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名前はやはり記号なのでしょう
存在を証明する 一番純粋な記号
大人に近づくにつれて
何となく 自分の名前さえ空ろになって
記号なのだと 証明なのだと、
眠る前に言い聞かすのです
そうし ....
ぼくは詩人
多くの生まれてきた言葉を選ぶとき
それは選ぶのであって
捨てるのではない
今日もまた
朝の散歩をしていると
ツツジに出会いました
黄緑の葉の上を赤や赤紫に染め ....
窓から窓へ
動くものを追いかけている室内猫
視ることだけが 世界で
ごめんね猫
室内から室内へ
動くことだけが世界の私も同じだから
触れずに着けてきた匂いだけ持って
ただいま猫
....
閃光を浴びる波打つ腕を貫く
静脈の彼方から、疲弊した虹彩がため息を吐く。
朦朧とした街は、たえず銑鉄を溶かして
都会の人々の苦悩の鋳型を作り続けている。
すべての窓には、水がなみなみと注がれて ....
僕らは僕らのままで
それ以上でもなく
それ以下でもない
たとえば自分を着飾れば
それが淋しさに侵されてしまうように
僕らは僕らのままで
それが世界の均衡であることは
僕には否定できません
....
あなたは踊る
ダンスが好きだから踊る
私も踊る
ダンスが好きだから踊る
あなたは踊る
寂しさを紛らわすために踊る
私も踊る
寂しさを感じるあなたの側に居たいから踊る
あなたは踊 ....
ぼくは詩人
孤独を感じたとき
それは自我への認識である
今日もまた
朝の散歩をしていると
少年に出会いました
1人ぼーとして
土がむき出しになっている
広大な畑を眺めて ....
記憶の奥に忘れられた記憶が
ひっそりと泣いていた
色あせしていた僕が君を書いた
似顔絵は何も言わずこっちを見て
ほほえみかけている
君が一生懸命育てた花は
枯れてい ....
ぼくは詩人
静は動の中にあり
動は静の中から生まれる
今日もまた
朝の散歩をしていると
雷雨に出会いました
家を出たときから
ゴロゴロと遠くの方で聞こえていた
ちょ ....
あなたとわたし
またここにいる
良いも悪いも興味がないわたし
緑と赤の区別が付かないあなた
不釣合いのようで均衡を保つ
わたしはあなたの喜ぶことを知っていて
あなたはわたしを怒らせ ....
ぼくは詩人
自分では新鮮な考えと思うことは
他の人も考えていたり
また昔から思われていることが
多いかもしれない
今日もまた
朝の散歩をしていると
猫に出会いました
ぼ ....
動かない水たまり
晴れの日 他の水たちに
追いぬかれてゆく水たまり
重い火の血の水たまり
底に焦土を抱く水たまり
光をはじく骨の手を
振りつづけている水たまり
脂の角 ....
ぼくは詩人
思い込みというのは
時として美しいが
得てして真実を追求しない方が
いいのかもしれない
今日もまた
朝の散歩をしていると
中学生の女の子に出会いました
通学 ....
時計の秒針の音は5を指すときと11を指すときとでは
違う
9から12に向かう頃に絶望的な音がする
こんなたった一周の中に・・・・
それらは毎分行われる
僕らの毎日のごとく
たった一分前 ....
ぼくは詩人
自分を願うことよりも
他人を願う願いこそ
自分への願い
今日もまた
朝の散歩をしていると
短冊に出会いました
神社の境内の中に
堂々と祭られた太く大きな竹の ....
雪の街で眠る君よ
すっと前を睨み
歩きなさい
何も知らなくてよい
ということはなく
何枚もの鏡が重なる夜
退屈な日はお泣きなさい
その大きな身体を震わせて
いつか来る日のために ....
ひとはみな
さみしいひと、なのです
おんなのひとは
心の慰みに 明るい色と楽しい柄で爪を華やがせ
さみしい心が賑やかになった気に なりたいのです
埋まらない心の物悲しさを知って ....
手を繋ぐのも
同じように「好き」と言うのも
もたれ掛かる温かい肩も
落とさない会話の節々も
弱さをこぼす瞬間も
あなたとの幸せは
....
薄曇りの空がからだを湿らせるだけの
ちっぽけな夜だから追いかけてみる
西の地平に月
最後に沈んだ
星の名を知らない、と
静かに胸に沈めた備忘録
この体は赤道儀だ
....
遠い
いつになく
ほそく笑む
青ざめている唇に
小指で すっと紅をさす
星は 、
籠の小鳥と目が合った
さみしい というわけではないけれど
痛むのはなぜ
こんなにも嬉しい朝なのに震え ....
見るに堪えない
もう限界なのです
あたくし
晴れやかな笑顔の他人を
少しも憎いとおもわずに生きていくことの
むつかしさ
本音を少しだけこぼして
申し訳なさそうにすがっ ....
ぼくは詩人
詩であれ絵画であれ写真であれ
題材を探すのではなく
題材の中に入るものかもしれない
今日もまた
朝の散歩をしていると
春の花々に出会いました
水田にそばでは
....
ここはどこだい?
僕は自分自身に尋ねる
訳も分からず僕は歩き出した
不安で満ちた
道のりの過ちに気づかずに
いろんな種類の悲しみが滴になって
バケツをひっくり返した ....
ぼくは詩人
人は人として失いつつも
失った以上に人と成す
今日もまた
朝の散歩をしていると
タンポポの綿毛に出会いました
めしべと花びらを落とした
小さな子房はがくを翼に ....
桜並木の通学路
秋風そよぐ渡り廊下
あたしはきみからかくれんぼ
リボンの端をひらひらと
切なく揺らし 息 止める
遅れて曲がる影にさえ
見つけて とすら 言えないで
ひとり遊 ....
傲慢なアロエが花開き
狼煙が上がれば
いけないものが
ひとつ ふたつ みっつ
投げ入れられた天然の業火によって
焼却され始める
炉の中で
いけないものは
極上の白く澄んだ水晶の球に
....
白鳥が悲しい最後の鳴き声をあげて飛び立つ、
夕暮れの鮮烈ないのちの地平線が、
赤いインクで跡形も無く修正されてゆく。
絶えず流れ出ている蒸留水の蛇口に、
コップを置いて眺めても、
決して溢れ ....
あの頃、僕らの口癖は
「何かいいことないかなぁ」
規則だらけの学校が終わると
結局いつものゲーセンで
そんな言葉を呟いている
誰か一人が口にすると
それはたちまち仲間達に伝播して
誰 ....
君との約束 前の夜
うれしすぎて 眠れない
君を見つけた瞬間に
夢の中に落っこちた
笑ってないで 早く助けて
きっと楽しいから
君と一緒に食べたくて
作ったケーキ 数えき ....
ぼくは詩人
見えないものが見えるとき
それは美への認識
今日もまた
朝の散歩をしていると
風車に出会いました
無下に野原に落ちていたので
手ですくい上げて
風の吹く方向 ....
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