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眠れない
夜をふみこえ
たどりつく
朝という空
風がそよいだ
宇治橋
夕霧にかすみつ渡る面影に
露けき花の色が重なる―――
観月橋
しめやかに
欠け満たされぬ夕月の
心を以ってなぞる君の名
....
子等の留守 語る事なく夫と居て
硝子戸たたく雪を見てゐる
入試終え帰りきし子は降る雪の
中にレコード買ふと出で行く
ミニを着て鏡の前に立ちみれば
膝にかくせぬ年と知らさる
....
透き通るガラスの惑い指でなぞり
雨をみていた心おちいて
白い足走り去る朝つかのまの
雨をみていた虹を待つまま
紫陽花の肌の静けさこぼれゆく
雨をみてい ....
ねぼすけのあなたのために初夏の朝カフェイン渡す悪女になりて
ニャニャニャニャニャ
にゃにゃにゃにゃニャーニャ にゃにゃにゃにゃにゃ
にゃにゃにゃにゃ ニャニャニャ にゃにゃにゃ ニャニャニャニャ
晴天のあくる日雨の梅雨景色恋にもにて色美しき
あなたの腕で
眠る今日
明日も続けば
梅雨の日だって
幸せなのよ
晴れた空
熟れた唇
赤々と
染まりて人を
惹きつけやまぬ
からっぼのグラスに注ぐ赤ワイン街の夜景が微かに浮かぶ
夏至の日に
キャンドルナイト{ルビ流行=はやり}だし
ニヤリと笑う ロウソク屋の子
忘れ物思い出し歩を返し言う
独りごと人に聞かれし居しかも
凍る朝素足に草鞋の修行僧
声あげ行くに襟正したり
断絶と言わるる代に独り居の姑に
電話をすれば風邪ひき
家の建つ前 ....
紫陽花の大火のようにさきみだれ憂いの日々が来ること知らず
喜びを悲哀に吸われ
その中で戸惑う心と変わらぬ顔
「おめでとう」
言葉が重くのしかかる
笑顔で返せぬ弱った我が身
無理をして笑顔を浮かべ悔しがる
風呂場で流す涙と疲れ
....
猫の毛並誉めて帰りの客の背に
急に舞いきし小雪がかかる
じみな服着る吾れに娘が口紅を
つけよと はたに寄りきてぞ言ふ
すっきりとせざる胸うち雪となる
気配の空に雲低くたる
....
{ルビ静寂=しじま}からもの憂き雨が貫けど
破れる夢もない熱帯夜
曼珠沙華かさなる闇に{ルビ咲乱=さくらん}す
狂おしいまま抱く情に似て
熱き夜に悶える ....
走りきて吾が手をとりて飛行機雲
指さす孫は 1才と半
{引用=
(孫=まだものが言えなかった頃)
}
梅雨入りて
雨はすぐさま
上がつては
お天道様が
にこにこ笑ふ
この夏は
猛き日照りと
なりぬらむ
萎たることの
無きようにせよ
単純に奇声を上げて喜こべる
子等に渇きし心ほぐるる
ねぎらいの言葉を明日はかけるべく
目覚時計の ねじを巻きつつ
奴凧吹かるるさまに幼子が
犬を追い行く 梅雨の晴れ間を
苔庭に ....
戦いで戦いの無い世の中を得ようとしても得られるはず無く
行き先は極楽浄土と信じきり桜のように散り逝く戦友
生きる意味捜し求めて死ぬ意味を押し付けられた彼等儚く
....
夜の川
仄かに光り
飛び交うは
源氏と名の付く
儚き命
螢火を
頼りに歩く
夜の道
昔の空を
心に浮かべ
月は照る
遥かな空から
地の果てへ
星は ....
朝起きて 太陽までも眠たげに今日の軌道を手探りしてる
君がもし薔薇の花なら棘までも抱きしめて枯れてみようか
都合良く使い古して捨てるとは携帯なんかと一緒にしないで
そのままがいいと言 ....
木の芽煮る 香を家中に満たしめて
仄な気息に浸る一時
柚の香のたつ厨辺に春の雪
硝子戸越しに舞い上がりゆく
咎むること胸にある日は釘までも
せんなきことに吾が服を裂く
雨の音聞 ....
あしひきの
やまにおるらむ
きのふのひと
けふのみやこ
あすかのみやこ
ひと知れず眠り深まる硝子傷なさけに託した夢の数だけ
鋭さは傷つかぬこと自らが裂いたものにも怯えること無く
いつくしみ囲いを厭わぬいばら織り潤んで消える虹のひとひら
....
台湾坊主荒れ狂ふニュース報ぜらる
吾家の前に鳩は遊ぶに
しきたりに鰯匂はせ豆まきて
平和を祈り節分祝ふ
待望の雨はほこりの匂いまで
室に運びて心和めり
みがきゆく茶碗の白さに ....
風ノ葉
こころには
埋まることなきすき間あり
葉の揺る茶屋に
独り佇む
椀
{ルビ空=から}の{ルビ椀=わん}
ひかりのにじむ
底のまるみに
....
夢染める 折々の日々 同じ時 流れ流れて どこどこ憩う
日記にて 徒々なる日 綴りては 積み重なりし 笑顔と涙
ご機嫌に 口笛吹けば 飛んでくよ 茜の空に あの日の迷い
....
ゆれてゆれていま夏風に何問うのでしょうあじさい紫陽花この白昼夢
青い花いいないいな
でも紫も
名前に負けない輝きがある
昨日の雨は飲んでしまった?
それとも土に凍りつ ....
恋をする魔法があるなら教えて欲しい あなたにそっとかけてみるから
おはようとおはようございます それだけの関係だけど気になるんです
ぴかぴかの1年生にもなりきれない 恋愛初心者 でも恋 ....
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