すべてのおすすめ
川から流れる清らな音が
侘しさと寂しさを
心に響かせ
山から吹く冷たい風が
静けさと悲しさを
心に染み込ませる
いつもと変わらぬ
その時の景色には
どこか遠い思い出を
蘇らせ ....
せめて一つだけでもいいからさ
願いを叶えてよ神様よ
不敵に微笑む神の影は
僕を見下ろし踏みつぶした
そんな夢を見て何回目か
消えていく君と僕との平衡感覚
....
「ここじゃあ 夢は釣れないか」
神様はそう呟いて
雲の上をのそのそと移動した
人間界に落とした釣り糸には
申し訳ない程度の『希望』が
ぶらさがっている
神様は眠そうな目をこすり ....
父よ
今日も変わらず ....
細長い緑の廊下
暗い足音を響かせ
連れられてゆく黒い囚人
彼の手から発する不思議な力
病の男の腫瘍を吸い取り
哀しむ女の涙を拭い
踏み潰された{ルビ鼠=ねずみ}を再び走らせた ....
寒くなってきたので
言葉のタンスから
言葉のコートを取り出しました
一年ぶりに着る言葉のコート
冷たい北風も
これを着ていれば凍える心配もありません
どこか出かけてみよう
どうせ ....
愛する人よ
私は今愛を告白しようと思うのです
物憂い黄昏の中を
あの偉大な日輪が沈んで行くように
私の心はあなたへと傾いて行きます
そしていつしかあなたの愛の中へ
すっかり肩まで浸かっ ....
季節はもう冬支度なのに
たんぽぽの綿毛になるんだと
あなたは言った
過ぎ去った日々を惜しむかのように
ひとびとは
大きな樅の木の下に集いだす
そんな季節に
たんぽぽの綿毛になるんだと
....
パスワードに言い寄られて
逃げ出したのが
IDで
イスラエルが占領している地方で
Uターンしてきて
大きなぼた餅を嬉しそうにほおばるのだ
古くさい道草を
油絵の具で描いてから
デジ ....
目の前きらきら
星はちかちか
手に持つこれは
魔法の雫
一杯飲めば不安をわすれ
2杯飲めば笑顔に笑顔
3杯飲んだら理性が消える
私自身が揺らいだら
魔法の雫に頼る ....
昨日の雨は
本当に雨だったのかと
疑ってしまう今日の青空
くもの巣が水でできている
土に水玉の花が咲いている
風は冷たいけれど
その風に乗って
タンポポのように
きららふわわと ....
あたしは操られマチガイ人形
見た目は可憐な花を背負う女
道行く人は振り返る
信号待ちのあの人は
本当はあたしをずっと待ってる
事故らないでね
決別の青が光るまで
ず ....
所謂、出会い系の掲示板で知り合った
あなたは、豆とプリンが好きですとだけ書いてあり
僕は何気なしにメールを書いた
所謂、メル友の全盛時代だったのだろう
メグライアンとトムハンクスの映 ....
彼が遺した
『さようなら』は
ひとすじの詩に思えた
わたしはそれを
くりかえし
何度も口に出したあと
『愛してる』
、とつぶやいた
だけどそれは
彼 ....
ロシータっていうおばあちゃんは
サンホアンで一番年取ってて
猫にやさしくて
工房の隣の彼女の家には
いつも猫がたくさんいて
使い物にならないボートが
とまっている
....
大きな本屋の片隅で
店員にも忘れられてしまった本が一冊
置かれた場所が奥にあるのか
興味を惹かない題名なのか
本に聞いてもわからない
言葉がこんなに近くとあるというのに
誰もが前を通り ....
男とは、勝手な生き物だ。
やりたいことをやり
いくつもの顔を使い行動を始める。
女とは、哀れな生き物だ。
優しさに憧れ
つっぱっていても
意志は堅いほど
脆く崩れる。
....
木の葉が落ちるは
時の習わし。
春は雨に打たれ、
夏は陽に焼かれ、 ....
戦後まもなくだろう、
捨てられたガスマスクが
赤黒い錆を纏って
川の中で佇んでいる
傍らに
まだ新しい
マイルドセブンが沈む
ささくれのある人差し指で
水面に
彼の鼻先に
つぃ、と ....
夜巡る光は溢水もない
無限ではない人々の心の渦
海風がなびいて吹き荒れる
季節外れの海辺の砂のお城
夜の公園一人たたずむ僕のすがた
大した事もないが生きている世 ....
私を旅に連れてって
あんたの車で連れ出して
何処か遠くに行きましょうよ
車は何だっていいわ
小さくたって構わない
走ればなんだって構わないわ
あんたが運転下手なの知ってる
事故にあっても ....
誰も通らない道端の
枯れ葉が揺れるその場所は
風が自由に向きを変え
空へと戻る交差点
風と風とが巡り会い
互いの全てを確かめて
冷たい空気に温もり添えて
どこからともなく寒いねと ....
空にはいつも夢があった
憧れが青くきらめき
愛さえも赤く燃えていた
だけどこんな曇り日には
未来が見えなくて
泣き虫の君の瞳から
大粒の雨が降る
悲しまないで 君だけは
決して ....
二匹の子猫を喰ったのさ
生まれたての赤ちゃんさ
どうしてだかは分からない
分からないけど喰っちまった
婆さんネコが言っていた
黒猫を食べると幸せになれるって
確か黒猫だった ....
雨の中を
迷子の少年が傘を差さずに立っていた
誰かがそばにあったタオルを
子どもに渡してあげた
人のタオルを勝手に使わないで!
持ち主の声がその場に響く
頭を拭き終えていない少年 ....
君にあげたいものが
ひとつ、ふたつ、と増えていく
ピアスだとか携帯のストラップだとか財布だとか
(だけどお金がない)
時間だとか体力だとか技術だとか
(だけど方法がない)
....
君と僕は
他人同士さ
顔も名前も知らない
他人同士さ
生まれ変わっても
また一緒になろうって
生まれ変わる前に
誓っていたのさ
落第してゆく大人たちを
進級してゆく子どもたちが
通り過ぎてゆく
落第する大人たちは
進級することは過去にしかないと
思いながら
冷えた体で下を向いて歩いてゆく
丸まった背中が小さく ....
もし
きみ が ぼく を
ガラスの水晶のように
見てるなら
少しでも指にふれたら
汚れてしまいそうな
壊れてしまいそうな
世にもきれいなものとして
見てるなら
....
どんどん
どんどん
流れてく
私の意志とは
関係なく
そ知らぬ顔で
それは
憎むべきものなのか
それとも
「今」を失くしてくれる
優しさなのか
私は思う
優しさは
残 ....
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