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埒もない想いに身を委ねてしまうのは
この季節特有の気紛れと
触れて欲しい
昨日までのわたしを脱ぎ捨てた
わたしのこころに
この瞬間に生まれ変わった
わたしの素肌に
季節は夏
....
夏の終わり、堤防の匂いが心地よく
僕らはまた夜を掻き混ぜるのです
僕の腕を引く君の手が少し、緩んで
近眼の僕の視界には唇
「好きです」
十号玉が一斉に横顔を照らして ....
ムーミームーをポケットに入れて、
雨の街を散歩する。
ムーミームーは雨の子だから、
ポケットの中は大騒ぎ。
雨が、
ぴちょりと歌うたび、
ムーミームーも歌い ....
私達は実に多くの物に触れていた
いや、どこか語りに欠けるものがある
触れていて
生という得体の知れない獣に
愛情の紅さを見ていたのだろう
血色の涙が呼吸となる
焔の雨
....
むー。
と、
音がして
電車がホームに入る
それは声ではなく
乗客の
希望と不安と
そして無関心が
いりまじった
心の音
今朝の
むー。
は、
1オクターブ
高かった
2007/06/20
さて今日は、
この辺でお開きと致しましょうと
缶蹴りをしたつもりの鰹節の鉋に蓋をして
戸棚に収めてニルバーナー過程に入り ....
いっそ
世界の銃口から
俺の言葉が
ポム、と
発射されればいい
くだらなさ過ぎて
みんな戦いを辞めるだろう
もうじき月の季節が来る
あの夏の日が
いつまでも続くと思っていた
僕は
僕はきっと
もうじき月の季節が来る
提灯に映し出された影が
君の幻に見える
しゅわわと炭酸が放たれて
毛穴から上昇してゆく
からだの中にあったCO2は
静脈の網目をくぐりぬけ
ちいさな竜巻をおこしはじめる
炭酸の泡がプチプチとはじける音は
徐々に大きく体に ....
靴をぬぎすてて
乾いた道を疲れるまで
進んできた
僕は裸足が好きだ。
裸足で土を踏みしめるのが
好きだ。
ときどきうめき声をあげさせられる、
そのふいの痛みが、なにか重大なことのレッスン ....
みんな死んじまえと考えるのは普通。
実際に人を殺したら異常。
いいことしてたら褒められた。
悪いことなんてしたくなくなった。
悪いことしてたら気分が晴れた。
いいことなんてしたくなく ....
欠落を隠すのは、詩人に非ず
じっとしているそこのあなたよ、
ひとしきり震えた後、その後悔を夜の海に葬り去れ
去れ!
月明かりの美しい夜に、深い幻を作り出せ
流れはじめた後悔は、どこへ流れ ....
これは
その日もまた風の吹く日で
風の吹く日の桟橋は弾んだ
黒い深い雲は西へと進み
それでいて天上から尽きる事はなかった
赤銅色の鉄板が跳ね上がる
同色の鎖は少しも流れていかないように ....
風たちの流れは
水のさなかにある
空の両手を
もうじき雨は
こぼれ落ちるから
だれもが海に
いだかれ
癒える
困惑のためのすべを
探していたのかも知れない ....
書庫の扉を開ける
水の中になってる
たぶん海なのだと思う
昨日まで資料や本の類だったものが
魚みたいに泳ぎ回っている
手を伸ばして一冊つかまえる
ページを開くようにお腹を指で裂くと
文字 ....
猫が寝ているときの時間はへりくだるおっさんのまつげよりも儚い
お外の天気の話
ちゃんとしたいなーとかビール飲みながらファッションパンクのとさかを蹴り飛ばして
蹴り飛ばしたら非常に良いな
とって ....
よく見る夢の中で
会ったこともない自分が
苦い微笑を湛えて
母親のようにやさしく
手を振っているのが
そのまま来いということなのか
戻ってやりなおせということなのか
遠くてよく見えないの ....
間違いだったね
君達はロマネコンティ69なんてぬかす奴を
聖人だと言っている
俺はてっきり知ってての事かと思っていたよ
だから君達にはもうがっかりだよ
5円あげ ....
足元にはあんぱんのゴマが散らばって、
ガラス越しの地下街は盆ちょうちんのように繰り返されて、
繰り返されて、
加減の利かない照明と、
可でも不可でもない音楽と、
安穏とした空気の ....
木陰の雨雲
水を囲む
鈍の唱の輪
空を招く
海わたる羽
波に残る羽
ただよい ただよい
舟をつくる指に出会う
空に沈む手
水と同じ手
そのままを描く
....
近代芸術が誇る自由の象徴。最新式の
トーテムポール。通勤途中の誰もが目にする、
橋の上の街灯にとまる鳥たち。その多くは
国道50号の看板に生息する。
昨日、鳥たちは君の家の屋根で眠ったとい ....
思い出の残骸が
懐かしさという形で
たむろする畔
平気な顔で笑えるようになった昔を
織り交ぜて偲ぶ時間は
秒針に静寂を傾けながら
絹を編み始めた
繊細さのたゆたう
か細い枝を広げ
撫でる髪
面影を ....
満天の星空から舞い降りたのは
優しい淡い恋の炎でした
柔らかく瞬きながら
山奥のひっそりとした水辺を
泳ぐように飛んでいました
「わたしたちは人知れず
ただ恋情を募らせ ....
せっかくの連休も 僕は家に独り
遊びに出る お金もないし テレビの前で寝転がる
僕の愛しいサトミちゃんは 男と旅に出るんだって
日帰りではないみたいだから なにもないわけはないな
いつ ....
僕達は歩いてやってきた。
今日、この瞬間を共有するために。
ラジオからは素敵な音楽が流れていた。
ジョンレノンが歌ってる。imaginだ。
小さなポータブルラジオを囲んで、みんな泣いていた。
....
転がりそうで
転がらぬ
歪んだ花瓶に生けられて
まばらに咲いた
ひまわり達
打ちひしがれて、皺くちゃに、
首を折って{ルビ俯=うつむ}く者。
背丈を伸ばした頂で、 ....
そよ かぜ
いらいら ゆらゆら
かぜ
かな しみ
よごれて いたんで
あめ
―あめ
一本松でみたよな
景色を
ここでもなぜか見える気がするよ
一本松でみたような ....
あなたのすべての瞬間が
たのしいものであったらと
祈ってみてもいいですか
きのう
またとおくへ
ふたりで
べつべつに漕ぎだした
あなたのすべての瞬間が ....
眠らない夜の
ざわめく都会の駅に
ひとり立ちつくし
冷蔵庫の音しかしない
居間で酒を飲む
冷蔵庫から
食べ残しのつまみを出し
ホテル街へ歩いてゆく
賞味期限切れのつまみは
結 ....
コンビニの光が少し届く曲がり角
アンパン片手に夢を嘆いた午前三時
堕落したポケットに赤い拳
十歩歩くごとに荒んだ目で視線を追いかけた
山菱さんに会えば頭を下げて
原動機に跨って、 ....
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