くあたりで

あの空の疼くあたりで

あの山の轟くあたりで

幾つかの種を拾ったんだ



今日、種を植えたんだ

この氷のような胸に

 ....
{引用=春のうららの ふあら ふわら

雪 かしら?
どこかしら 届く ぬくもり

ふあら ふわら

おひさまに 気づかれないように
かくれんぼ してた のに

みつかっちゃっ た ....
おめでとう
あなたは三億だか五億だかの精子から
たったひとつ生き延びた
毎月トイレに流れてゆく卵子から
たったひとつ生き延びた
なんて運がいいのおめでとう
私も運がよかったのだけれど
あ ....
あけましておめでとう
そして僕たちはそのように死んでいく
あけましておめでとう
死んでいくのではなく殺されていくのだおそらくは
お互いに
殺されあいながら
あけましておめでとう
生き ....
料理を注文する君の声が
空気の振動のような透明さで店内に響く
放っておくと月明かりしか入ってきませんから
と、ウェイターがカーテンを閉めていく
中央のテーブルでは座高の高い男が
大声でメ ....
おばぁさま おばぁさま お花が咲いておりますの
のんのんさまの おひざもと
のんの のの花 咲いて おりますの

おそばに おられましょうか?
                   ソンナコ ト アッタ?
                       −− 入沢康夫

きょう外へ出かけたら
道でばったり十数年ぶりで
なつかしい人に会 ....
鍵を なくしました

鍵 という言葉と 

なくした という言葉が

うずまいて うずまいて 

とりかえしつかなくて

必死でさがしましたが

ありません


仕方ない ....
「なかったことにしよう」
と言われて
黙って頷いた
そうかぁなかったことかぁと
帰り道電車の中
何度も何度も考えた
とても疲れていたので
座りたかったけど
井の頭線は混んでいて
つり ....
欲しいものがなくなって
安心していたはずだった
欲しいものがあるのは苦しいから
手に入らないものは何もかも
あきらめた
はずだった
それなのに

欲しいものができた
それは秘密だ
疲れた人の
ことばは
ステレオタイプに
なっていく

そこにいることは
辛いだろうに
と想い
同情に
かわらないところ

ピアノと
黒鍵は
二人だけの話を
している

 ....
かつて
わたくしは
花、だったのですよ
よろしければ
咲いてみせましょうか


言うと
水、のようなそのおかたは
しなしなとゆびを左右に
ゆらして
ていねいに
それをこばむ
 ....
憧憬と書いて
どうけいと読むのだと思っていた
でも
しょうけいとも読むらしい
しょうけいのほうがかっこいい

とおもったのは
本多勝一の『憧憬のヒマラヤ』を読んだときで
ええと
わた ....
娘は将来アイス屋になりたいと言う
好物のアイスを好きなだけ食べられるから
ではなくて
沢山の人を幸せにしたいからだそうだ

いっしょにお風呂に入ると必ずその話題になって
バニラ ....
アンテさんのおすすめリスト(588)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ビー玉沿線- 望月 ゆ ...自由詩14*05-1-22
記憶- たもつ自由詩1405-1-21
キャラメルの日- 望月 ゆ ...自由詩5*05-1-19
オウム- チアーヌ自由詩805-1-15
身辺雑記より(九)- たもつ自由詩1605-1-11
地球儀(Ⅱ)- 望月 ゆ ...自由詩3*05-1-11
僕だった- ベンジャ ...自由詩13*05-1-11
冬眠ミシン- 蒼木りん未詩・独白5*05-1-11
夜のソファー- umineko自由詩305-1-11
地球儀- 望月 ゆ ...自由詩5*05-1-10
六四の唄- 佐々宝砂未詩・独白3*05-1-10
ましろいかお- 服部 剛自由詩7*05-1-9
世界樹- こむ自由詩8*05-1-8
拒否する- ベンジャ ...自由詩9*05-1-6
身辺雑記より(七)- たもつ自由詩2205-1-4
ふしぎ- こむ未詩・独白5*05-1-3
人間の種- Tsu-Yo自由詩405-1-2
ふあら_ふわら- ひより未詩・独白16*05-1-2
春風献上- 佐々宝砂自由詩605-1-2
2005.1.1- いとう未詩・独白3505-1-1
身辺雑記より(六)- たもつ自由詩1004-12-29
のんのん_のんの_ののさま- ひより未詩・独白8*04-12-28
なんせんす・さいザンす- 大村 浩 ...自由詩10*04-12-24
- こむ自由詩6*04-12-23
なかったこと- チアーヌ自由詩1304-12-21
秘密- チアーヌ自由詩604-12-20
_- kokorono未詩・独白204-12-17
刹那い- 望月 ゆ ...自由詩1104-12-16
しょうけいのひまらや- 佐々宝砂自由詩304-12-12
十階の家族- たもつ自由詩100+04-12-11

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