山奥の一軒の家のために
立てられた電柱は
その家に誰も住まなくなってからも
一人で立っていた
電線はつながっていたが
電気が流れることはもう期待できない

電柱は昔を思い出した
まだそ ....
わたしのなかのうたが
青い蝶になって
空の彼方へ飛んで行った

鳴り止まないオルゴール
うたのないまま時は過ぎて

今頃おまえは
どこを飛んでいるのだろう
どこでうたを歌っているの
 ....
月が影に隠れる頃
桜は涙を流します
はらはらと落ちてゆく
一粒一粒の涙は
地面に落ちて
道に溢れてゆきます
桜の涙はやがて川となり
月を追いかけて
どこかへ消えてゆきます
きっと春の ....
誰にも使われなくなった鉄棒は
鉄棒自身が自分の目的を忘れていた
そして自分のためにだけに吹く風を
ずっと待つようになった
けれども風は鉄棒を無視するかのように
通り抜けてゆくだけだった
そ ....
まっ赤で
おおきな歌に
くだかれた夕暮れの
かけらをよせあつめて
ぼくはトルソーを
つくった


奄美の島ざらめを
たくさん、うみにながしたら
おおきな涙に ....
よくできてるね
問題を解けばほとんど正解だった

よくできてるね
この言葉が嫌いだった

よくできる生徒で終わってしまうのが
納得できなかった
私は何もしていない
私は何もできていな ....
近付きすぎない方がいい
傷付けてしまうから
当てにしてしまうから

裏側は見せない方がいい
幻滅させてしまうから
夢を壊してしまうから

輝きすぎない方がいい
私が目立 ....
私は私なので
私にしかつくれない詩があるはず
けれども
その言葉が見つからなくて
いつもずっと探してる

私は私なのだから
私にしか歩けない道があるはず
けれども
その道に辿りつけな ....
むかし空には大きなバケツがあって
悲しいことがあると人は
そこまで悲しみを捨てに行った
ある日両手いっぱいに悲しみを抱えた大男が
そのバケツをひっくり返して
中身は空の隅々まで散らばってしま ....
ゆっくりとひらいてゆく 瞳の奥にある泉
深い水色の かなしみに似た 透明な水
ちいさな しかし 底の見えない泉

そのほとりで 小鳥たちは さえずります
悲鳴のような声で 切り裂くように
 ....
桜の花が散り始め
新たな春の姿見え
時の移りに風が舞い
生まれる夢も空に浮く

梢の先が萌え始め
出てくる春の命見え
時の香りに風が飛び
羽ばたく夢も空をゆく

緑と白のこの色は
 ....
 どうしたの、と
 どうしよう、が交差する
 道のどまんなか
 人生のどまんなか
 わたしははかない夢をみる
 儚い 儚い 夢を みる
今の自分にできることは
何もないのかもしれない
あったとしても
今までの自分ができたことよりも
ずっと少なく
今のみんなができることよりも
ずっとずっと少ない
だからといって他人を恨むこ ....
仏のようなよい人に 
ゆるせぬ人がいるのなら 
わたしに誰がゆるせよう 

あの人がわるい 
わたしがわるい 
と 
手にした糸を引き合い 
こんがらがる 
日々の結び目 

力 ....
地図のままに
その道を辿ってゆくと
平面は空間となり
動かない紙は風を呼んでくる
地図はその全てを語らないけれど
その全てを教えてくれる
示されているものから冒険を誘い
自らは新たな道を ....
小枝の先に小さな緑が現れる頃
もう何度も使ってきた
「新しい」という言葉は
やはり新しいのだと不思議に感じる
今まで使ってきた言葉に
何かが足され
何かが積み重ねられ
今までにはない感動 ....
朝焼け

太陽

昇らないで

照らさないで

すべてのものを

痛みや傷や

不確かなものまでもすべて

無慈悲に

暴力的に

曝け出させる

暴いてしまう ....
赤い風船は空に向かって上っていった
高いところから見下ろす風景を見て
ハイな気分になっていった
下から吹き上げる気流が
自分の足をどんどん持ち上げてくれる
もうすぐ雲に届きそうだ
すると雲 ....
未来なんて見てきたもんだから
毎日が退屈になっちゃった

未来なんて見てきたもんだから
想像する楽しみが減っちゃった

未来なんて見てきたもんだから
選択肢がなくなっちゃった
 ....
どこにでもある公園の
どこにでもある家族四人が遊んでいる
けれどもその家族には
家はなかった
それでも着ている服はちゃんとしていたし
髪の毛も長すぎず短すぎず
食べるものも食べている
と ....
鏡は自分にだけは
正直でありたいと思った
常に見るものに
反対のことを教える自分に
罪の意識を感じていた
だからせめて自分だけは
正しいものを正しく見たかった
だがそれは
自分が逆さま ....
生まれ出る感情は
どこから湧いてくるのか
わからないけれど
森の中の泉のように
こんこんと
形を留まらせずに湧き出して
全身に流れてゆく
ある流れは海のような夢へと
広がってゆく
あ ....
 ひりひりとした皮膚の隙間から
 言葉や感情が飛び出していく
 熱を帯びた体はなすすべもなく
 意識の遠のきかけた瞬間にまた
 大事にしていた言葉一欠 飛んでいった
 
 空に溶けていった ....
終点の駅に着いたので
降りようとしたら
網棚にかばんが置いてある
すでに乗客は誰もいない
きっと忘れ物なのだろう
駅員さんに届けてあげよう
かばんはとても軽かった
何も入っていないのかも ....
あなたは いま
せかいよりも
ふかく ねむっている
その ゆめのなかで
わたしは いかされている



*BGM→http://www5a.biglobe.ne.jp/~eis/j/h ....
歯車は旅に出た
今まで一緒に回っていた他の歯車と
どこかかみ合わなかった
自分の歯数を嘆いたり
他の歯車の歯数を責めたりもした
それでもやはりその場にいづらくなって
人知れず早朝に旅立った ....
今日はお姉ちゃんの卒業式だ
昔から卒業式はだいたい
今度入学する中学校の制服を
着ることになっている
お姉ちゃんもその一人だ
ぼくはいつものように
朝ごはんを食べている
いつもはみんな一 ....
道は眠っていた
空になった夢を見ていた
春の暖かさに包まれて
とても気持ちがよかった
こうして一日中のんびりと過ごすのは
久しぶりだった
時が止まって
このままでずっといられたらと思った ....
その鏡を見ても
その鏡は何も映さなかった
鏡から離れて
鏡が見えなくなるとき
その鏡は映したものを見せるという
しかもそれは映した過去ではなく
今そのものを映し出す
鏡が映した姿を見たも ....
ある日からだった
鳥たちがいっせいに地下を飛ぶようになった
空を捨てて森を捨てて
鳥たちは土の中へと潜っていった
地上には鳥の姿は見られなくなった
人間は鳥の居場所を探したが
かなり深くま ....
信天翁さんのおすすめリスト(752)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
一人ぼっちの電柱- ぽえむ君自由詩18*07-4-18
うた- 未有花自由詩19*07-4-18
桜の涙- ぽえむ君自由詩9*07-4-14
風を待つ鉄棒- ぽえむ君自由詩10*07-4-12
トルソー- はらだま ...自由詩44*07-4-11
誤った正解- ぽえむ君自由詩12*07-4-11
- 1486 106自由詩12*07-4-10
私は私をまだ始めたばかり- ぽえむ君自由詩13*07-4-10
さかさバケツ- たもつ自由詩18*07-4-10
spring- 大覚アキ ...自由詩307-4-10
夢はここからここにいる- ぽえむ君自由詩12*07-4-8
自殺願望- くるす.wh ...自由詩2*07-4-7
今の自分にできることは- ぽえむ君自由詩8*07-4-7
「_扉_」_- 服部 剛自由詩14*07-4-7
言葉のままに- ぽえむ君自由詩7*07-4-5
「新しい」が新しい- ぽえむ君自由詩14*07-4-3
BaD_MoRNING- 三架月 ...自由詩3*07-4-1
赤い風船- ぽえむ君自由詩11*07-4-1
タイムマシーンに乗って- 優飛自由詩6*07-4-1
家のない家族- ぽえむ君自由詩9*07-3-31
正直な鏡- ぽえむ君自由詩16*07-3-28
生まれ出る感情は- ぽえむ君自由詩8*07-3-27
蒸発- 茉莉香自由詩6*07-3-27
空のかばん- ぽえむ君自由詩8*07-3-21
そろもん(忌日の話)- みつべえ自由詩607-3-17
旅する歯車- ぽえむ君自由詩11*07-3-16
お姉ちゃんの卒業式- ぽえむ君自由詩10*07-3-15
夢見る道路- ぽえむ君自由詩6*07-3-14
見えない鏡- ぽえむ君自由詩5*07-3-10
地下を飛ぶ鳥- ぽえむ君自由詩24*07-3-10

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